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型枠工事・躯体工事・鉄骨工事・コンクリート工事と構造体|躯体工事8個を紹介

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公開日時 2023.01.31 最終更新日時 2024.01.30

この記事では、躯体工事・構造体についてご紹介いたします。

 


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躯体工事・構造体とは?


躯体工事とは、構造体を組み上げる工事ということになります。
構造体ということは、基礎工事から上棟してからの柱、梁工事、さらにスラブ工事まですべてをまとめて躯体工事と表現します。
建築工事の場合、設計図書における“構造図”において全てのことを指します。
躯体工事と聞くとRC造が自然と思いつく方も多いですが、実際はRC造だけでなく、S造、SRC造もすべてに躯体工事は存在します。

躯体・構造体の主な造り5種類


躯体・構造体の主な造りには「木造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」「鉄骨造(S造)」「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」「ブロック造」の5つの種類があります。
これらの種類によって建物が立たれています。それでは詳しく説明していきます。

1:木造

戸建て住宅や低層アパート等に多い構造です。柱・梁が木でできているもの(木造軸組工法)や、壁や床を木のパネルでつくったもの(ツーバイフォー工法)などがあります。

木造の長所としては、コストが低く、調湿性能に優れているところです。また、木は軽いので、比強度(材料強度を材料の比重で割ったもの)に優れており、鉄にも負けていません。地震力は建物の重量に比例しますから、木はコストパフォーマンスに優れています。

短所は、耐火性能が低いことです。

2:鉄筋コンクリート造(RC造)

圧縮力に優れたコンクリートと引張力に優れた鉄筋を組み合わせた構造です。「Reinforced Concrete」の頭文字をとってRC造と言われます。

鉄筋コンクリート造は中低層のマンション等に多く採用される構造形式です。鉄筋コンクリートの柱と梁でできているもの(ラーメン構造)や、柱をなくして耐力壁でできたもの(壁式構造)などがあります。

鉄筋コンクリート造の長所は、構造体が鉄筋コンクリートでできているため、耐火性能が高く、遮音性能に優れていますが、コストが高いのが短所といえます。

鉄筋コンクリート造は、自重が重いため高層の建物には採用されにくいですが、高強度コンクリートの登場で高層の建物も建てられるようになってきました。

3:鉄骨造(S造)

構造体である柱と梁が鉄骨でできたものです。「Steel」の頭文字をとってS造と言われます。

オフィスビルや高層マンション等に多い構造です。重量鉄骨造と軽量鉄骨造があり、軽量鉄骨造は戸建て住宅など小規模なものに使われます。

鉄骨造の長所としては、材料の品質が確保されやすいことや工期が短いところです。また、鉄筋コンクリートに比べて自重が軽く、大スパンの建築物が可能なため、広い空間が求められる建物に向いています。

短所は、耐火性能が低いこと、錆びやすいこと、そして揺れが大きいことです。

4:鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造とは、構造体である柱・梁の鉄筋コンクリートの芯の部分に鉄骨が入っている構造です。「Steel Reinforced Concrete」の頭文字をとってSRC造と言われます。

大型ビルや高層マンション等に多い構造です。あらゆる構造の中で特に耐震性・耐火性が優れています。

鉄骨鉄筋コンクリート造の長所としては、耐火性・耐久性に優れているところです。また、鉄筋コンクリート造に比べ、柱や梁のサイズを小さくできます。

短所としては、コストが高いことが挙げられるでしょう。

5:ブロック造

ブロック造とは、コンクリートブロックを積み上げて構造体とし、内部に補強鉄筋を入れたものです。正確には補強コンクリートブロック造、あるいは型枠コンクリートブロック造のことを指しています。

小規模の倉庫、ごみ置き場、駐車場、塀などに多い構造です。強度上、開口部が多い建物には向いていません。

補強コンクリートブロック造の長所としては、型枠工事やコンクリート工事が不要なため、鉄筋コンクリート造に比べてコストが低く、工期も短いところです。また、耐久性、耐火性に優れています。

短所は、プランの自由度が低く増改築しにくいことと、防湿性能が低いことです。

躯体工事の種類8個


ここでは、躯体に関する工事を取り上げます。

特に、躯体の材料である鉄筋コンクリートや鉄骨が関係する工事がポイントです。木造でも鉄骨造でも、基礎部分は鉄筋コンクリートでできているのが通常ですから、型枠工事・鉄筋工事・コンクリート工事は欠かせません。よく内容を確認しておきましょう。

