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住宅リフォームにおける現場管理のコツ

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公開日時 2023.05.25 最終更新日時 2023.05.25

住宅リフォーム工事の現場管理では、新築工事+αの配慮が必要になります。新築工事と同様の現場管理だけでは、工程通りに工事が進まない、希望通りの工事ができない、工事の予算がオーバーしたなどのトラブルが起きるケースや、「新築と比べると、配慮しないとならないことが多い」、「工程の管理は、時間単位の管理が必要」「工事する場所以外の場所の状態確認も重要」など、リフォームならではの特徴があります。
住宅リフォーム工事の現場管理を始める前に、現場管理の特徴、新築工事との違い、現場管理のコツ、トラブルの事例、良い工事管理の例などを知って、トラブルの起きない現場管理を行い、工事がスムーズに進む現場、お施主様に喜ばれる現場にしましょう。

あらためて、現場管理とは?


現場管理には、主に4つの種類があります。「工事管理」、「安全管理」、「工程管理」、「予算管理」です。それぞれ、何をどのように管理をするのか、詳しく解説します。

工事管理とは?

工事管理は、各種図面、仕様書通りに工事がスムーズ行われるように、工事の状況、品質の管理を行います。

■工事管理の内容

  • 協力業者(職人、業者など)の管理
  • 発注(納品物)の品質管理
  • 各種検査の管理
  • お施主様への工事経過報告

① 工事管理:下請け業者の管理
業者の管理では、工事の進行や指示通りの工事を確認しながら、工事の品質確認も一緒に行います。納材業者にはいつどこに納品するか、納品で必要な重機(ユニックやクレーン)の配置や注意事項などを指示し、納品物の確認を行います。職人には工事前に工事内容の指示し、工事中は工事の状況と品質、工事完了後は工事が指示通り行われているか、確認を行います。
また、業者には現場でのマナーを徹底するように、書面・口頭で注意、指導を行います。

② 工事管理:各種検査等の管理
建築工事では、建築基準法や設備(火災警報器やホームエレベーターなど)、保険(瑕疵担保など)、その他申請関係(省エネ、耐震補強など)の検査や設計者の設計監理の確認が工事中や工事完了時に工事現場で行われます。
これらの現場検査の立会いや設計者の設計監理を受けるのも工事を請け負った業者の仕事です。工事中、検査に合格し、設計監理の了承を得ないと次の工程に進むことはできません。とても重要な仕事の一つです。
各種検査や設計監理に伴い、現場の写真撮影を行います。検査の重要な箇所や工事が終わると隠ぺい部の床下・壁内・天井裏、リフォーム工事前と後の写真を撮影しておきます。

③ 工事管理:お施主様への工事経過報告
工事管理では、現場でお施主様との打合わせも行います。打合わせでは、主に工事内容の説明、工事の進捗状況などの報告をします。
工事中の現場では、急にお施主様に確認をとらなければならないことが発生するケースもあります。寸法や色の再確認、取り付け位置の確認、工事変更の確認など内容は様々です。

安全管理とは?

安全管理は、工事中に事故や災害被害が起こらないようにするため、また起こってしまった場合は適切に対応し、問題を最小限にするために、安全と諸問題の対応を管理します。

■安全管理の内容

  • 現場の安全管理
  • 天候や自然災害の対処方法
  • 近隣の安全管理
  • 事故や災害被害が起きた時のための対処方法

① 安全管理:現場の安全管理
現場では、現場に入るすべての人が怪我や事故に合わないように確認・危険防止のための配慮を行います。
高さがある場所では簡易手摺や危険を知らせる看板の設置などを行い、脚立の掛け方や足場の状況を毎日確認し、電動工具類の保管場所や材料の置き方に注意して事故の防止につとめます。
また、火災を起こさないように、廃棄物や喫煙所の管理、溶接時の引火防止の管理を行います。

② 安全管理:天候や災害の対処方法
工事中は毎日天候を確認し、強風、大雨、台風、落雷、ゲリラ豪雨などが予報される場合は、事前に対処を行います。風に飛ばされそうなものは室内へ移動する、足場のネットは風の影響を受けないようにまとめておく、雨が室内に入ることがないようにブルーシートで保護するなど災害被害の防止につとめます。

