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施工管理技術者にますます必要とされるBIM技術

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公開日時 2022.10.05 最終更新日時 2024.01.23

こちらの記事では、施工管理技術者にますます必要とされるBIM技術についてご紹介いたします。

 


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建設産業では慢性的な人手不足に悩まされています。日本全体で少子高齢化に伴う人手不足が叫ばれていますが、建設業界での人手不足は慢性的であり奥が深い問題であります。

というのも建設産業は人的集約産業であり、一つの現場を竣工するためには、総合プロデュースするゼネコンの人員、各協力会社の人員、各協力会社から現場に導入される人員と、多層的に連なった人員が集まって施工体制を作り建物を完成させます。

そして、技術を持った協力会社、専門業者の技術伝承もうまくいっているとは言えず、会社自体を次の世代に引き継ぐことができずに廃業する業者も増えています。

海外から技術者を移殖したとしても急速な高齢化と、専門業者の廃業に伴う人材不足を補うことは難しく、いかに施工管理の生産性を上げていくかが、今後の施工管理技術者に求められている重要な課題となっています。

施工管理の生産性を上げるための施策として、一般社団法人日本建設業連合会(日建連)は2016年4月に「生産性向上推進要綱」を策定し、テーマとして「施工BIM・ICTの活用による生産性の向上」を公表しています。今後の建設産業の生産性向上の鍵となるBIMについて見ていきましょう。

BIMについて


BIMは Building Information Modelingのことで、3次元のダイナミックでリアルタイムなモデリングソフトウェアを活用して、設計、施工管理、運営管理等、建物のライフサイクル全体のデータを構築管理するシステムです。

1987年に開発された、グラフィソフト社のArchiCADが最初のBIMソフトウエアだとされています。BIMは建物を構成する要素を部品化して情報を付加しながら構築されるので2次元の線で構成されていた情報と比べて飛躍的な進化を遂げています。

BIMではプロジェクトに関わる意匠設計、施工、建物所有者、建物管理者の各担当者が、入手するすべての情報を参照及び追加できるため、建物所有者、建物管理者がプロジェクトに関わる情報が欠落することを防ぐためにも力を発揮します。

例を挙げると、建物に水漏れが発生した場合今までであれば実際の建物を調査して原因を特定し、補修、改善する必要がありその調査にかかる時間及び費用もかさむケースが多く見受けられました。

しかし、BIMを利用して実際の建物を調べなくてもBIMで水漏れ箇所の施工情報、管理情報、水漏れを起こしている不具合部分の部材の仕様データが分かれば、現地調査無しに対処方法を掴むことが可能となります。

また、BIMで意匠設計者、測量技術者、構造設計者、ゼネコン及び協力会社、そして所有者がプロジェクト初期段階から仮想モデルデータを共有してそれぞれの専門技術データ、専門知識を付加していくことによってプロジェクト中に時折起こりえる情報の欠落を防ぎ、所有者に複雑で分かりにくくなりがちな建物情報を正確にそして大量に提供できるようになります。

CADについて


3次元でモデリングを行うBIMを行う主なソフトウエアには、3DCADとスケッチアップがあります。今現在建設業界において2次元CADは設計・建設施工において欠かすことができないソフトウエアとして広く普及しています。

しかしながら、3次元CADの普及は、導入しているところとまだ導入していないところの格差が大きいのが現状です。2次元のCADは無料で使えますし、建築を学校で学ぶ際に授業で学ぶため、設計業務、建築施工管理にあたる人には必須のソフトウエアとなっています。まずは親しみのあるCADについて見ていきましょう。

CADとは

CADとはコンピュータ支援設計と訳され、JIS B3401に記載があり「製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析処理をすることによって進める設計のことです。

2次元CADは1960年代にアイバン・サザランド博士がアメリカ国防省の肝いりで開発した「Sketchpad」が原型であり、主に航空機の設計を行うために開発されました。その開発に当たっては当時の軍用機の主力メーカーであったロッキードが協力したと言われています。

