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ますます重要視される施工管理技術者

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公開日時 2023.05.23 最終更新日時 2023.05.23

こちらの記事では、ますます重要視される施工管理技術者についてご紹介いたします。

 


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建設業において建物を建設する際には、現場に常駐して建物の完成まで工程管理、品質管理を行う施工管理技術者を置かなくてはいけません。その為の資格として国家資格で一級建築士、二級建築士、1級施工管理技士、2級施工管理技士の資格があります。

一級建築士、二級建築士はどちらかというと建物の意匠設計業務を行うイメージが強くなって来ています。建設現場で建物完成まで現場を差配する作業所長の必要資格として1級施工管理技士の国家資格があります。

建設工事では、いかに安全に、そして無駄、無理をなくし良い品質のものを適正な工期で施行する事が求められます。そして、IT化が進む世の中で建設業界もITを活用化した省力化、施工精度の向上が進んできています。

施工管理技術者の業務内容と役割

施工管理技術者の業務内容と役割


建設工事を行う現場には各現場に主任技術者を配置する必要があります。そして、建築一式工事で6000万円以上のもの、その他の工事で4000万円以上の工事を下請けに発注する建設現場には、監理技術者の配置が必要です。

監理技術者となる為の資格要因として一級建築士、1級施工管理技士の資格が必要であり、建設工事の作業所長として必須の資格と言えるでしょう。

建設工事は労働集約型の仕事であり、各専門業社が多数一つの現場内で作業を進捗させて工事は進んでいきます。監理技術者として現場を統括して差配する作業所長の仕事はいかに適正な工期で高品質な建物をお施主様に引き渡し喜んでいただけるようにマネジメントすることです。

敷地内での建物の位置確認、各専門業者の段取り及びコスト調整、品質及び工程管理、そしてお施主様及び設計事務所との定例打ち合わせと行うべき業務は多岐に渡ります。

それに、建物は敷地形状、建物の形状、建設工事隣接地権者様との近隣状況等一つとして同じ条件の現場はありません。その中でまず安全を第一に確保しながら、高品質な建物を工期内に完成させていく為には、緻密な調整能力を必要とされます。

益々高品質な建物を要求される中で抱えるプレッシャーは大きくなりますが、建物が完成してお施主様に喜んで頂ける達成感は他では味わえない感動がある仕事です。

高齢化の進む建設業界

建設業界で働く人は55歳以上の高齢者が他の業種に比べて極めて多く、高齢化が急速に進んでいます。20歳代の勤労者が少ないのも建設業界の特徴で、更に30代から40代の中間層の人材が少ないのもこの業界の産業構造の特徴となっています。

今現在は、2020年の東京オリンピックを見据えた工事量の増加によって活況を呈している建設業界でありますが、高齢化問題、専門業者の後継者不足、そして、技術と経験を持った施工管理技術者が高齢化していて、30代から40代の施工管理技術者が育っていない産業構造は日本の建設業の今後の課題となっています。

経験豊富な施工管理技術者は引く手あまたです

バブル崩壊後に建設市場の規模が急激に縮小した為、建設業界で働く施工管理技術者の数は平成に入ってから伸び悩んでいました。

その後のアベノミクスによる景気浮上効果、2020年の東京オリンピック特需による建設需要の拡大の中で、工事量の増加に比べて、現場を管理する施工管理技術者の数は不足している状態です。

施工管理の技術は労働集約型の現場作業において、いかに安全に、コストバランスを考えて、適正な工期で建物を完成させるかマネジメントする技術となります。その技術を習得している監理技術者となれる一級建築士、一級施工管理技士資格を持った経験豊かな人材は引く手あまたな状況です。

今までの培った経験と技術は、一級建築士、一級施工管理技士という国家資格者として信頼されますし、建物を完成させてきた実績は、施工実績として民間工事は勿論、官庁工事でも評価されます。

勤務形態は会社に勤務するサラリーマンであっても、現場管理技術者、作業所長は会社から一つの現場を任せられた管理者であり、現場の経営者と言えるでしょう。勤める会社が代わっても、建設工事に於ける施工管理方法に極端な違いはないので転職しやすい業種であると言えます。