③ 安全管理:近隣の安全管理
現場では、近隣の安全にも配慮しなければなりません。工事現場には、大きなトラックや重機がはいるケースがあります。運転手には事前に近隣の状況を伝え、交通量の激しい場所や通学時間帯は、交通整理人を置くなどの配慮を行います。
現場からの飛散物が予想される場合は、現場のネット掛けや近隣の車のカバーなどを行うようにします。

④ 安全管理:事故や災害被害が起きた時の対処方法
安全に工事が進むように配慮を行っても事故や災害被害が起こる場合があります。その時のために、労災保険や現場保険に加入します。保険の保証内容や工事期間を工事前に確認しておきます。
現場で事故が起きた場合は、怪我人の救護を最優先で行い、その後保険などの手続きを行います。事故が起きた場合のために、近隣の病院や救急センターなどを把握し、現場へ掲示しておきましょう。
強風や台風などの自然災害が起きた場合は、まず被害の有無を確認しましょう。被害があった場合は、被害状況を写真にとり、保険会社への連絡を行います。

工程管理とは?

工程管理は、予定している完成日に工事が完了するように、工事の予定を組み、進捗状況の管理を行います。

■工程管理の内容

  • 工程表作成
  • 工事の発注・手配
  • お施主様への報告

① 工程管理:工程表作成
工事中は、複数の下請け業者が出入りし、納材・工事を行います。工事がスムーズに行われるように、工事の順番や工事日数などを考慮しながら、工事着工前に工程表を作成します。

工程に変更があった際は、工程を組み直し、工事の完成日、引渡しが遅れることがないように調整を行います。

② 工程管理:工事の発注・手配
工程管理では、工事の発注と手配を適切な時期に行い、予定通りの日程で工事が終わるように、工事の進捗状況を管理します。
工程管理が不十分となり、ひとつひとつの工事が予定通りに終わらない場合、次の工事は予定通りはじめられなくなります。このような工期の遅れは、お施主様に迷惑をかるだけでなく、余計な費用がかかることになります。
無理や無駄のない発注・手配・管理を行うことが重要です。

③ 工程管理:お施主様への報告
工程管理では、工事の進捗状況をお施主様に報告するのも仕事の一つです。お施主様は、工事中、工事がどのぐらい進んでいるか、予定通りに進んでいるのか、自分たちは何か行動することはないのかなど気にされています。工事の進捗状況を報告しながら、必要な確認を取り、お施主様が行う手続き(工事代金の支払い、登記の準備など)を事前に連絡します。

予算管理とは?

予算管理は、工事が予算内で完成するように、予算計画をたて、予算の進捗状況の管理を行います。

■予算管理の内容

  • 実行予算書の作成
  • 予算の進捗状況の確認
  • 経費の管理

① 予算管理:実行予算書の作成
工事が着工する前に、施工図面と仕様書から工事金額を算出し、実行予算書を作成します。工事を行った場合の減価(実行金額)を算出し、粗利益を計算する作業です。実行予算書は、工事中の予算管理に使用されます。

② 予算管理:予算の進捗状況の確認
工事中は、実行予算書を使いながら予算の進捗状況の管理を行います。工事中の発注金額や支払い金額を確認・確定させ、工事に使用できる予算がどのぐらい残っているのか、今の粗利益はどのぐらいなのかなどを把握します。

③ 予算管理:経費の管理
予算管理では、経費の管理も行います。ガソリン代や各種保険代、駐車場代なども計上し、現場経費が過度にならないように、また予算内におさまるように管理します。

現場管理のコツは、新築工事とリフォーム工事の違いにある

現場管理のコツは、新築工事とリフォーム工事の違いにある


住宅リフォーム工事の現場管理の難しさは、新築工事との違いにあります。新築工事に慣れている現場監督でもリフォーム工事現場の特性を理解していなかったり、わずかに配慮が欠けていたりすると、思わぬトラブルが起きるケースがあります。住宅の新築工事とリフォーム工事との違いを見てみましょう。

新築工事と比べて、制約があるのがリフォーム工事

新築工事は一から建てていくため、図面通りに工事が進みます。しかし、リフォーム工事の場合は、既存の住宅の一部を解体し、改装を行い、場合によっては増築をする工事を行います。そのため、法規や構造、施工、予算に制約が発生し、制約を理解した上で工事を行います。