1:基礎工事

建物の基礎は躯体になりますので、基礎工事は躯体工事に当たります。

地耐力が十分なら直接基礎を採用しますし、軟弱地盤なら杭基礎等にする必要があります。

例えば住宅の場合だと、地耐力に応じて布基礎やべた基礎が採用されますし、軟弱地盤ならば鋼管杭を使用したり、地盤改良が行われたりします。

いずれにせよ鉄筋コンクリートで基礎をつくりますので、基礎工事では鉄筋を組んで型枠を建てて、コンクリートを打設する流れになります。つまり、鉄筋工事・型枠工事・コンクリート工事が必要です。

2:型枠工事

柱や梁、壁、床スラブなどの躯体を鉄筋コンクリートでつくる場合は、コンクリートを流し込むための型枠工事が必要になります。

型枠工事は、まず図面から拾い出しを行うところから始まります。どのような形状の型枠がどれだけいるか、加工図を作成します。

次は加工図をもとに、専用の合板と角材(桟木)を加工して実際に使う型枠をつくります。

その後、現場で墨出しを行い、墨にあわせて型枠を建て込んでいきます。建て込みが完了したら、コンクリートを打設します。

コンクリートが固まって、一定の強度に達したら、型枠を解体します。

3:鉄筋工事

型枠工事と同様に、柱や梁、壁、床スラブなどの躯体を鉄筋コンクリートでつくる場合は、鉄筋工事が必要になります。

鉄筋工事の流れとして、まず図面から必要な鉄筋の種類や数量を拾い出します。そして鉄筋の組み方を記した施工図を作成します。

次に必要な鉄筋を仕入れて、施工図をもとに、鉄筋を曲げたり切ったりして加工していきます。

その後、現場に搬入し、施工図通りに鉄筋を組み立てていきます。結束線と呼ばれる鉄線を使って鉄筋と鉄筋を結束していきます。
鉄筋の径、間隔、継手の長さ、かぶり厚さなど、配筋検査で合格したら完了です。

4:コンクリート工事

鉄筋工事と同様に、柱や梁、壁、床スラブなどの躯体を鉄筋コンクリートでつくる場合は、コンクリート工事が必要になります。

コンクリートの打設は一発勝負ですから、事前に十分な計画を立て準備しておくことが大切です。

施工会社から依頼を受けた生コン会社は、所定のコンクリート強度が出るようにコンクリートを配合して現場に納入します。このとき現場では、受入検査を行い、所定の品質かどうかチェックします。また、コンクリート硬化後に強度試験を行うため、テストピースも採取します。

合格ならば、ポンプ車にコンクリートを荷卸しして、打設開始です。ジャンカ・コールドジョイントなど施工不良がないように、コンクリートの打込み・締固めを行います。振動機を用いたり、木づちで叩いたりします。

最後に表面を仕上げて終了です。状況に応じてコンクリートの養生を行います。

5:鉄骨工事

鉄骨造の建物は、柱や梁が鉄骨ですから、鉄骨工事を行います。

鉄骨工事は、あらかじめ工場でつくられた鉄骨部材を現場に搬入し、それを組み立ててボルトや溶接により接合します。

鉄骨はクレーンで吊りますが、接合作業は職人がするので、あらかじめ安全装置を取りつけておきます。

組み立ての際は、まず仮ボルトやワイヤーで固定し(仮止め)、測量器で鉄骨がまっすぐ建っているか、ゆがんでいないかチェックします。この調整が終わったら、高力ボルトを使って本締めします。

本締め完了後、さらに接合を強固にするため、溶接を行います。

6:とび工事

とび工事という言葉は、単体ではほとんど耳にしません。建設業法の業種区分の「とび・土工工事業」という形で目にする程度です。

とび工が行う作業としては、足場の組み立て解体、鉄骨の建て方、杭打ちの作業、重機類の組み立て解体や操作などがあります。

建設業法で定める建設工事の種類(別表第一の上欄)のなかには、「とび・土工・コンクリート工事」と「鋼構造物工事」がありますが、建設業許可事務ガイドラインによれば、鉄骨の組み立てについて区分されています。

出典:建設業許可事務ガイドラインについて|国土交通省

7:土工工事

土工工事という言葉は単体ではほとんど耳にしません。建設業法の業種区分の「とび・土工工事業」という形で目にする程度です。

歴史的にとびと土工の結びつきが強いことが背景にあるようです。

「とび・土工工事業」の内容としては、「①:足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事」「②:くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事」「③:土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事」「④:コンクリートにより工作物を築造する工事」「⑤:その他基礎的ないしは準備的工事」が挙げられます。