今現在、現場経験豊富な監理技術者資格を持った人材は、年収1000万円以上の条件で転職をしている人が少なくありません。これからの世の中でも建物を建てる仕事、維持管理していく仕事は、工事量の多い、少ないはあるとしても無くなることはありません。

ますます高度な技術と、IT化が進んでいく建設業界で施工管理技術者として腕を磨くことは、若い方々にとっても大きなチャンスとなります。IT化、データ化が進む建設業界では、技術者としての資格取得、施工実績と共にITに強い技術者が急速に必要とされており、そして、一度身につけた技術を評価してくれる業界だからです。

建設業に求められる省人化

今の日本の産業構造の変化で問題となっているのは少子高齢化です。労働人口が急速に減少するのを防ぐために、女性の社会進出が大きく取り上げられています。

建設業界は高齢化の最たるものです、施工管理技術者の高齢化はもとより、各専門業者の職人の高齢化も激しく、そして、若い人材の流入も少ないのが現状です。

かつては技術を持った職人であればサラリーマンよりも稼ぎが多いのは当たり前の業種でありましたが、今では、きつい仕事の割に実入りは少なく、せっかく実績のある専門業種の会社でも会社をたたんでしまうケースも多くなっています。

かつては3K業種、「きつい」「きたない」「きけん」と言われそのイメージの払拭に務めてきてはいますが、大手建設会社では変革が進んでいます。又、働き方改革を求められている業界でもありますので、週休二日制の実施や労働時間の短縮に取り組んでいます。

少子高齢化による人材の不足、働き方改革による労働時間の短縮をする為には、いかに作業を省力化していくかが建設産業の課題となっています。その為にはITを活用した効率化によって作業効率を上げることが必要となります。

今後ますます多岐にわたる施工管理技術者の役割

今までは施工管理技術者の業務としては、建物を施工管理して完成させる業務でした。しかしこれからは、土地取得から建物設計計画、施工管理、運営管理まで一元化したデータベースで建物のライフサイクルコスト全体を把握する建設事業が求められています。

お客様の要望した建物計画から施工図面までが統一されたデータで蓄積され共有できるようになると、建設途中で協議の上変更された部分、付け加えられた追加部分の詳細も一目瞭然で分かりますし、建物完成後の運営管理時点において修繕工事を行う際の、完成建物の詳細データ、部材の掌握がすぐに行え全体的に最適な建物維持管理が行えます。

通常は、設計業務についての責任は設計事務所であり、工事上の施工に関することは建設会社、運営管理については管理会社と役割が決まっている為、建物に不具合が出た際の原因確認についても、設計上のトラブルなのか、施工に関するトラブルなのか、運営管理上のトラブルなのかまず責任の所在の確認から行わなくてはならず、場合によっては原因確認だけで多くの労力を費やする場合もありました。

建物完成後15年、20年経過後に行う改修工事に於いても、設計事務所、施工会社、運営管理会社で現地調査を行い、修繕計画を作成しなくてはならず現地調査から計画書の作成業務に多大な労力がかかってしまい、改修費が高くつくケースも多く見られます。

統一されたデータを用いて、設計計画、施工計画、竣工データ、運営管理データが関係者共有で使えるとなると、現況の不具合箇所の是正確認、修繕計画の作成等の労力が大幅に削減されることになります。

そして、そのデータを読み取り建物にとって最適な維持管理、改修提案を行うのに適しているのは計画図面から施工図面を作成して施工管理を行った施工管理技術者が一番適任です。新築需要が主な建設産業ですが、既存ストック財産の活用、リユース、リノベーションがますます盛んになってくる今後の建設業界で施工管理技術者の役割はますます多岐に渡っていくでしょう。

ITにより進化する施工管理技術

ITにより進化する施工管理技術


世の中のIT化の流れは凄まじく、建設業界でも情報データを一元管理して、建物の施工前、施行中、そして施工後のデータを一元管理する事で、無駄、無理、ムラを省いて品質向上に役立てる動きが進んでいます。