CADはコンピュータを使用して設計及び製図を行うシステムであり、図面作成に時間はかかりますが、情報を正確に処理できて編集が容易であり、データ化、ソフト間の互換性があることが利点です。

2次元CADによる設計、施工管理においての次のような効率化、正確化の向上が図られました。

1. 図形を繰り返しコピーで作れるので効率的に作図が可能になり、また、類似図面の作成が容易になった。
2. コンピュータデータでの寸法記入になるので、単純な寸法ミスが少なくなった。
3. 設計作業途中での寸法や面積の測定により、手計算の手間が省ける。
4. プロッターにより設計したデータが取り出せるので、細部まで正確な図面作成が可能となった。

3次元CAD

端的に言うと2次元CADは手書きで行っていた作業をコンピュータで作業できるように置き換えたソフトです。3次元CADは3Dモデリングができるソフトのことですが、それだけにとどまらずいろいろなメリットがあります。

2次元CADでの図面は立体を想像する読図能力が必要です。複雑な図面を理解するには経験が必要で、設計技術者でも初めて見る図面を理解するにはそれなりの時間がかかります。

でも、3次元CADではモデリングされた図面であるため、だれが見ても分かりやすく一目瞭然です。

そして、3次元CADは形状を回転させてあらゆる方向から形状を確認できるという大きなメリットがあります。

図面は設計会社、ゼネコン、協力会社、所有者、建物管理会社等の関係者が見るものなので、図面の専門知識がない方にも分かり易い3次元CADの利便性には、コミュニケーションの質を高める効果が期待できます。

そして3次元CADの便利なところは、体積、表面積、重量等の情報が簡単にすぐに得られる点です。建築設計では図面から体積、表面積を抽出して建物にかかる費用を出すための積算数量を拾い出します。

2次元CADでは、いちいち図面から数量を計算して算出していました。しかし、どうしても人が行う作業ですのでミスもまま見受けられて、すり合わせに時間がかかることが多く見受けられました。

瞬時に数量の算出ができる3次元CADを活用すれば、スピーディーにはじき出した数量を関係者で相互確認しミスを防ぐことができます。

設計者と施工会社(ゼネコン)の作業効率に貢献する大きな3次元CADの利点は干渉チェック及び確認が行える点です。設計図面から施工会社が施工図を作り、設備機器、サッシ、扉、備品等がしっかりと建物内に収まるか詳細を確認しながら進めるのが一般の建築現場でした。

しかし、3次元CADを利用することで設計段階から部材の納まりが確認しやすくなったことにより、確認作業にかかる時間、コスト、実際に施工段階に入ってからのやり直しが発生するリスクは大幅に軽減できます。

このように設計初期段階から品質検討作業を同時に行い、設計施工品質を高めることを「フロントローディング」といい、設計初期段階から干渉チェックも見据えた設計図書の完成度を高めることが建築施工のリスクを減らし、時間とコストを減らす効果をもたらします。

スケッチアップについて


Sketch Upは直感的な操作方法によって習得が可能な3次元モデリングソフトです。有料版と無償版があり建築や教育分野、プロ・アマ問わず広く普及している3次元モデリングソフトです。

Sketch Upは「みんなの3D」とのキャッチコピーで、1999年コロラド州の新興ヴェンチャー企業@Last Softwareによって開発されました。その後、Google Earthの機能性強化を進めていたGoogleに2006年3月に買収され、2012年にはカリフォルニア州のGPS測量機器大手のTrimbleに買収されて現在Trimbleが開発・提供を行っています。

無償版はdxfなどのファイル出力形式が制限され、高解像度の画像出力Layoutといわれる作成ソフトが使えないなどの制限があります。また、無償版の商用使用は禁止されています。

スケッチアップの機能的特徴

プッシュ・プル
直感的に操作できるスケッチアップの一番の特徴はプッシュ・プルツールにあります。壁面などを押したり引いたりすることで自在に図形を簡単に変化させることができる機能です。このSketch Upのモデリングの基本をになうプッシュ・プルツールは2000年11月にアメリカ合衆国にて特許出願されています。

