施工管理の求人・転職情報掲載。資格者・現場経験者は即採用【施工管理求人サーチ】

施工管理求人サーチロゴ
夢真の転職支援 施工管理求人サーチ電話番号
お気に入りリスト
まずは無料WEB登録
メルマガ登録

雨仕舞のメリット4選と4つの種類を紹介|防水との違いも詳しく解説

学ぶ
公開日時 2023.05.26 最終更新日時 2023.05.26

雨仕舞とは


雨仕舞(あまじまい)とは、家の中に雨水が入らないようする施工方法や設置の仕組みなどのことを指します。
似たような言葉に「防水」がありますが、以下のように区別されています。

  • 雨仕舞…防水機能だけでなく、雨水を誘導し雨どいや地面などに受け流すもの
  • 防水…雨水を防ぐこと

防水は雨水を防ぐことのみを目的としていますが、雨仕舞はさらに雨水が屋根からひさし、ひさしから雨どいに十分に流れ込むように動線を確保できるように施工するものです。
これが十分にいかないと、雨水が想定外の場所に流れ込んでしまい、雨漏りの原因となります。
雨仕舞を十分に施工することで、雨水の侵入を防ぐだけでなく雨水による建物の劣化を防ぐことができます。

雨仕舞を施工する場所

雨仕舞は谷や、屋根と壁の境界などに設置されます。特に谷は多くの雨水が流れ込みますので、十分なキャパシティを確保する必要があります。
また単に設置するだけでなく、雨水が逆流しても雨水が建物内に侵入しないようにします。
例えば境目を2重・3重にする作業のほか、建具を設置した場所の防水処置などが挙げられます。
特に風が強いと雨水が逆流しやすくなるので、気を付ける必要があるでしょう。

防水との違い

「防水」とは、文字の通り「雨水の侵入を防ぐ」という意味があります。そのため、施工の際は、樹脂を使って防水層を作ったり、防水シートを張ったりして、雨水の侵入を防ぎます。

それに対し、「雨仕舞」は、「雨水の流れを誘導し別の場所へと受け流すこと」なので、防水よりも技術が必要になるという違いがあります。

また、雨仕舞のように雨水の流れを誘導することは、水の浸水を防ぎ雨漏りの予防にもなります。

防水だけでは雨漏りを防ぐことは難しいので、雨仕舞の施工をするようにしましょう。

雨仕舞のメリット4選

雨仕舞のメリット4選


ここからは、雨仕舞のメリットについて紹介します。雨仕舞には、「対候性があること」「頻繁なメンテナンスが不要なこと」「湿気がたまりにくいこと」、そして「建物が長持ちすること」という4つのメリットがあります。

先述の通り、雨仕舞には建物を劣化させる要因となる雨水の侵入を防ぐという重要な役割があります。雨仕舞のメリットをしっかり理解し、そのメリットを生かした正しい使い方をすることで、より良い建物にすることに繋がります。

1:耐候性がある

雨仕舞をすることのメリット1つ目は、対候性があるという点です。雨仕舞をすることで、雨水の侵入を防いでくれるばかりでなく、雪の侵入を防いだり風当たりを少なくしてくれたり、多くのメリットが得られます。

雨仕舞は、様々な天候の変化にも対応しやすく、建物の劣化を防ぎながら守ってくれると言えるでしょう。特に日本の気候には、台風が多いという特徴があるので、風当たりを少なくしてくれるという点は嬉しいポイントです。

2:頻回なメンテナンスは不要

雨仕舞をすることのメリット2つ目は、頻繁なメンテナンスが不要な点です。雨仕舞のメリット1つ目で紹介したように、雨仕舞には対候性がありますので、耐久性も強く、長時間同じクオリティを保ってくれます。