① リフォーム工事の制約:住宅の法規と構造
法規や構造による制約の主なものは、「床面積を簡単に増やせないこと」、「構造のため重要な柱や壁を撤去することができない」ことです。
床面積は、建ペイ率や容積率・高さ制限・構造強度などの法規に影響があるため、簡単には増やせません。建築基準法や都市計画法などの法規に問題はないか確認が必要です。特に、工事中の増床を伴う追加工事は確認する時間が必要なので注意しましょう。
また、内装の使用材料にも法規の制限があります。キッチンや避難経路に指定されている場所(3階建ての階段やマンションなど)は、使用できる内装材に放火性能が必要なので、確認するようにしましょう。
リフォーム工事を行う住宅の構造強度は、既存の住宅の状態で確保されています。そのため、構造上重要な柱や壁は撤去できないケースがほとんどです。解体できない場所は、事前に確認しておきましょう。どうしても、構造上重要な柱や壁を撤去したい場合には、構造計算を改めて行い、申請、許可を得る必要があります。

② リフォーム工事の制約:不具合がある場所は、そのままでは施工できない
リフォーム工事では、施工にも制約があります。解体工事の時、白蟻被害や柱や床の傷み、雨漏りの跡などのトラブルがないか確認をします。トラブルがあった場合は、トラブルを解消する補修を行ってからリフォーム工事を行います。

また、リフォーム工事をする予定以外の場所に不具合が見つかった場合も同様です。お施主様に現状と放置した場合のリスク、補修工事費用、工期への影響などを報告し、どうのように対処するか、確認します。
トラブルや不具合は放置したままにすると、後々被害が拡大したり、大きなトラブルに発展したりするケースがあります。被害の拡大や大きなトラブルを避けるために、被害やトラブルが小さいうちに修繕工事を行うようにしましょう。
新しい電気設備(浴室換気乾燥暖房機やエアコンなど)を導入する場合は、電気の契約容量と回路の確認を行う必要があります。新しく導入する電気設備に対応できる適正な契約容量がないと容量オーバーでブレーカーがあがるなどのトラブルがおきるケースがあります。注意が必要です。

③ リフォーム工事の制約:予備費の把握と予算管理
リフォーム工事の予算は、新築工事と比較すると流動的な部分があります。床の傾きや不陸の調整、ひび割れの補修、配管の取り替えなど、解体してからでないと工事が必要かどうかわからないケースがあるためです。
リフォームでは工事をスムーズに進めるために、予備費が必要になります。予備費を使う際には、安易に予備費を使わないこと、追加工事としてお施主様に請求できる工事は早急に説明をして了承を得るなど、予備費の使い方に一定の決まりを設けて、予算管理を行う必要があります。

住宅のリフォーム工事の現場では、お施主様が生活している

リフォーム工事は、ほとんどの場合、お施主様が生活している中で工事を行います。そのため、お施主様とのコミュニケーションと現場の安全に配慮が必要です。
お施主様は、毎日工事現場にいることになり、現場監督より早く工事を確認することがあります。そのため、「工事内容が違っている」、「工事が遅れているのではないか」と不安をいだきやすく、「工事内容を変更したい」、「他の場所も追加で工事したい」などの要望も多くなる傾向があります。
お施主様に安心していただくために、お施主様とのコミュニケーションを密に取り、工事内容の説明や変更、追加工事の対応を早めに行うなどの配慮が必要です。
また、工事現場の安全も特に配慮しなくてはなりません。お施主様は、生活している住宅が工事現場であるため、リフォーム工事をしている場所に入りやすく、危険意識も希薄です。
工事中の現場は、未使用の材料や解体物・電動工具があり、足元は材料や金物・木くずなどが散乱していて危険です。お施主様には工事中の現場には立ち入らないことや一日の工事前、終了後又は現場監督と一緒に現場に立ち入るようにお願いし、業者には安全管理と現場清掃を徹底するように指導しましょう。

住宅のリフォーム工事現場のご近所様への配慮

住宅のリフォーム工事現場のご近所様は、お施主様と長く親しくされている場合がほとんどです。ご近所様は、工事現場をよく見ています。現場周辺の清掃とご近所様の安全、コミュニケーションに配慮が必要です。
ご近所様から工事現場のことでクレームが起きないように配慮します。工事中の騒音への配慮(早朝、深夜、休日の工事禁止、防音シードの使用など)や路上駐車の禁止、荷物の積み下ろし中の配慮、道路の汚れ、側溝への土の流入、ゴミなどの飛散物防止などトラブルが起こらないように注意をします。
ご近所様とお会いした時には挨拶をし、工事で迷惑をかけていることはっきり伝えましょう。もごもごと聞こえないような声で挨拶するのでは意味ありません。挨拶は、コミュニケーションの基本です。相手にわかるように笑顔で挨拶しましょう。
ご近所様とのコミュニケーションが良好であっても、リフォーム工事の内容を話してはいけません。お施主様とご近所様との関係は見た目ではわかりません。リフォーム工事はあくまでもお施主様のプレイベート事項です。工事関係者にも気軽に話さないように注意しておきましょう。

