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給排水設備工事の基本を詳しく解説!

生活にかかせない「水」にかかわる工事には、給水、給湯、排水、排水設備などがあります。

給排水設備工事は、基礎工事の時からはじまり、竣工するまで工事がある工程の多い工種です。また、施工にあたり給水申請や下水道設備の使用開始申請、浄化槽の申請、道路使用許可が必要な場合があります。スムーズな工程管理、工事管理ができるように、給排水設備工事の基本事項を理解しておきましょう。

給水・給湯・排水・排水設備の基本的な知識と注意点、トラブル事例をまとめました。

給水、給湯屋内配管工事の基本事項と注意点


給水、給湯の屋内配管工事の施工方法は、建築物の種類や構造、施主の要望などにより決定されます。
給水の種類、給水の取り込み径、給水方法の種類、給水管・給湯管の立ち上げ方法、給湯方法、それぞれの注意点などを解説します。

給水の種類

建築物で使われる給水の種類には、「上水」、「井戸水(井水)」、「中水」の3種類があります。

「上水」は、市などの上水設備から供給される飲料に適している水で、一般的には「水道水」と呼ばれています。ダムに貯めた河川や雨水などを上水設備で汚れを取り除き、塩素で消毒して供給されています。住宅や商業施設など広く使用されています。

上水は市などによって管理されている公共設備のため、敷地内に新しく取り込み(設置)をするには、申請をしてから供給が開始されるまで時間がかかります。建築工事では、解体、基礎工事の時から「水」が必要になります。上水を新規取り込みする場合には、工事着工前に「給水申請」をしないと工事に間に合わない場合があるので注意が必要です。

「井戸水」は、地下に流れている地下水をポンプで汲み上げて使用します。汲み上げた井戸水は、基本ろ過や消毒は行われません。飲料水として使用する場合もありますが、主に工業用や農作業用として使用されています。

井戸を掘れば必ず井戸水が出るわけではありません。また、出た井戸水が飲料に適した水質とは限りません。飲料に適した井戸水を得るには、地下水が豊富な地域で井戸を深く掘らなければなりません。井戸を掘る場合には、一定の工事期間が必要です。工事前に井戸掘削業者に相談し、掘る深さやポンプの容量、予想掘削期間を確認してから工程を組んでおくようにしましょう。

井戸水は使用中も汲み上げるためにポンプを使用します。ポンプには電源が必要で、使用する時には可動音がします。寝室の近くにポンプを設置すると騒音となるので、設置位置は騒音に対する配慮が必要です。

「中水」は使用した上水を再生処理して、トイレや散水・冷却水・消火用水・雑用水・工業用水などに再利用する水です。中水は飲料に適していませんが、人体に影響がないように処理されています。中水の利用は節水が可能なため、環境保全や水道料金のコスト削減が可能です。大量の水を使用するテーマパークや小中学校のプールでは中水の利用が当たり前になっています。最近では、一般住宅でも取り入れられていて、雨水タンクを設置し、貯めた雨水を花壇への散水や洗車に使用している家庭があります。

上水道と井戸水・中水を同じ建築物や敷地内で使用する場合には、クロスコネクションに注意が必要です。クロスコネクションは配管や設備により、上水の給水・給湯系統に井戸水や中水が混合されることで、上水の水質汚染防止のために水道法で禁止されています。

給水の取り込み径

上水を敷地内に取り込みを行う給水管の径は13mm・16mm・20mm・25mm・30mmなどがあります。管径は、建築物や敷地内の給水口数や建築地の給水圧力により決まります。

給水管径が小さかった場合、水道の蛇口からでる給水圧力が低くなったり、シャワーの水圧が弱い、トイレの流れが悪いなどのトラブルが起こるケースがあります。建築物を建て替える場合や増築、リフォームする場合には、給水管径が足りているか確認が必要です。