上記のような理由から頻繁なメンテナンスが不要で、コストも削減できるというのは魅力的なポイントでしょう。

ただし、防水の役割を担っているシーリングは約10年単位でメンテナンスが必要とされていますので、その点には注意しましょう。

3:湿気がたまりにくい

雨仕舞をすることのメリット3つ目は、湿気がたまりにくいという点です。雨仕舞は材料の間に隙間があるため、そこから湿気を逃がしやすいという構造になっています。

そのため、湿気がたまりにくく材料や建物の腐敗や劣化を防ぐことに繋がります。

なお、防水は雨水を侵入させないために隙間が無い構造になっているので、材料や建物が乾燥しにくく腐敗・不朽しやすいとされています。

つまり、雨仕舞の湿気を逃がしやすい構造は、建物を長持ちさせることにも繋がっていると言えます。

4:建物が長持ちする

雨仕舞をすることのメリット4つ目は、建物が長持ちするという点です。これまでに紹介した雨仕舞のメリットからも分かるように、雨仕舞は建物にとって良い効果をたくさんもたらしてくれます。

対候性があることや湿気がたまりにくいこと、耐久性のある構造であることなどを総合すると、建物を長持ちさせることに繋がります。

建物にとっては、腐敗や腐朽の原因になる雨水の侵入が命取りになるため、それらをしっかり防いでくれる雨仕舞は、有益な施工方法と言えるでしょう。

雨仕舞の種類4選


ここからは、雨仕舞の種類について紹介しましょう。雨仕舞の種類には、「ケラバ水切り」「棟包み屋根役物」「谷樋」、そして「軒先水切り」という4つの種類があります。

雨仕舞は、種類によって使う材料もデザインも異なります。そしてどの種類にもメリットとデメリットがありますので、それぞれの種類の雨仕舞について知識を深め、建物の素材や材料に合わせて効率よく活用しましょう。

雨仕舞の施工をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1:ケラバ水切り

雨仕舞の種類1つ目は、「ケラバ水切り」です。まず、「ケラバ」とは雨桶が付いていない方の屋根の側面のことを言います。

そして、その屋根の側面に水切り用の板金が取り付けられているものが「ケラバ水切り」です。ケラバ水切りは、屋根全体の雨水を軒下へと誘導し流してくれます。

このケラバ水切りは、一般的に屋根の厚みや材料に合わせて素材を選ぶため、屋根との相性が良いところがポイントです。

2:棟包み屋根役物

雨仕舞の種類2つ目は、「棟包み屋根役物」です。棟包み屋根役物は、別名「棟板金」とも呼ばれており、屋根の棟の部分に取り付けられている雨仕舞のことを指します。

ガルバリウム合金素材が使われることが多く、横から釘で屋根の棟に固定し、釘の頭をシーリングで防水するという施工方法で取り付けられます。

雨水を外に受け流してくれる機能はもちろん、夏場は屋根裏の熱を排出してくれ、冬場は屋根裏の結露を防いでくれるなどのメリットがあります。

3:谷樋

雨仕舞の種類3つ目は、「谷樋」です。谷樋とは別名、「谷板金」や「谷樋板金」とも呼ばれており、屋根と屋根の間にある谷部分に板金を設置することで、屋根に落ちた雨を集めて外に排出する働きを持っています。

谷樋は、全ての屋根から雨水を集めて受け流す働きをしているので、それだけ丈夫で劣化しにくい素材が使われているという特徴があります。

近年ではガリバリウム銅板が使われていますが、以前は銅板が使われることが主流でした。

4:軒先水切り

雨仕舞の種類4つ目は、「軒下水切り」です。軒下水切りは、別名「鼻隠し」とも呼ばれています。軒下水切りは、その文字からイメージできるように、屋根から流れてきた雨水を軒下で止めないように屋根の縁の下側、つまりルーフィングの下側に取り付ける施工のことです。

なお、雨仕舞の種類の1つ目でご紹介したケラバ水切りは、ルーフィングの上側に取り付ける方法で、この軒下水切りとは反対の付け方になります。間違えないように注意しましょう。