現場管理のコツ:工事着工前からはじまっている現場管理

現場管理のコツ:工事着工前からはじまっている現場管理


住宅のリフォーム工事の現場管理では、工事着工前に工事内容や工事現場の状況の把握と工事の予測を行い、事前準備を行います。工事着工前の事前準備が現場管理にとても重要です。工事着工前の現場管理のコツを見てみましょう。

工事着工前に行う工事管理のコツ

工事着工前に工事管理をはじめることで、工事をスムーズに進めることができます。工事着工前の工事管理は、事前現場確認、工事内容の把握、工事現場の近隣への配慮を行います。

・事前現場確認の内容
事前現場確認時に、工事内容を現場で確認・把握しましょう。事前に確認をすることで、必要な材料や養生の準備、急に必要となりそうな工事を把握できます。
工事着工前に、近隣挨拶に伺い、工事期間や時間、休日を確実に伝えましょう。挨拶に伺う家をお施主様に報告し、在宅状況を事前に確認しておくと効率よく挨拶回りができます。また、側溝に土が流れないように、工事着工前に側溝カバー等を設置しましょう。

工事着工前に行う安全管理のコツ

工事中は、安全管理のために工事保険や労災保険に加入しますが、リフォーム工事の場合は、保険期間に注意が必要です。リフォーム工事の場合、解体工事を先に行ったり、着工が早くなったり、工事の完成が延期になることが多々あります。保険期間が切れてしまうことがないように、工事期間は多少余裕をもって入っておきましょう。
また、工事着工前に工事中の貴重品管理(現金類、預貯金通帳、宝飾品など)について、お施主様にお願いをしておきましょう。工事中はお施主様と面識のない職人や納材業者が多数出入りします。貴重品のトラブルがあった場合、双方に問題がなくてもお互い良い気持ちはしません。
貴重品トラブルが起こることがないように、工事期間中は貴重品を、どこか別の場所(貸金庫や親族の家など)に保管していただくか、鍵のかかる部屋に保管していただくようにお願いし、工事着工前までに対処していただくようにしましょう。

工事着工前に行う工程管理と時間管理のコツ

お施主様に業者の工事時間や工程の変更があるケースを事前に伝え、安心して着工を迎えられるように、工程管理や時間管理を行います。

・解体・着工日を早めに連絡する
お施主様には、解体・着工する2週間以上前に日程を伝えましょう。リフォームする場所は、解体・着工前に荷物の移動や片付けが必要です。解体・着工日を早めに連絡し、余裕をもって荷物の移動・片付けをしていただきましょう。
また、お施主様によっては、「大安吉日」などの暦の良い日の着工を望まれる方がいらっしゃいます。事前に確認し、日程を合わせるか、簡単な手付をして着工とするなどの配慮をしましょう。

・毎日の工事時間や工事の休日を伝える
お施主様は、毎日誰が工事にくるのか待っています。また、工事中は工事の予定に合わせて生活をすることになります。毎日の工事時間や休日の予定を事前に伝えておきましょう。

・職人の休憩時間
お施主様に、職人には安全のために休憩時間があることを伝えておきましょう。休憩時間があることを知らなかった場合、職人が休んでばかりいたとクレームになるケースがありますので注意しましょう。

・天候について
天候の状況によって中止になる工事があることや工程が変更になることを事前にお施主様に伝えておきましょう。雨だけでなく、風や湿度、暑さ、寒さなどによって中止になる工事もあります。リフォーム工事の場合、お施主様は工事が進まないと不安になります。事前に理解していただくように話をしておきましょう。

・マンション特有の時間の配慮
マンションの場合は、エレベーターの使用時間と駐車場の入出庫時間に配慮が必要です。通勤、通学時間帯はエレベーターと駐車場が混雑します。混雑する時間帯に納材をしたり、職人が出入したりするとクレームの原因になります。混雑する時間の出入りは避け、どうしても使用しなくてはならない場合は、住人の方を優先するように業者に話しておきましょう。