出典:建設業法による建設工事の業種区分一覧表|島根県浜田市

8:PC工事

PC工事のPCとは、プレストレストコンクリート(Prestressed Concreteの略)のことを指す場合と、プレキャストコンクリート(Precast Concreteの略、PCaともいう)のことを指す場合があります。

プレストレストコンクリートとは、「PC鋼材」と呼ばれる高強度を使って、事前にコンクリートに圧縮力(ストレス)を与える方法です。これにより、コンクリートの弱点であるひび割れを制御できます。

プレキャストコンクリートとは、建物の基本となる部材をあらかじめ工場で製造した後、現場へ持ち込み躯体を組み立てる工法です。現場作業を減らすことで工期の短縮となり、工場生産による高品質化が図れます。

躯体工事に必要な仮設工事


ここからは工事ごとに分けて必要な仮設計画例を紹介していきます。
足場等に関しては、各工種共通となるのでここでは省略しますが、代表的な仮設計画を紹介します。

1:鉄筋・型枠工事

鉄筋・型枠工事では、鉄筋、型枠等の資材を運搬・移動する際に必要となる重機について検討しておくと良いでしょう。
資材を人の力で運ぶと、運搬に時間がかかり、工事が遅くなるだけでなく運搬に必要となった人件費まで請求されます。
複数人で運搬するのであれば、レッカー系の重機を段取りしたほうが安く、早くなることがあるので十分検討してください。
業者との契約条件等もありますので、重機を手配する際は上長に確認すると良いでしょう。

また、資材を仮置き、保管しておく場所も計画しておかなければなりません。
現場内に適当に置いておくと、散らかってしまったり、通路が塞がってしまったり、車両が入れなくなる等、良いことはなにもありません。
また、鉄筋はさびやすいので、そのことも考慮して置き場所は決めるようにしてください。

2:コンクリート工事

コンクリート工事で重要なのは、コンクリート圧送車(ポンプ車)の選定です。
まずは、打設箇所までの距離との検討です。
ポンプ車のブームで直接届く場所である場合と、配送管をつなぎ合わせる場合を検討する必要があります。
つなぎ合わせる場合は、つなぎ合わせるルートとつなぎ合わせる日取りを決めます。
配管ルートは他の工事の影響や安全面で問題がないかどうか、また、曲げが多いと詰まる可能性が高くなるので、できるだけ曲げはない方が好ましいです。
また、つなぐ日は打設当日にスムーズに開始できるよう、配管が長い場合は前日が好ましいです。

ポンプ車の選定基準としては予定打設数量と、配管など総合的に考慮します。
ポンプ車の規模によって、時間当たりの打設可能終了数が大きく異なります。
打設予定数量が多いのにもかかわらず、小さいポンプ車を選定すると時間がかかりすぎてしまいます。
ただし、いつでも大規模なポンプ車を選定すると、打設数量が少ない場合、予算がかなりオーバーしますのでしっかりと検討しましょう。

3:鉄骨工事

鉄骨工事の場合は組み立てる際に必要な、重機、安全設備、組み立てる順番を示す計画図等が必要となります。

計画図はどの順番で柱・梁等を組み立てるか、どの場所に重機をセットするか、という計画図が必要です。
鉄骨はかなりの重量物ですので、選定した重機と鉄骨材が届く範囲が明記された計画図があると最良です。

重機に関しては、建て方重機および資材を移動させる相番重機の必要性の有無の検討、必要な場合の重機スペックの選定等が必要となります。

そして、鉄骨工事は一歩間違えれば転落する危険もあるので、安全仮設の選定も必要です。
鉄骨工事で必要な安全仮設は以下になります。

・親綱
・親綱支柱
・水平ネット
・垂直昇降用ハシゴ関係
・ハシゴ取り付け金具
・垂直昇降用安全ブック
・暴風ユニット(溶接作業がある場合)
・トピック(鉄骨に引っ掛けて使用する作業台)

仮設関係は鉄骨図の打ち合わせ時に鉄骨業者と打ち合わせる必要があります。
昇降用ハシゴ(タラップ)を取り付ける金物ピースや、落下防止用水平ネットを掛けるピース等を鉄骨業者工場で溶接に手取り付けるか否かの検討を行います。