ITを活用したスマートデザイン(設計業務)、BIM等を活用した現場効率化は連動したデータベースを活用することで、現場の可視化、効率化、省人化が図れます。そして、完成建物データが一元化できることによって、利用者にとっても利便性の高いデータとして共有する事が可能となります。

BIMとは

BIMとはBuilding Information Modeling のことで、意匠設計段階から施工管理中のデータ、そして完成建物のデータを一元化して、建物のライフサイクル全体を一元管理出来るシステムです。

そのデータには形状、数量、敷地情報、製品メーカー情報など大量のデータが含まれます。BIMに集約されたデータを活用することによって、将来の改修時に配管経路等の詳細データが確認できるので現況建物調査にかかるコストがかからず、施工手順が明確になる事により改修コストなどが抑えられ、建物全体のランニングコストを削減できる効果が期待できます。

そして、漏水等の不具合が起きた際にも、不具合箇所の特定が行い易く、変更する部材のデータもあるので作業の手間が大幅に削減できるメリットがあります。

このようにメリットが多くデータベースとしてますます進化をしているBIMを活用する際の重要な点は、意匠上の情報データ、施工管理上の情報データ、建物完成データから紐解いていかに建物全体の最適化が図れるかマネジメントする事です。

その作業を行うのに一番適しているのは、意匠設計図面から建物の施工管理手順を導き完成させていく施工管理技術者が一番適任です。

ICTとは

ICTとはInformation and Communication Technology の事で、情報通信技術の略であります。建設業界では労働力の減少から生産性の向上を目指す為に、「I-Construction 」という名で推進しています。

建設業は労働生産性が低く、高齢者が多いのが課題であり、生産性を上げる為にICTを活用しない手はありません。測量においてドローン使った測量技術の導入、重機のオペレーションでもICTを使い重機制御の高度化を図る。施工工程管理においてはICTによる緻密なマネジメントにより資材機材の配置の適切化を向上させて生産性の向上を図る事が可能となります。

IT化による労働環境の改善

建設業界は以前、3Kの業界だと言われていました。新3K「給与」「休日」「希望」というスローガンの元、「きつい」「きたない」「きけん」な仕事環境は改善傾向にあります。
より改善を図る為にも、労働生産性を上げて、作業の環境性の向上を図る為には、ITを活用した効率化、省人化を図り、緻密なマネジメントができる施工管理技術者には報酬面でも十分な見返りを得られる環境を構築していく事が建設産業の労働環境の改善、業界のボトムアップが必要です。

導入され始めているIT技術の実例

現在現場に導入が進んでいるIT技術としてはスマートデバイスの導入です。スマートデバイスはスマートホン、タブレットの事で、各工程における写真撮影、図面の閲覧、各打ち合わせ議事録の作成、確認連絡が高機能なタブレットであれば速やかに行えます。

スマートデバイスを使ってデータ管理を行えば、打ち合わせによって生じた変更事項の確認などデータ記録を伴った相互確認を行え記録の保存も同時に行えます。そして、ペーパーレス化にも繋がり、導入に多大な費用もかからずに即効性のあるITツールと言えます。

現場内のPC、スマートデバイスをクラウドで連結して入退室管理記録などの一元化を行っている現場も増えてきています。手軽に情報の一元化を図れるクラウド構築も費用対効果が大きいITツールと言えます。

スマートデバイスとクラウドを一元化して防犯カメラと繋げれば、現場から離れていても、現場の状況を監視することが可能となります。又、遠隔監視機能つきの防犯カメラを備え付けていることを、「防犯カメラで遠隔監視中」と現場シートなどに外から見えるように貼ることで盗難などの防止効果が期待できます。

実際の建設現場で多く導入されて効果を上げている事例としては、上記のような例が上げられます。費用がそれほどかからずに手間、無駄などが減る即効性が期待できてペーパーレスに繋がることが導入の大きな目的となっています。