工事着工前に行う予算管理のコツ

予算管理では、予備費の見込みがとても重要です。リフォーム工事では、事前調査や確認では見つからない不具合や工事費用が多くかかってしまうケースがあります。不具合の補修費用や工事費用の増額を全てお施主様に請求できないため、予算に予備費を見込み、調整を行います。実行予算書を作成する時に、予備費が適正に計上されているか確認しましょう。
また、予算管理の中で、工事中の水道、電気、トイレの使用方法、料金の支払いがどうなっているか確認しておきましょう。工事中は、水と電気、トイレが必要です。全て仮設物を用意するとそれなりの費用がかかります。リフォーム工事の場合は、工事中の住宅のものを使用することがほとんどです。事前に使用できるかどうか確認しておきましょう。
予算管理のためにリフォームローンの有無も確認しましょう。高額なリフォーム工事の場合、リフォームローンを借りているケースがあります。ローンの借入金額は、容易に増額することができません。追加工事でお施主様の予算がオーバーした場合、支払いが難しくなるケースがあります。事前にリフォームローンの有無を確認し、追加工事が発生した時には、お施主様の予算に問題がないか確認をしましょう。確認しておくことで、追加工事を行った後に支払いが難しいことがわかるトラブルを避けることができます。

現場管理のコツ:工事中も気を抜かない

現場管理のコツ:工事中も気を抜かない


リフォーム工事は、一つ一つの工事が早く進み、工程の進捗も新築工事と比較すると早い傾向にあります。工事中は気を抜くことなく、現場管理を進めましょう。

工事中の現場管理:工事管理について

リフォーム工事初日は、リフォームする場所の解体工事からはじまることがほとんどです。解体する前に、荷物の移動の確認と解体前の現場養生を行い、必要があれば給水管やガスをとめる処理を行います。解体工事がはじまると、飛散物で床や壁が傷つくことがあります。また、給水管やガス管を誤って傷つけると大変なことになります。解体工事をはじまる前に確実に準備をしておきましょう。
現場養生は、丁寧に行いましょう。工事をする場所だけでなく、搬入経路やお施主様の生活スペースの埃対策も確実に行いましょう。
解体工事により発生した廃棄物は、廃棄物処理法とリサイクル法による解体廃棄物処理のルールを守り、適正な処理を行います。下請け業者やお施主様から廃棄物処理の依頼があった場合は、ルールの説明と適正な処理を行うように注意しましょう。
工事中の下請け業者には、挨拶や喫煙、駐車場所、服装、トイレやラジオの使用などのマナーを徹底させましょう。
工事内容の確認は、工事前に確実に行い、職人がお施主様に確認しないように、また勝手な工事変更やお施主様への質問をしないように指導しておきましょう。
リフォーム工事の場合、工事中に床下の傷みが見つかったり、白蟻の発生を見つけたり、雨漏りが見つかったりすることがあります。また、既存図面と違う施工がされている場合もあります。
それらの問題はお施主様に報告し、どのように対応するか確認します。勝手な判断をして工事を進めてはいけません。追加工事の見積もりや工事期間の延長があるかなどを報告し、検討していただきましょう。
リフォーム工事の工事管理では、写真撮影も重要です。解体した時の様子や床下・壁内・天井裏がどのような状況になっているか、撮影しておきましょう。工事後に質問されることがありますので、写真を見せながら説明できるように工事記録として整理しておきましょう。

工事中の現場管理:安全管理について

安全な現場を保つために、毎日工事開始前に安全対策に不備がないか確認を行います。

■現場の安全対策確認事項

  • 現場養生がはずれたり、破れたりしていないか
  • 工程ごとに、滑る、落下するなどの危険な箇所の安全対策を見直す
  • 危険な工具や材料の管理は安全に配慮しているか
  • 高齢者や小さなお子様にとって危険なものはないか、安全に管理されているか
  • リフォーム工事が終わった場所の養生を行っているか
  • 天気予報を毎日確認し、荒天に備えているか
  • 荒天に対する対策は万全か

工事中の現場管理:工程管理について

工事中の工程管理は、工程通りに工事を進めることと、工事予定変更時の対応が重要です。
工程通りに工事を進めるためには、工事ごとの現場確認を確実に行い、スムーズに工事ができるようにしておくことと、業者には工事予定日に確実に工事に入るように連絡を密にとっておくことが重要です。
しかし、工事現場の状況や業者の予定、天候などにより、直前で工事予定が変更になることがあります。工程が変更となった場合は、工事日はいつになるのか確認し、全体の工程の調整を行います。工事予定が変更になったことは、必ずお施主様に事前に報告することも忘れないようにしましょう。