直感的な操作が基本ではありますがマウスポジションによる推定機能があり、数値によるモデリングも可能となっています。ただし、立体的、直線的なモデリング機能に比べると自由曲面を作成する機能はサンドボックスというツールも用意されていますが自動車、人体や自然情景など複雑な曲線を精巧に作るには高い習得レベルが必要となります。

レンダリング
通常の3Dソフトウエアではモデリングツールと出力するレンダリングツールが分かれていますが、Sketch Upでは画面に表示されている状態のまま最終的な出力となります。「スタイル」という画面の表示設定があり、ワイヤーフレーム、シューティング、モノクロームなど面の表現やエッジ幅、背景の表示形式を設定して切り替えて出力することが可能です。また、フォトリアルなレンダリングが必要な場合には、外部プラグイン機能で表現することが可能になっています。

3D Warehouse
モデル作成者がデータを公開できる3D Warehouse機能はGoogle Earthで閲覧できる建物などのデータや作成者データをSketch Upに直接ダウンロードすることが出来ます。建築に携わる設計では共通するデータが多いので役に立つ機能です。

アニメーション
Sketch Up図面内にカメラ機能を自由に配置して建物外部、内部、外観、各部材をシーンとして撮影してそれを繋ぎ合わすことで、アニメーションを作成することが出来ます。作成したアニメーションは出力編集してムービーを作成することも可能となっています。

コンポーネントとグループ
制作したモデルはコンポーネント機能を使うことによって容易に複製が可能となり、複製した一つのコンポーネントを変更することで他のコンポーネントにも変更が反映されます。グループもあるまとまりを一つの集まりとして集約しますが、変更が他のグループに反映されない点が違いになります。

発注者がBIMに期待すること


発注者が建築計画を行う際に求める要求事項としては、品質の高い建物をできるだけリーズナブルに建てて、安定した運営収益をその建物から長期間得られ、そして、将来の改修・改善費用ができるだけ抑えられる建物を取得することです。

日本の設計・建築技術は高く、安心感がありますが、思ったよりも設計計画、工事に時間がかかり当初予定していたプロジェクト投資金額予算よりも予算が超過するケースがまま見受けられます。多くの時間がかかる建築プロジェクトでは予算と時間の超過が将来建物より得る運用収益に与える影響が大きく時には係争ごとになるケースもあります。

建築プロジェクトで予算超過、工期超過で事業に支障がでる原因の多くは、発注者の当初の建築プロジェクトに対する意向・要望が正確に伝わらない、もしくは取り違いがあるまま進んでしまう、施工者サイドで変更した事項が発注者に正確に伝わっていないと言った意思疎通の齟齬によります。

なぜそのような齟齬が建設プロジェクトに起こる場合があるのかというと、建設プロジェクトは設計、施工、建物運営管理など専門会社が一つのプロジェクトを完成さすために集まり、その専門会社の指導の元、各協力会社が多数集合して仕事を行う多層的な人的集約産業だからです。

多くの人をマネジメントするためには、技術と経験に長けたマネージャーが必要になります。設計業務、施工業務、建物運営管理業務をまとめるマネージャーを総合プロデュースする総合マネージャーがうまく機能する建設プロジェクトはうまくいく場合が多く、マネージャー同士の意思の疎通がもう一つである、もしくは総合マネージャーのまとめ方がしっくりいかない場合は意思疎通の齟齬が生まれトラブルのリスクとなります。

BIMの利点としては企画設計段階でBIMモデルを作り、そのデータベースに意匠設計、構造設計、設備設計、施工図、設備データ、建物管理データを各専門会社が作りこんでいくことで、同一時点で必要なデータをプロジェクトスタッフ全員で共有利用できる点です。

