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公開日時 2019.08.16
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者は知っておきたい施工確認試験の事

施工確認試験とその概要1


ここでは、杭工事と鉄筋工事の試験とその概要について具体的に説明をしていきたいと思います。

・試験杭、杭の載荷試験、地盤の載荷試験【杭工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

4.2.1 試験一般
(1) 工事の適切な時期に、設計図書に定められた杭又は支持地盤の位置及び土質について、この節に示す試験を行い、その結果に基づき、支持力又は支持地盤の確認を行う。
(2) 試験は、監督職員の立会いのもと行い、その後の施工について、監督職員と協議する。ただし、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は、この限りでない。
4.2.2 試験杭
(1) 試験杭の位置、本数及び寸法は、特記による。
(2) 工法ごとの試験杭は、3節から5節までによる。
(3) 試験杭は、本杭に先立ち施工し、試験杭の結果により、本杭の施工における管理基準等を定める。
(4) 試験杭の施工設備は、本杭に用いるものを使用する。
4.2.3 杭の載荷試験
(1) 杭の載荷試験は、鉛直載荷試験又は水平載荷試験とし、適用及び載荷試験の方法は、特記による。
(2) 試験杭の位置、本数及び載荷荷重は、特記による。
(3) 報告書の記載事項等は、特記による。
4.2.4 地盤の載荷試験
(1)地盤の載荷試験は、平板載荷試験とし、適用及び載荷試験の方法は、特記による。
(2)試験位置及び載荷荷重は、特記による。
(3)載荷板を設置する地盤は、掘削、載荷装置等で乱さないようにする。
(4)報告書の記載事項等は、特記による。
4.2.5 報告書等
(1)報告書の記載内容は、次により、施工完了後、監督職員に提出する。
(ア)工事概要
(イ)杭材料、施工機械及び工法
(ウ)実施工程表
(エ)工事写真
(オ)試験杭の施工記録及び地業工事に伴う試験結果の記録
(カ)3節から6節までにおける施工記録
(キ)「基礎ぐい工事の適正な施工を確保するために講ずべき措置(平成28 年3 月4 日 国土交通省告示第468 号)」に規定する施工の適正性を確認する施工記録を保存する期間
(2)この節の試験及び3節から5節までの試験杭において採取した土砂は、土質資料として整理し、(1)の報告書とともに、監督職員に提出する。
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

杭については近年支持方法の確認がされていないという事例があり、社会的な問題となりました。標準仕様書では上記程度の事にしか触れていないのが実情でありますが、自治体等が作成する特記仕様書ではもっと細かい内容を規定しているところもあります。ここでは、杭に関する試験がどのようなものがあるのかを理解する程度にとどまりますが、今最も大事な試験の一つになるかと思いますので、概要はしっかり理解しておいた方がよいでしょう。。
杭の試験については、4.2.5で示す通り報告書の提出が定められています。

・圧接完了後の試験【鉄筋工事】
公共建築工事標準仕様書(平成31年版)には以下のように記されています。

5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験
圧接完了後、次により試験を行う。
(ア) 外観試験は、次による。
(a) 試験対象は、全ての圧接部とする。
(b) 圧接部のふくらみの形状及び寸法、圧接部のふくらみにおける圧接面のずれ、圧接部における鉄筋中心軸の偏心量、圧接部の折れ曲り、片ふくらみ、焼割れ、へこみ、垂下がりその他有害と認められる欠陥の有無について、外観試験を行う。
(c) 試験方法は、目視により、必要に応じて、ノギス、スケールその他適切な器具を使用す
る。
(d) 外観試験の結果、不合格となった場合の措置は、5.4.11(1)による。
(イ) 超音波探傷試験又は引張試験の適用は特記による。特記がなければ、超音波探傷試験とす
る。
(a) 超音波探傷試験は、次による。
① 1ロットは、1組の作業班が1日に行った圧接箇所とする。
② 試験の箇所数は、1ロットに対して 30 か所とし、ロットから無作為に抜き取る。
③ 試験方法及び判定基準は、JIS Z 3062(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音
波探傷試験方法及び判定基準)による。
④ ロットの合否判定は、ロットの全ての試験箇所が合格と判定された場合に、当該ロット
を合格とする。
⑤ 不合格となったロットへの措置は、5.4.11(2)による。
(b) 引張試験の方法等は、特記による。特記がなければ、次による。
① 1ロットは、1組の作業班が1日に行った圧接箇所とする。
② 試験片の採取数は、1ロットに対して3本とする。
③ 試験片を採取した箇所は、同種の鉄筋を圧接して継ぎ足す。ただし、D25 以下の場合は、
監督職員の承諾を受けて、重ね継手とすることができる。
④ 試験片の形状、寸法及び試験方法は、JIS Z 3120(鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接継
手の試験方法及び判定基準)による。
⑤ ロットの合否の判定は、全ての試験片の引張強さが母材の規格値以上である場合かつ
圧接面での破断がない場合を合格とする。ただし、圧接面で破断し不合格となった場合は、
次により再試験を行うことができる。 <略>
【公共建築工事標準仕様書(平成31年版)】

圧接とは、鉄筋工事の接手部分の方法を示しています。鉄筋の接手工法には、重ね接手や圧接接手などの工法が存在しますが、鉄筋径が太径になると圧接工法のみとなります。圧接は鉄筋と鉄筋を熱によって突き合わせて一体化する方法で、圧接部に膨らみが生じ、その部分に空洞等がないかを調べる試験です。
標準仕様書の中では、超音波探傷試験や引っ張り試験のどちらかを特記として定めるとしており、特記仕様書が優先となっている事がわかります。特記仕様書では、両方の試験を行うように定められている事もあるので注意が必要です。

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