工事中の現場管理:予算管理について

リフォーム工事は、工事中に変更や追加となる工事が多々あります。そのため、工事中の予算管理は、実行予算金額内で業者への工事発注を行うこと、変更追加工事の追加工事代金の管理、予備費の管理が重要です。
下請け業者への発注を実行予算金額内で行うには、工事を予定通りに進めることと、工事の状況を正確に把握することで、無理のない管理ができます。
追加、変更工事に伴う工事金額は、お施主様への工事説明を丁寧に行い、発生した工事費用を追加工事代金として回収することで、予定通りに予算管理を行うことができます。
予備費の管理は、予算オーバーしないように管理することが重要です。予備費の予算がオーバーしてしまうと、予算管理全体に無理が生じます。予備費は、常に予備費をいくら使い、残っているか把握し、予備費で支払いする工事のルールを明確にして予備費の予算を守ります。予備費の予算を守ることで、工事全体の予算オーバーを防ぐことができます。

工事完成後も重要な工事管理

リフォーム工事の現場はお施主様が生活しているため、リフォーム工事完成後すぐに使用を開始される場合があります。必ず、お施主様が使用する前に工事完成後の確認を行うように注意しましょう。

・工事完成時の現場確認事項
高齢のお施主様の場合は、家具の移動が大変です。家具の移動を手伝い、スムーズにリフォーム後の生活がはじめられるように手助けをしましょう。
工事完了後は、工事金額の精算を早急に行い、お施主様に精算金額の連絡をしましょう。住みながらリフォーム工事をしていると、完成と同時にリフォームした部分を使用するため、精算が間に合わないケースがあります。1週間以内を目安に工事金額の精算を行い、お施主様の了承をいただき、入金していただけるようにしましょう。

住宅のリフォーム工事:実例と対策

住宅のリフォーム工事:実例と対策


住宅のリフォーム工事で起きやすいトラブルの実例と対策、またお施主様に喜ばれた現場管理や業者がスムーズに工事できた現場管理の実例をまとめました。

リフォーム工事:トラブルの実例と対処方法

リフォーム工事の現場で起きたトラブルの実例とその対処方法を紹介します。

【ケース1】解体工事で起きたトラブル
解体工事の時に壁際に落ちていた紙をゴミとして処分をしました。その紙は、お施主様にとっては必要な書類でした。お施主様も片付けておくのを忘れている場合があります。必要なものと処分するもの区別は、お施主様に確認しないと判断できません。古いもの、汚れているもの、こわれているものでもお施主様に確認するまでは処分せずに保管しておきましょう。

【ケース2】工事日の変更を連絡しなかった時のトラブル
業者から明日の工事予定を一日延期したいと連絡があり了承したが、お施主様への連絡が遅れてしまい、当日に「工事の人が来ない」とクレームとなった。
お施主様は、毎日工事を楽しみにしています。また、工事のために自分の予定を調整して、自宅にいるようにしています。工事予定が変更になる場合は、必ず工事予定時間前に連絡をいれ、次はいつの工事になるのか伝えましょう。

【ケース3】追加で工事代がかかると聞いていないから追加工事代は支払いしないというトラブル
工事中に依頼された追加工事の見積もりを工事完了後に提出しました。お施主様から「追加でお金がかかると聞いていないから払えない」とトラブルになりました。工事期間中、現場監督も忙しく予算管理が煩雑になり、お施主様に見積もり書を提出するのが遅れてしまったことが原因です。お施主様に追加工事代が必要なこと、概算金額で良いので追加工事金額を伝えてから工事にかかるようにしましょう。

【ケース4】工事期間が予定より長くなったため、お施主様のストレスも大きくなりクレームになった
夏場に外壁塗装の塗り替え工事を行っていた現場で、雨が続き完成が延び、お盆休みまでに工事が終わらずトラブルとなりました。外壁の塗装工事中は、窓などに塗料が付かないように養生をするため工事がはじまると窓を開けることができません。そのストレスもあり、大きなクレームとなりました。天候に左右されやすい工事や長期休暇が予想される時期、生活の不便が伴う工事は、工程に余裕を見込んでおきましょう。また、予想される工事延長は、事前にお話して、工事日程を決めるようにしましょう。