建設現場では即効性が高く、無駄、ムラ、作業効率化が図れることが目に見えるIT技術が施工管理技術者に求められるので、スマートデバイス、クラウドの導入が進んでいるのではないかと考えられます。

施工管理技術者に求められる技術と資質

施工管理技術者に求められる技術と資質


建築施工の現場はまず図面を読み込んで、施工工程を練ることから始まります。施工手順を考えながらコストバランスと適正な工期を掴んで行かなくてはいけません。それには技術的な裏付けと経験が重要になります。

実際の建築現場での業務

建築現場では監理技術者としての作業所長と、所長を補佐する所員とが配置されます。2億から5億くらいの工事であれば所長と所員の2名体制、5億以上10億くらいの現場では所長と所員2名の3名体制程の人員で施工に当たる会社が多いと思われます。

大きな流れとしては、敷地内の建物位置を確定し、土留め等の基礎工事を行い、その後、杭を打設して埋め戻しを行いその上に建物の躯体をRC造であればコンクリートで打設し、鉄骨造であれば鉄骨を組み上げて完成させて、内装工事、仕上げ工事に移り完成を目指します。

各施工途中の段階で中間検査を受けながら進捗しますので、設計事務所、行政機関の立会いのもと各所で検査を受けて適法な建設物であるかチェックしながら進んでいきます。その際に検査を受けるための書類関係、検査後に提出する書類関係、安全に関する書類関係と提出書類は多岐にわたるため書類作成の業務量も相当なものです。

良い建物を完成させるためには設計事務所が作成した図面を実際の施工段階で間違いなく作業できるように施工図の作成は建設技術者にとって重要な作業です。施工図を詳細に落とし込むことによって作業手順が確認できますので各専門業者の施工人員量、施工手間の確認に繋がり、建築コストに密接に絡んできます。施工手順で無駄、ムラ、無理のある施工方法はコストに跳ね返ってくるだけでなく、安全上、仕上がり状態にも繋がります。

作業所長は全体の工程を掴むとともに、各種専門業者の施工手順を把握して検査の工程も頭に入れて完成まで現場を統括する必要があります。技術と経験に裏付けされたマネジメント能力が要求されます。

施工管理技術者にはどのような人が向いているのか

施工管理を行う作業所長に向いているのはどのような気質の方でしょうか?建設現場は男社会で(現在では女性の進出もめざましいですが)多くの職人さんを束ねる作業所長は親分肌で面倒見のいい人が向いていると思われがちです。

確かに、時には辛い作業もあったり、諸問題が発生して精神的にきつい状況になる可能性もある建設現場では親分肌で面倒見のいいタイプの人が向いているとも言えます。しかしながらはたで見ているよりも、建設工事の現場では細かい部分での専門業者への指導、安全に対する細部への気遣い、お客様、設計事務所との詳細な打ち合わせ等気を使う作業が多く、細かい気遣いをできる人が作業所長として伸びているように思われます。

優秀な施工管理技術者が気をつけている点

建設工事を受注して施工管理を行い完成させる際に重要なことは、適法な建物を建てることは当たり前ですが、契約工期を守り、契約金額を守って、良質な完成建物をお客様に引き渡してお役様に喜んでいただくことです。

お客様に喜んでいただいた上に、設計事務所、工事で協力してもらった専門業者にも喜んでもらえれば最高の仕事ができたと言えるでしょう。

監理技術者資格を持った作業所長でも、すべての所長がいつもベストな状態でお客様に満足していただいているわけではありません、適正な建物でも建物はそれぞれ一つ一つが違うものですからお客様の受け取りかたによっても評価が違ってきます。

優秀な作業所長は、図面を読み込んで施工工程を考える際に、お客様に取り違いが起こらないように十分に説明が必要な事項、ご近隣様にたいして施工上事前に詳細な説明が必要な点等を読み込んでから施工図に落とし込み丁寧に説明して工事に当たります。

施工管理のプロであればすぐにわかる図面上の事でも、建築については詳しくないお客様は説明を聞いているだけでは理解できずに完成物件を見てイメージが違い、クレームに発展する事も往々にしてあります。