雨仕舞が機能しなくなる原因

雨仕舞が機能しなくなる原因


雨漏りなどの相談がきたら、雨仕舞が機能しなくなっているのかもしれません。
雨仕舞が機能しなくなる原因の一つが「経年劣化」です。
雨仕舞は防水紙を貼ってから施工します。その紙が経年劣化などで傷んでしまうと、雨仕舞の機能が果たせなくなってしまうのです。また屋根の細部などが経年劣化で摩耗してしまうと、雨漏りを引き起こしてしまいます。
強風や大雪、落雷などがあると、それほど年数が経っていなくても機能しなくなるケースがあるので注意が必要です。
特に雨仕舞に使われる板金が錆びてしまうほか、欠損や穴が空いてしまうと雨漏りが起こりやすくなってしまうので注意が必要です。

もう一つの大きな原因は「施工不良」です。特に屋根の施工不良は雨漏りに直結する可能性があります。それぞれの事例を紹介しましょう。
部材同士が接続している部分を建築用語で「取合部(とりあいぶ)」と言います。屋根と壁にはそれぞれ防水シートを設置して雨仕舞を行ないます。しかし、取合部で2つの防水シートが上手に重なっていなければ、その隙間から雨が漏れ出してしまうことがあるのです。壁と屋根の職人は一般的に異なる業者が多いため、双方のコミュニケーション不足が主な原因とされています。また、施工不良は現場監督が施工状況を十分に確認することによって防ぐことができるので、日々の現場管理が重要になります。
また、「防水紙の逆張り」も雨漏りの大きな原因とされています。通常、下から上に向かって貼る防水紙を逆に貼ってしまうと、その継ぎ目から雨水が侵入してしまうのです。
加えて①屋根瓦同士の隙間を誤ってシーリングなどで埋めてしまう。②屋根を塗装した後に塗膜に切れ目を入れる「縁切り」をしない③屋根の隙間をつくる「タスペーサー」を取り付けなかった。などの場合も雨仕舞の施工不良による雨漏りと判断される恐れがあります。
屋上の雨仕舞は施工が終わると見えなくなってしまうので、施工中の確認はもちろん、施工前にも十分に作業員と雨仕舞の重要性について情報を共有しておく必要があるでしょう。

現場監督がチェックしたい雨仕舞の箇所

雨仕舞は、雨水によって建物が傷まないための大切な施工です。
そのため現場監督は雨仕舞が十分に施工されているか厳しくチェックしましょう。特に角度がついており施工が難しいとされている箇所は以下になります。

  • 屋根棟部…棟板金同士の接合部分、棟板金と屋根材の立ち上がり部分
  • 天窓…天窓枠と屋根の立ち上がり部分
  • 谷樋…屋根材の立ち上がり部分、屋根に対して大きさが適切であるか
  • ベランダ床…外壁とベランダ床の立ち上がり
  • アルミサッシ…サッシ枠と外壁の立ち上がり部分
  • 陸屋根…外壁との立ち上がり部分、平面部の防水
  • ドーマー…ドーマー屋根と大屋根の間・立ち上がり部分と谷樋

雨仕舞の特徴を知って雨漏りを防ごう


本記事では、「雨仕舞」について幅広く詳しく紹介しました。雨仕舞は、雨漏りを防ぐばかりではなく、風や雪からも建物を守ってくれるという、建物にとって有益な施工方法です。

雨漏りや浸水などを防げれば、建物をより良い状態で長持ちさせられますので、きちんとした施工をすることが大切です。

本記事で紹介した雨仕舞についての特徴や種類、メリット、チェックポイントなどをしっかり理解し、知識をつけて雨仕舞の取り付け方に活かしましょう。

関連記事:
工期が遅れてしまった。よくある原因と対処方法
道路工事・舗装工事はどのような流れで進められるのか?分かりやすく解説
請負工事と業務委託の違いって何?


当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。

建設業界の人材採用・転職サービスを提供する株式会社夢真の編集部です。
建設技術者派遣事業歴は30年以上、当社運営のする求人サイト「施工管理求人サーチ」の求人数は約6,000件!
このコラムでは上記の実績と知見を活かし、建設業界で働く方の転職に役立つ情報を配信しています。

株式会社夢真 コーポレートサイト

Twitter LINE
RECOMMEND

おすすめ求人

PAGE TOP

まずは無料登録
お電話でのお問い合わせはこちら