取付ピースをつけない場合は、ハシゴを固定する取り付け用具やネットを掛けるためのネットクランプを現場で取り付けなければいけない為、その取付ける為の時間が多少かかります。
工場であらかじめピースを取り付けると効率が良くなります。

しかし、仕上げが鉄骨表しである場合、そのピースが全て見えてきてしまいます。その為、取り外し作業が発生する場合があります。
溶接で取り付けているので、取り外したあとの錆止め塗装までやらなければなりません。
仮設の取り付け金物を取り付けて作業するよりもかなり時間がかかるので、効率が大変悪くなります。

仕上げ材により隠れる場合でも、設計者により残すことがNGとなることもありますので、どのような場合でも鉄骨に溶接でピースを取り付ける際は、設計者(監理者)に確認する必要があります。

また、どのような場合でも上記の仮設物を用意する必要はありません。
暴風ユニットは、現場にて鉄骨上で溶接を行はない時は、必要がないことがあります。
溶接は強風時では行ってはいけない、と「標準仕様書」に記載されています。
構造や工法により、溶接作業がない場合は無駄になるので必要がないことが多いです。

自分が携わっている建設工事で何が必要で、何が不必要か、トータルで検討することが大切です。
S造はRCと異なり、1層ずつではなく建て始めたら一気に上層階に進みますので、あらかじめ準備しておかなければ不安全な状態になったり、品質に問題が出てしまったり、その他多くの問題に直結するので注意してください。

躯体工事で注意すべき品質管理

躯体工事で注意すべき品質管理


躯体工事では大けがに繋がる安全面の注意点も多くありますが、建物の品質に大きく影響を与える問題にも直結します。
躯体工事は構造部分の工事となるので、間違えれば取り壊して建て直しという最悪の事態も招きます。
万が一、ミスや不手際が表ざたにならなかったとしても経年劣化や、地震等の災害時に建物に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
ミスは誰にでも、どこにでも起きる可能性があるので、工事が進んでしまう前に品質管理をし、良質な建物を作れることを心がけてください。

1:鉄筋工事

鉄筋はただ鉄筋を組み上げればよい、というわけではありません。
構造図通りに主筋や、せん断補強筋(フープ筋やスターラップ筋)が組まれているか確認することはもちろんですが、設計図に書かれている特記仕様書や標準仕様書に記載されていることをすべて満たさなければなりません。

柱の主筋のフックの有無や、有る場合のフックの細かい寸法等の決まりごと、重ね接手の寸法やその他の決まりごとの確認も必要です。

しかし、実際に行われている工事は全てが標準仕様書に書かれていることではありません。鉄筋の圧接に関しても一般的な鉄筋圧接工事であれば標準仕様書に細かい決まりが載っていますが、新工法等、その他の工法に関しては載っていないことが多いです。

その場合は、鉄筋業者から工法の資料を取り寄せることや最新のJISにて確認することが大切になります。

配筋前にも材料の確認も怠らないようにしましょう。
鉄筋系の確認、写真撮影はもちろんですが、鉄筋の材質の確認も必須です。
「SD〇〇〇」と設計図には載っていますので、その表記通りの鉄筋が納品されているか、ということを確実に抑えることが大切です。
鉄筋系は鉄筋自体に数字で刻印されていますが、種類に関しては数字での明記がありません。
調べる方法としては、鉄筋メーカーのパンフレット、もしくはホームページにて調べれば出てきますので、その方法に則って確認してください。

鉄筋工事は誤りがあればコンクリート打設後でも全て解体して作り直さなければならないこともありますので、十分注意してください。

2:型枠工事

鉄筋工事後に型枠工事に進みます。
コンクリートは型枠が組まれた、そのままの形となって固まります。
逆に言えばその通りに固まらなければなりません。
型枠を組んだ状態で固まらないということは固定が不足しており、コンクリートの圧力で型枠が膨れ上がってしまうこともあります。
型枠は、木材であることが多いのでコンクリートの強い圧力が加われば膨れ上がります。
その為にサポート等を使用して型枠の変形を防ぎます。
そのサポート等が適切に施工されているか、という確認もかなり重要になってきます。

さらに、スラブ工事等、コンクリートの圧力、重みにより、崩壊してしまう可能性がある工事のサポートは、法令等に則って施工されているか確認しなければなりません。
確認を怠ると、崩壊事故に繋がってしまうなど、かなりの大災害に発展します。
RC造の場合のスラブ工事では特に注意が必要となります。