建設の工事にあたっては作業中は気をつけていても音は発生しますので近隣様との関係を良好にして工事を進捗させていかないと近隣トラブル等の発生に繋がりトラブル解決に労力を割かなくてはならなかったり、場合によっては裁判で争うようなこともあります。

優秀な作業所長は事前の準備が丁寧ですし、お役様への説明対応、専門業者への説明対応も丁寧です。二週間から一月に一度行われるお客様、設計事務所との定例打ち合わせでも説明が分かりやすく、疑義が生じるであろう点については一つ一つ潰していくきめ細かさを持っている方が優秀な作業所長には多いです。

現場内が綺麗に清掃、整頓されているか、現場事務所が綺麗に整理されているか、書類関係が整っているかでそこの現場が順調にいっているのかどうかおよそ把握できるものです。各現場を管理する本社の方はその点を指導項目に上げている建設会社が多くあります。

優秀な施工管理技術者は全体を詳細に掴みながら、疑義が出そうな点を事前につかみ出し、説明及び場合のよっては是正しながら工事を進捗できて、お客様、設計事務所及び関係各位様に喜んでもらえる建物を竣工できる人です。

その為には、設計図面から細部にわたる施工状況が予測できる技術力と共に、説明能力、交渉能力、きめ細やかな気遣いができる全体マネジマント力をアップしていくたゆまぬ努力が必要です。

若い施工管理技術者の現状

施工管理技術者の高齢化の問題はバブル崩壊後に建設市場が縮小して、若い人材が建設業界に入ってこなくなった事と、もう一つはお客様の建物品質に対する要求が高度になってきていて、豊富な施工実績を持った高齢の施工管理技術者の方が需要があるという点も含んでいます。

高度なマネジメント力が求められる建設工事においては、培ってきた経験が大きくモノを言う部分があり、30代から40代の施工管理技術者の数自体が少ない上に、発注者から施工実績を求められる現場で増えた事で、ベテラン作業所長の下で作業所員として働いてきた期間が長く施工実績が少ない施工監理技術者が多く見受けられます。

しかし、いつまでも高齢化した作業所長が第一線で働けるわけではありません。自ずと世代交代の時期は来るわけで、その際に実際に作業所長として培った経験に乏しいと建設技術の伝承が損なわれる可能性もあります。

ただし、この点は是正が始まっていて、20代から30代の若手施工管理技術者を積極的に作業所長として配置している中小建設会社、女性の施工管理技術者を積極的に採用して教育している建設会社が増えてきています。

今まさに新しい世代への施工管理技術の伝承が進んでいるところです。その中で、心配なのは専門業者の人材不足です。IT化を進めて、省人化を図っていく方向ではありますが、一足飛びにIT技術が現在の施工体制の省人化に直結するとは思えません。

施工管理技術者には適正工期の遵守、工程の遵守、安全の遵守と共に全体コストを適正化する使命がありますので、適性コストが守られるIT化を計らなくてはならないからです。

確かな技術力と施工実績を持ったベテラン施工管理技術者から今まさに若い世代への技術の伝承が行われていく中で、実務としてのIT化が模索されているのが今の若い施工管理技術者の現状であると言えます。

これからの建設産業における施工管理技術者の重要性

これからの建設産業における施工管理技術者の重要性


日本の建設産業は戦後の高度経済成長、バブル景気とその後の平成不況、そして近年のアベノミクス景気の中で官庁建築物、民間建築物とも主に新築需要を基にして発展してきました。

以前より、環境配慮型の既存ストックを利用した再生利用市場の創造が建設産業に重要であると言われてきましたが、まだまだ新築需要が建設産業の種であることに変わりはありません。

本当の意味での「リユース」「リフォーム」「リサイクル」を重点視した再生市場を形成する為には、お客様のニーズも重要ですが、施工上の技術的な点を知り尽くした施工管理技術者の視点から建設市場の再編を考える必要があります。