【ケース5】電気や水道の使用方法がトラブルになった
リフォーム工事の現場では、お施主様が支払いをする電気と水道を使用するケースがあります。お施主様から工事中のラジオの使用や水道の垂れ流しなど使用量が多いとクレームになりました。下請け業者に節約を意識した使用方法を徹底させる、使用料金を支払いするなど事前に対処をしておくとトラブルを防ぐことができます。

【ケース6】リフォーム工事が完成した数日後、エアコンに電源がはいらず動かなかったトラブル
リフォーム工事が完成した後、隣室のエアコンを使用するために電源をいれたら、動かないというトラブルがおこりました。エアコンの電気配線の断線が原因でした。
リフォーム工事中の現場は、粉塵が多いため電化製品や精密機械(パソコン)などにトラブルが起こるケースがあります。また、電気配線の断線が起きることもあります。エアコンなどの電化製品や精密機械は防塵養生を行い、工事が終わったら作動確認をして、使用する時になってトラブルを発見することがないように注意しましょう。

リフォーム工事:お施主様に喜ばれた工事管理

お施主様に好印象だった工事管理のケースを紹介します。

【ケース1】丁寧な現場養生と清掃
お施主様は、2回目のリフォーム工事でした。前回のリフォーム工事では、現場の清掃や養生にご不満をもっていらっしゃいました。毎日の掃き掃除・拭き掃除・道路清掃を徹底しました。また、お使いのスリッパが汚れてしまったので、工事完了時に新しいスリッパをプレゼントさせていただきました。丁寧な現場清掃と道路清掃で近隣の評判が良かったことをほめていただきました。

【ケース2】臭いに敏感なお施主様に喜ばれた対策
業者にマナーとして、禁煙と空き缶の片付けを徹底させました。お施主様のご家族に喫煙する方がいらっしゃらなかったので、住宅内はもちろん、敷地内と道路も禁煙としました。また、空き缶は現場内に放置すると虫が発生したり、悪臭の原因となるので、片付けを徹底させました。お施主様から現場で喫煙する職人さんがいなくて良かったと評価いただき、無事に工事を終わらせることができました。

【ケース3】高齢のお施主様の困りごとをお手伝い
高齢のお施主様の住宅のリフォーム工事を行った時に、工事前や工事中・工事後の家具の移動をお手伝いしました。近くに手助けしてくれる家族がいないため、悩んでいらっしゃいました。現場監督と会社の数名で家具の移動をお手伝いしたことで、現場もスムーズに工事をすすめることができました。

リフォーム現場:業者がスムーズに工事ができた工事管理

業者がスムーズに工事ができたケースを紹介します。

【ケース1】複数の職人が同じ時間に同じ場所で工事することなかったため、スムーズに工事ができました
リフォーム工事をする現場が狭く、複数の職人が一緒に工事をすると、材料や道具、工事中のゴミも置く場所がない状況でした。現場の施工工程は、午前中は塗装業者、午後はクロス業者と時間を分けて工事を行うようにしました。駐車場も敷地内で確保できたため、道具や機械の搬出入もスムーズで作業効率が良い現場となり、予定通り工事が終わりました。

【ケース2】リフォーム現場の隣地空き地を駐車場として工事中に借りたことで安全に効率良く工事がすすめられた
工事中、隣地の空き地を借り、駐車場としてだけでなく、納材した材料や解体時の仮ゴミ置き場、仮設トイレの設置に利用しました。また、空き地から直接現場内に大きな材料を搬入することができ、廊下などの狭い場所を通らず安全に搬入できました。さらに、路上駐車しないで搬入できたため、駐車のことで気をつかうことがなく安心して搬入ができました。

【ケース3】トラブルの対処が早く、予定通り工事に入れた
床を解体したら白蟻の痕跡があった現場で、直ぐに防蟻工事ができたため、工程に遅れがでることなく工事が進みました。事前に白蟻を想定できたため、見積もり事前に準備していました。工事日程も事前に組んでいたため、予定通りに進みました。

まとめ:リフォーム工事の現場管理は工事の予測と準備と配慮にあり


リフォーム工事の現場管理をスムーズに進めるには、現場をよく確認し、次の工事のための準備を確実に行うことが重要です。また、現場には、お施主様が常にいらっしゃいますので、工程やマナー・安全には、特に配慮が必要です。トラブルを未然に防ぎ、スムーズな現場管理を実現しましょう。

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