同一時間軸で進行しながらデータ共有してBIMデータを作りこんでいくことで、また、その時点で重要、必要な事項を落とし込んでいくと同時に相互に確認を取ることで、必要事項の抜け落ちや、問題点の積み残し、忘却を防ぐことができます。そして、それが意思疎通の齟齬を防ぐことになります。

発注者の要望は良質の建物を安く取得し、最適な収益果実を得て、ランニングコストを抑えることにありますので、その要求にプロジェクト進行中から完成後、そして、将来、リノベーションする際、売却する際に的確に状況説明およびアドバイスが送れる人材を発注者は求めています。

BIMデータを作りこみ施工から建物完成、そしてアフターフォローまで手掛けるゼネコンの施工管理技術者はBIM技術を活用した施工管理技術で発注者の建物資産アドバイザーとなれる資質を備えていますし、そのように進化を続ける施工管理技術者が建設産業を革新していくでしょう。

建設業の今後とBIMの可能性

建設業の今後とBIMの可能性


建設産業の一番の問題は、労働力不足です。少子高齢化の中、各建設会社は人材不足解消の手だてを探していますが、一足飛びに解決できる手段は見当たりません。やはり必要なのは建設現場の省人化です。

BIMデータは3Dで分かり易く、スタッフ全員で共有し更新できますので建設データを作りこむ際に抜け落ちが少なく必要なデータを大量に組み込めて、たやすく抽出できます。作りこまれたBIMデータにより実際に施工している現場で今一番分かり易い効果として表れているのは、設備工事においてゴミが少ない点です。

はじめに、設備工事の専門会社は現場図面に基づいて、施工図を起こします。でも、詳細なBIMデータがあれば、BIMデータに設備プロットを落とし込んでいけば施工図を描く必要がありません。そして、構造・意匠・施工各部門がチェックバックしているBIMデータですので、所定の個所に設備機器が収まらないといった不具合の是正もいち早く行えて時間もかかりません。

そして、ユニットごとに工場で加工して据え付ければゴミの発生は著しく抑えることが出来ます。部材を据え置くだけでいいので投入する人材の数も必然的に少ない人数ですみ、工程によっては徹夜作業もせざる負えない場合もある設備専門会社ですが、定時で作業を終了しているBIMを活用している現場が出てきています。

建設会社の現場の基本は図面にあります。その図面を元に各建設部材の納まり、設備機器の納まり、建物内部、外部の各詳細部分の納まりをいかに無駄、無理、ムラなく納めていくかが現場所長である、施工管理技術者の腕の見せ所です。

その腕の見せ所の強力な武器がBIMデータとなります。意匠図・構造図・施工図・建物管理データ一式を詳細にBIMデータとして落とし込む作業を、最初の段階から総合プロデュースして施工管理技術者がまとめていけば、取り合い部分の納まり確認、干渉チェックは事前に確認できた上で施工にあたれます。

そして、手戻り作業の発生、予備的な人員労力配置などの予備予算は相当数削減が可能となりますし、設備工事等の専門業者の配置人員の削減、工賃の削減効果が早急に可能となります。各工種の人員計画をクリティカルに行えることによって工期全体での人員投入数は相当数削減することが可能となります。

建設工事プロジェクトで工期が遅れて多数の人員投入が必要となり、利益を圧迫したという現場はまま見受けられます。部材の納入に時間がかかった、近隣調整に手間取った等のさまざまな理由がありますが、端的に原因を追究すると発注者及び各関係者との意思疎通に齟齬が起こったことが原因の多くです。

いかに建設プロジェクトに必要な人工数を詳細に把握して無駄、無理、ムラをシステマチックに無くしていくかが、建設産業の未来を拓く技術革新の根本となります。その強力な武器がBIMデータであり、BIMデータを活用してのICT技術施工になります。

BIM・ICT施工技術はまだスタートラインにあります。30年前にパソコンが登場した時のようにまだまだ実際の活用経験がない施工管理技術者が多いと思いますが、BIM・ICT施工技術には今後活用されるべき必然性があり無限の可能性があります。

