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公開日時 2019.08.16
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者は知っておきたい施工確認試験の事

この記事でわかること »

施工確認試験とその概要4


ここでは、塗装工事、アンカー工事、タイル工事、舗装工事の試験とその概要について具体的に説明をしていきます。

・塗りつけ量確認試験【塗装工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

18.1.7 塗装面の確認等
塗装の仕上がり面の確認は目視とし、表 18.1.1 による。ただし、錆止め塗料塗りの品質確認は、次により、塗付け量又は標準膜厚の確認を行う。
(ア) 工事現場塗装の場合は、使用量から単位面積当たりの塗付け量を推定する。
(イ) 工場塗装の場合は、電磁膜厚計その他適切な測定器具により、膜厚の確認を行う。
(ウ) 試験ロットの構成、1回の測定箇所数、合否の判定、不合格ロットの措置等は、1.2.2[施工計画書]による品質計画で定める。
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

塗装工事においての品質は、塗上がりが適正かという事はもちろんですが、標準仕様書に定められた塗布量が塗られたかという事は、耐久性の問題からも重要なポイントです。特に、鉄部等においては、錆等の進行は致命傷になりかねないものですので、塗布量の確認は大事なポイントになります。塗装は、工事現場で塗られるものと、工場で塗られるものがあります。一般的には、工事現場で塗られるものは、使用した塗料数量から単位面積あたりの塗布量を推定しています。対して工場で塗られたものについては膜厚計を用いて、厚みを確認します。

・引っ張り試験【アンカー工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

8.12.7 施工確認試験
あと施工アンカーの施工後の確認試験は、特記による。特記がなければ、引張試験機による引張試験とし、次による。
<略>
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

あと施工アンカーは、耐震改修工事で頻繁に用いられるもので、既存躯体と新規構造物を緊結する方法です。新築工事の場合のアンカーなどはコンクリート打設前に仕込まれていますので、打設時に一体化されるが、改修工事においてはそのような事はできないので、後からコンクリートに打ちこんで一体化する方法をとっています。アンカーが容易に抜けてしまうようでは固定されているとは言えないので、引張試験をして大丈夫であるかを確認します。設計時にアンカーに必要とされる耐力を設定しているので、それを満足するものであるかを確認します。

・接着力試験【タイル工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

11.1.5 施工後の確認及び試験
(3) 接着力試験は、次による。
屋外のタイル張り及び屋内の吹抜け部分等のタイル張りは、次により接着力試験を行う。た
だし、施工場所の状況等により、監督職員の承諾を受けて、省略することができる。
(a) 試験方法は、接着力試験機による引張接着強度の測定により、試験は、所定の接着強度
が発現したと予想される時期に行う。
<略>
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

タイルは外壁面等に施されるが、剥落すると人的被害をもたらし重大な事故になる可能性があります。施工が適切に行われたかどうかを、試験機を用いて実際にタイルを引張ることで、剥離する力を測定します。これが基準を満たしていれば合格であり、満たしていなければ不合格となります。

・路床試験【舗装工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

22.2.5 試験
(1) 路床土の支持力比 (CBR) 試験は JIS A 1211 (CBR試験方法) に基づき、適用は特記による。
<略>

路床とは、いわゆる「土」の部分を指すものであるが、舗装工事において締固めが足りないと沈んでしまい、結果として沈下等の現象を起こしてしまいます。
CBR試験という、土の強さの大小を判定する試験を行います。

・路盤試験【舗装工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

22.3.5 試験
(1) 路盤の最大乾燥密度は、JIS A 1210 (突固めによる土の締固め試験方法) に基づく試験によ
り確認し、監督職員の承諾を受ける。
(2) 路盤の締固め完了後、次により、路盤の厚さ及び締固め度の試験を行う。
<略>
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

路盤工事とは、アスファルト舗装等の下に敷く砕石敷きの事を指すが、十分な締固めがされていないと路床と同じく、沈下原因となってしまいます。JISに基づく締固め試験方法にて適切であるかを確認することとしています。

まとめ


いかがでしたでしょうか。「公共建築工事標準仕様書」に掲載されている試験について簡単ではありますが、紹介させていただきました。建築工事は多岐に渡る為、どのようなタイミングにどのような試験があるかを把握する事はなかなか大変なことです。設計図書の中には、特記仕様書がありますが、どうしても図面の方ばかりに気か行ってしまい、見落としていたりする事もあろうかと思います。今回の記事において、試験の対象となる事がどのよう場所に載っており、どのようにこの工事に適用されるのかが分かってきたのではないでしょうか。
適切な施工管理を行うにあたって、この記事がお役立ていただければ幸いです。

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