給水方法の種類

建物に給水する主な方法は4種類あり、水道直結直圧方式、加圧給水ポンプ方式、高置水槽方式、水道直結増圧給水方式です。どの給水方法で給水するかは、建物の用途や階数、規模によって決まります。

① 水道直結直圧方式
道路下にある水道本管から直接引き込む方法で、3階建てまでの建築物で使われています。
② 加圧給水ポンプ方式
水道本管から引き込んだ水を一度受水槽に貯めて、加圧ポンプを使って給水する方法です。4階建て以上の建築物で使われています。加圧ポンプを使うことで給水圧力が安定した給水ができます。
③ 高置水槽方式
水道本管から引き込んだ水を高層階(主に屋上)にある受水槽に貯めて、高低差の圧力を給水圧に利用して給水する方法です。4階建て以上の建築物で使われています。
④ 水道直結増圧給水方式
水道本管から引き込んだ給水管に直接ポンプを設置して、ポンプの圧力で給水する方法です。10~15階建ての建築物で使われています。

屋内の給水管の立ち上げ方式

トイレや洗面・キッチンの近くに必要な給水・給湯管を立ち上げる方法には、床給水方式と壁給水方式があります。どちらの方式を採用するかは、設備の種類や建築物の構造、使い勝手、デザイン性などを考慮して選びます。

壁給水方式は、給水管が壁から出ている給水方式です。壁給水方式は、給水の周りに収納スペースが確保できる、掃除しやすい、配管が見えないためすっきりしデザイン性が良いなどのメリットがあります。デメリットは、構造によっては施工が難しい、メンテナンスが不便、施工費用がかかる、漏水を見つけにくいなどです。

床給水方式は、給水管が床から出ている給水方式です。床給水方式は、施工しやすい、施工費用(部材・人工)が安い、漏水が見つけやすい、メンテナンスしやすいというメリットがあります。デメリットは、配管回りの収納がしづらい、掃除しにくいなどです。

給湯方式と注意点

給湯方法は、建築物の種類や規模などにより様々です。住宅やアパート・マンション・事務所などの建築物は、個別給湯方式でガス給湯器やエコキュートなどの給湯設備を使って、お湯を供給します。お湯を大量に消費する公衆浴場・ホテル・スポーツクラブなどの建築物では、大きな加熱設備を地下や1階などの機械室に設けて、必要箇所に配管して供給します。高度な設備設計の技術が必要になる工事です。

一般住宅や事務所などで使われるガス給湯器やエコキュートなどの給湯設備の給湯能力は、使用頻度・使用量を考慮して決定します。

ガス給湯器は、使用する時に水が給湯器を通ることでお湯になります。給湯器の号数が大きい程能力が大きくなりますが、能力が大きくなってもさほど給湯器のサイズは変わりません。

ガス給湯器を井戸水で使用する場合、施工に注意が必要です。井戸水を使用すると井戸水に含まれる細かい砂利やゴミなどの不純物による故障が起こりやすくなります。また、追炊き機能付きの給湯器では設備内でのクロスコネクションが起こるため井戸水を使用することはできません。

エコキュートは、貯水槽に貯めた水を深夜に沸かし給湯されます。エコキュートの給湯能力は、貯水槽の大きさで決まります。給湯能力が大きいエコキュートは貯水槽が大きくなるため、貯水槽を設置するスペースの広さが必要になります。エコキュートの設置スペースに注意が必要です。

エコキュートの井戸水使用は、最近になり対応する設備メーカーがでてきました。井戸水の水質検査が必須となっています。井戸水をエコキュートで使用したい場合は、設備メーカーの使用条件を事前に確認するようにしましょう。

※エコキュートについて
自然冷媒ヒートポンプ給湯機の商品名です。
「エコキュート」は関西電力の登録商標ですが、国内の電力会社や給湯機メーカーが愛称として使用しています。そのため、建築現場や設計上でも「エコキュート」という名称が自然冷媒ヒートポンプ給湯器として認知されています。

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