BIMとICT


2015年に国土交通省が「i-Construction」を提唱しました。各主建築現場にICT(情報通信技術)を積極的に導入して現場の生産性を高めようとする施策のことです。

BIMは3次元のダイナミックでリアルタイムなモデリングソフトウェアを活用して、設計、施工管理、運営管理等、建物のライフサイクル全体のデータを構築管理するシステムを指します、ICTは各現場の測量技術、機材の運行管理システムなどの効率化、生産性を高めるシステムと考えていいでしょう。

これまでの建設現場では多くの工程が人の手によって進められていましたので、現地の測量や設計施工計画の作成、重機による整地作業なども作業と測量を繰り返して行かなくてはいけません。必要に応じて写真撮影も必要であり、検査のためにはそれをプリントアウトして何冊ものファイルを作って検査を受けなくてはなりません。

すべての段階で人による手間と時間がかかるために労働生産性を上げるためには大きな障害となっていました。そこで、プロセスに応じてICTを導入することによって作業効率の大きなアップが図られ、労働生産性の向上を生み、工期短縮、労働環境の改善など多くのメリットを生み出せます。

国土交通省は「2025年までに生産性を20%向上する」という目標を挙げてこの事業に力を入れています。

ICTを導入して生産性を向上さすためには、各現場で使用するタブレット端末、建設ICTに対応するソフトの導入が必要です。ソフトの導入はお金をかければできますが、まずその機材を使いこなせるように人材開発が必要となります。

BIM・ICTの活用が広がっていくためには各現場に携わる施工管理技術者へのBIM・ICT教育が重要です。これからの施工管理技術者にとって確かな建築施工技術を習得することはもちろんですが、生産性向上のためにBIM・ICTを使いこなせる技術も求められています。

これから本当に始まるBIM・ICTを活用した施工管理技術


現在の建設業界は少子高齢化の影響で慢性的な人手不足が懸念されていますが、今現時点ではアベノミクスによる景気浮上効果による建設需要、2020年東京オリンピックによる需要増大に恵まれて各ゼネコンは十分に仕事がある状態です。

しかし、東京オリンピックが終わり、景気浮上効果による建築需要が一服した時に、本当の意味での建設産業の再編が始まります。仕事が十分にある時にはゼネコンは従来ながらの施工方式で利益を稼ぐことで忙しく、実験的にBIM・ICTを活用することはあっても基本的に施工方法として各現場に取り込むまでの動きにはなりません。

建設工事の需要は今時点では新築需要が大半を占めています。ただこれからは、国内人口が増えないので更なる新築需要が今後も続いていくとは考えられません。住宅関連、マンションの需要は統計的に新築需要が頭打ちである統計が出始めています。

総合的な建設需要は今後現状維持か減少していく中で、注文を受けるゼネコンの数は多いが、実際に働く技術者は足らないという状況に近い将来陥る可能性が大です。経済は需要と供給の関係で値段が決まるので、発注量が相対的に減った際には工事の請負金額は下がる方向に向かいます。

その時に、建設業界の再編、変革が起こるでしょう。そして、そのキーとなるのがBIM・ICTを活用した施工管理技術となるでしょう。多数の建設会社が工事を競争で獲得しようとするときには、当たり前ではありますが他社より安い値段で受注して工期は厳守するようになるでしょう。

その時に、競争的な価格で高品質な製品を完成させ工期を厳守できる施工管理を行うためには、BIMを活用して「フロントローディング」を実施し、省力化とスピード化を図る必要があります。各現場にはICTを導入して各現場の省力化スピードアップ化を図るよう改革できる建設会社が市場から求められます。

施工管理技術者が進化、変革することが建設産業を牽引する

BIM3Dモデリングで「フロントローディング」を行う大きな利点は、設計者、施工者、各協力会社、建物管理会社、そして所有者が一目瞭然の3Dモデリングを通じて、設計企画初期段階からデータを共有することで、関係各社が持っているデータが滑落することを防止できる点にあります。