また、型枠の形にコンクリートが固まるということは、大きさも確認しなければなりません。設計図に書かれている通りの大きさになっているか、の確認です。
梁の種類が多い場合は、大きさが近い数字の梁の場合間違えて立て込みを行ってしまうこともあるので、全てにおいて大きさの確認も必要となります。

型枠工事後の大きさのミスを取り逃してしまう原因は、鉄筋工事前に行う墨出し作業からミスしている可能性もあります。
出した墨にそって型枠を建込むので、墨出しで間違えるとそのままコンクリート工事まで引きずることもあります。
気が利く作業員であれば、大きさのミスに気付いて教えてくれることもありますが、やはり大事なのは、施工管理者の最終確認です。

最終確認を怠り、コンクリート打設を行った後、型枠脱型後の出来形検査で、ミスが発覚してしまう可能性は十分に考えられます。

3:コンクリート工事

コンクリートの設計基準強度において、設計図書の特記仕様書を熟読する必要があります。
そこに明記されている強度が品質基準強度であるのか、設計基準強度であるのかをしっかり確認します。
品質基準強度はFqと表現され、品質基準強度によってコンクリートの強度計算をされているものです。
対して設計基準強度はFcと表現されます。
まず、品質基準強度の場合はその強度でコンクリートを打設するということではなく、季節の平均気温から、「構造体補正値(mSn)」が決められています。構造体補正値は、地域と季節の関係で決められているものなので、その数字を加算します。さらに、強度補正値3Nを加えます。
つまり、品質基準強度でコンクリート強度が示されていた場合は、
品質基準強度+構造体補正値+3N
でコンクリートを打設します。この加算した値が「調合管理強度(Fm)」となりこの数値のコンクリート強度を打設します。

設計基準強度は新JASSと呼ばれますが、品質基準強度の調合計算よりも単純でわかりやすいです。
設計基準強度で明記されている場合は地域、季節に応じた「温度補正値」を加えます。
温度補正値は、品質基準強度の時の「構造体補正値」とほぼ同じような考え方となります。
設計基準強度の場合は、温度補正値を加えて打設をすれば良いです。
設計基準強度Fcでコンクリート強度が指定されている場合は
設計基準強度+温度補正値
のみで問題ありません。

設計基準強度のほうが新しい基準ですので、品質基準強度で指定されていても「新しい基準に則れば大丈夫」ということではありません。
設計者はそれぞれの数字で構造計算を行っているので、もちろん勝手に変更することはできません。

また、コンクリートはセメント、細骨材、粗骨材、水等々で配合されていますが、コンクリートを流しこむだけでは奥まで流れない、分離しているという不良なコンクリートが出来上がってしまいます。
その問題を解決するのが振動機です。
振動機で、コンクリートの流しこみを行い、全体にコンクリートをいきわたらせます。
振動機はかけ続ければ良いわけではありません、
かけすぎると分離してしまい、それもまた不良なコンクリートになってしまいます。
振動機は1箇所10秒程度で、短すぎても長すぎてもいけません。

4:鉄骨工事の注意点

鉄骨をキレイに組み立てる最初のキモは基礎工事時に行われるアンカー設置工事です。アンカー設置時に寸法通りに設置できていなければ、建物は歪みます。
柱の傾きは決まりによって決まっていますが、アンカー設置が悪ければクリアはできません。かなりシビアな数字となっています。基礎工事のアンカー設置工事の際、妥協を許さず、正確にセットすることは最重要です。

また、高力ボルトの締め付けや構造溶接にも細かい決まりがあります。
高力ボルト締め付けには締め付けの順番も決まっているので、それに従って締め付けるように作業員に明確な指示をしなければいけません。
ボルト締めや溶接は継ぎ目で行われる作業です。
継ぎ手部分は破壊されやすいため、地震などの外力が加わるとそこから崩れていきます。
崩壊しないために構造計算が行われ、母材よりも強固にしてある場合があります。
その部分の工事に手を抜くと、利用者の命にまで係わります。

型枠・躯体・鉄骨・コンクリートなどの構造体を作る工事をよく知ろう


今回は、建物の構造体に関する工事をテーマに、色々な工事について説明してきました。その中でも特に構造体に直結する、型枠工事、鉄骨工事、コンクリート工事については、詳しく解説しました。

建物の構造体を構成する鉄筋コンクリートや鉄骨は、どのように工事されるのか、そして何に注意するべきか、それを知ることがよい建物につながります。

 


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