建設業界の近代化は施工管理技術者の視点から始まる

建設産業の近代化においての優先課題は労働条件ではないでしょうか?働き方改革がうたわれている中で、建設会社も完全週休二日制の実施、残業時間の短縮が開始され元請けを含む協力業者へも水平展開されつつあります。

建設工事においては昔から工期の遵守が必達事項であり。それは、住居系では家賃、事務所店舗系では賃料の発生時期を予測確定して工事着手するケースが多く、工期が遅れることにより違約金が発生する可能性があるからです。

最初から週休二日制を織り込んで工程を組んだらいいと思うでしょうが、その分工期が長くなってしまいます。工期が長くなった分コストがかかり施工費が高くなるからです。しかし、全産業的には当たり前である週休二日制がない労働環境では若い人の積極的な流入は望みにくくなります。

その分省人化によってコストダウンを図り、工期がかかってもコストは抑えられるのであれば完全週休二日制の導入は早い段階で可能になると思います。I-Constructionを推奨してITによる省人化で労働力不足を補っていくのは今後もちろん重要ですが、一番最先端で施工を実施している作業所長が重要視するのはコストと安全性です。

作業所長は安全性と適性コストで施工することを重点課題としています。ドローンを使った測量、重機のオペレーション制御等ITC、I-Construction技術の進歩はめまぐるしいですが、実際の施工に使った場合の工程管理におけるメリット・デメリット、安全性におけるメリット・デメリット、コスト管理におけるメリット・デメリットを数値として全体を掌握できないと実際の現場で多く使われることにはなりません。

実際の施工工程に落とし込んだITC技術、I-Construction技術の仕様書を各メーカー、研究施設が実際に経験豊富な施工管理技術者の検証を受けて、意見を取り入れながら汎用性のある施工方法として確立させていく必要があります。

労働力不足を補う中でもう一つ重要なのは女性人材の活用です。男性社会の代表のような建設業界ではありますが、緻密な施工工程のチェック、検査におけるチェック、きめ細かい技術指導等女性ならではの細かい気遣いが活きてくる職種でもあります。

そして、女性の施工管理技術者を配置すれば工事現場事務所も更衣室を分けて作る必要がありますし、トイレも女性用のトイレが必要となります。現場事務所が汚くて女性に敬遠されるかもと心配しながら配属して見ると、男性作業所員の方が気を使うようになり現場全体の整理・整頓が行き届いたという実例もあります。

どうしても新しい取り組みを始める際には、そのシステムを製作するメーカー、施行する団体の意向が先に立って、そのシステムの効用についてのみが前面に出がちです、ITC、I-Constructionの活用は今後の建設業界で自ずと必要なものですが、中小建設会社が実務レベルで使えないとその効果は行き渡ったことにはなりません。

建設産業の近代化にI-Construction、BIMを活用したデータベースの確立が謳われていますが、一番現場を理解している施工管理技術者が自分で使えてメリットが感じると実感出来るまで練り上げないとI-Constructionの普及に時間がかかり、近代化を早期に実現することの支障になりかねません。

まとめ


建設産業において現場の施工管理を統括する作業所長を務める施工管理技術者は、良い建物を建ててお客様の信頼を得て、建設会社の利益部分を稼ぎ出す中心部隊です、施工の出来、不出来がその建設会社の信用に直結しますし、各現場共、作業所長をトップとした組織が集大成して構成されているのが建設会社です。

作業所長は業務が多岐に渡り、細かい点まで気を使う高度なマネジメント力が必要とされます。その根幹を担うのが経験に裏づけられた技術力です。近代化が求められている建設業界が次の時代に技術を伝承し、IT化で省人化を図り建設産業の生産性を向上していくには、確かな技術を持った施工管理技術者が本当に必要とする効率化出来るITシステムを構築する事が重要となります。

施工管理技術者の施工実績と技術、そしてIT化されたシステム及びデータベースを自在に活用できる人材がこれから求められていくでしょう。ITをマネジメント力に加味して省人化を図りながら良い建物を完成できる施工管理技術者は、今よりも高い報酬を得ることが可能になる時代が来ると思われます。

 


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