そして、計画段階から建物管理データまでフルBIMしたデータは、将来の不具合発生時の是正対応でも現地調査のコスト及び時間が削減でき大きな効果が期待されます。建物全体の企画から建設、運営維持管理まで建物ライフサイクルコストを網羅できるシステムと言えます。

BIMモデリングで省力化、スピード化を図る際に重要なのは、分かり易いモデリングシステムの特性を十分に活用できるプロデューサーがそのプロジェクトをうまくまとめ上げることで、いかに優れたBIMモデルを使用しても、いたずらに情報が多いだけになったり、コスト面でバランスを欠いていたり、スピード感に乏しければBIMの効力は半減してしまいます。

そのプロジェクトの詳細を最初に理解しているのは設計者であり、建物全体の詳細を一番理解するのは建設施工管理技術者になります。BIMモデリングプロジェクトを牽引するリーダーには施工会社の施工管理技術者が最もふさわしいと考えられます。

従来の建設現場でも、施工管理技術者がお客様、設計事務所、協力会社等と定例会議を開催し、建物の詳細を確認しながら建物を完成に導いていました。この施工管理能力にBIM・ICT技術を加味することで更なる省人化、施工効率のUPが図れるでしょう。

また、各協力会社への技術指導も現場の施工管理技術者が行っていますので、BIM・ICTを十分に理解した施工管理技術者は協力会社へのBIM・ICT活用の実施指導を行うことによって、各協力会社が悩んでいる人手不足への対応、今後の建設産業でのサブコン、協力会社としてのレベルアップが図れるようになります。

建設業界の再編の中でBIM・ICTに精通した施工管理技術者の評価はUPする

建設会社の施工管理技術者はよい建物を完成させて、お客様に感謝していただき、そして会社にも利益をもたらすことが使命です。

そして一方で建設産業の構造的な問題である少子高齢化による人手不足の問題、若年層を建設産業に参入してもらうために必要な働き方改革が基本的な課題としてあります。一見すると省人化して、働き方改革を行い週休二日制の導入をすれば無理がでそうに感じるでしょうが、BIM・ICTを活用して「フロントローディング」により無駄を省き、精度を上げ、スピードを上げていけば問題の解決は可能になります。

BIM・ICT技術施工管理技術者の地位向上


建設工事における現場所長にあたる施工管理技術者は一つの現場が独立した会社であるような権限を与えられている場合が多くあります。多くの人的集約産業である建築工事は一件当たりの工事請負額も大きくいい建物を建てて、お客様に感謝していただき、会社に利益貢献するには多くの苦労もある仕事です。しかしその反面、仕事の達成感は非常に強い仕事であります。

幅広い施工実績を持った経験豊富な施工管理技術者はいまでも引く手あまたの状態です。年収も1,000万円を超える人が少なくありません。そして、同じ施工会社の間で転職がしやすい業種であると言えます。

各建設会社とも今後の市場動向、建設業の未来を考えてBIM・ICTの取り組みに注力していますが、その導入を会社に実際に導入し、運営管理していくのは各社の施工管理技術者にかかっています。

今までの経験で培った施工管理技術は、総合マネジメント力になりますので、その技術力に新しくBIM・ICTを加えて更に進化した総合マネジメント力及びプロデュース力を持った施工管理技術者がこれからの時代には必要とされます。

実際に最前線の現場でBIM・ICTの技術運営を構築した施工管理技術者の具体的なノウハウがその会社の新しい施策の財産となり会社を変革させることが可能になります。そして、各現場に水平展開することによって会社としてのBIMデータが構築されて会社の競争力、技術力のアップが図れるでしょう。

現場で培ってきた技術と新しいBIM・ICT技術を兼ね備え、総合的にプロディースできる施工管理技術者がこれからの建設産業の牽引者になるとともに、建設産業における少子高齢化による省人化問題、技術者不足問題の具体的解決者となるでしょう。一層責任の重い仕事ではありますが総合的BIMプロデュースができる施工管理技術者は社会的にも、年収的にもさらに地位が向上するでしょう。

 


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