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欠損とは?【造築別】欠損の対策10選や放置するリスクを詳しく紹介

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公開日時 2023.03.17 最終更新日時 2023.03.17

土木業界での欠損とは?


一般的に「欠損」とはものの一部が欠けることを意味しますが、土木業界での「欠損」とは、「断面欠損」のことを指します。

「断面欠損」とは、自然現象による劣化等や建設作業による欠き込み等により、柱や梁、壁等の建築構造物の断面の一部が欠け、断面の面積が小さくなることです。

今回は、断面欠損が起こる要因や断面欠損に対する様々な対策方法、そして断面欠損を放置することで潜むリスクについて紹介していきます。

自然に起こる欠損の例4つ


最初に、自然に起こる欠損について紹介します。

自然に断面欠損が起こる要因となる現象は、主に「雨水」、「劣化」、「昆虫被害」、「温度や気温」の4つが上げられます。いずれも自然現象によるものとなっています。

それでは、それぞれの例について紹介していきます。

1:雨水による腐食によるもの

自然に起こる欠損例の1つ目は、「雨水による腐食によるもの」です。

屋外に建てられる建物にとって、雨はどうしても避けられない外的要因です。降ってくる雨や排水しきれずに溜まった雨水に長期の間晒されることになります。

雨水により、木材の表面が削れたり鉄骨に錆等の化学変化が起こって腐食が進んだりコンクリート表面がひび割れて剥がれたり等するとなり、結果として断面欠損が起こります。

2:劣化によるもの

自然に起こる欠損例の2つ目は、「劣化によるもの」です。

どんなに条件の良い環境で建物が建てられていたとしても、木材や鉄骨、コンクリート等の建築構造物の素材自体の自然劣化は避けられず、これにより断面欠損が起こります。

更に太陽光や風、海岸付近では塩害による外的要因が加わって劣化の進みが早まります。結果として断面欠損が早く発生することとなります。

3:蟻など昆虫被害によるもの

自然に起こる欠損例の3つ目は、「蟻など昆虫被害によるもの」です。

昆虫被害による断面欠損は、建築構造物が木材である場合に多く見られます。昆虫被害で特に多いのはシロアリによる被害です。それ以外にもキクイムシやカミキリムシ等の木材に害を与える昆虫は多く確認されています。

4:温度・気温によるもの

自然に起こる欠損例の4つ目は、「温度・気温によるもの」です。

屋外に建てられる建物は、雨水と並んで温度や気温による外的要因は避けられません。特に日本の場合は四季があることで気温の年較差が大きく、建築構造物の素材の膨張や収縮が激しくなりやすいため、ひび割れによる断面欠損が起こりやすくなります。

やむをえず起こる欠損の例4つ


次に、やむをえず起こる欠損について紹介します。

やむをえず断面欠損が起こる要因の主な具体例として、「2つの資材を組んで接合するとき」、「スリーブ貫通するとき」、「ボルト孔を施すとき」、「開口を空けるとき」の4つを挙げて紹介します。いずれも建築作業によるものです。

それでは、それぞれの例について紹介していきます。

1:梁や柱同士を組んで接合するとき

やむをえず起こる欠損例の1つ目は、「梁や柱同士を組んで接合するとき」です。

木材の場合、お互いに接合部分を凹凸に加工して接合します。加工することで接合部分を強固にして建物全体の構造強度が増し、この加工よる断面欠損はやむをえないということになります。

2:スリーブ貫通するとき

やむをえず起こる欠損例の2つ目は、「スリーブ貫通するとき」です。

「スリーブ」とは、電気配線やガス管及び水道管やエアコンの配管等を通すために、柱や梁、壁等の建築構造物に開ける穴のことです。建築構造物に穴を開けることは、強度を下げる断面欠損の代表的な例ですが、生活に必要な配線や配管を通すためですので断面欠損はやむをえません。

なお、スリーブを開けるにあたっては、強度低下をできるだけ抑えるために口径や位置、スリーブ間の間隔が決められています。また、スリーブを開けた箇所を補強する部材もあります。

3:ボルト孔を施すとき

やむをえず起こる欠損例の3つ目は、「ボルト孔を施すとき」です。

「ボルト孔(ぼるとあな)」とは、柱や梁をボルトで固定して組み付ける際にボルトを通すために開ける孔(穴)のことです。主に鉄骨同士の接合に用いられます。

前述しましたスリーブ貫通に比べて口径が小さく、複数枚の板を密着させて固定することで強度が高まります。そのため断面欠損してはいるものの強度落ちにくいのですが、それでも口径や位置、間隔は決められています。

4:開口を開けるとき

やむをえず起こる欠損例の4つ目は、「開口を開けるとき」です。

「開口(または開口部)」とは、建物に出入りするドアや窓等のように、大きく開けられた箇所のことを指します。特に筋交いが通っている壁や耐力壁に開口を開けると、構造上の強度を大きく落とす要因となる断面欠損となります。

建物を建てる上で出入り口となる「開口」はなくてはならないものですで、設計段階で十分な強度検討を行ったうえで開ける場所や大きさを決める必要があります。

【造築別】欠損の対策10選

【造築別】欠損の対策10選


ここまで、「断面欠損」についての紹介と発生する要因を紹介しました。

ここからは、どうしても発生する断面欠損の対策方法について紹介します。

対策方法は全部で10件ありますが、建築構造物の違いによって「木造の場合」、「鋼構造の場合」、「コンクリートの場合」とに分類して紹介します。

木造の場合

木造の場合に起こる断面欠損の主な対策として挙げられるのは、「基本は防腐・防蟻対策を行うこと」、「安易に穴を開けない」、「接合部を金物で緊結する」の3つが上げられます。

木材は強度としては他の素材よりも柔らかいので、木造建築については特に断面欠損を起こさないように考慮する必要があります。

それぞれについて説明していきます。

1:基本は防腐・防蟻対策を行うこと

木造の場合に起こる断面欠損の対策1つ目は、「基本は防腐・防蟻対策を行うこと」です。

木材の断面欠損の主な要因は、「腐り」と「シロアリ」です。対策としては、防腐や防蟻の処理を行うことで木材の劣化を遅くします。結果として断面欠損の発生を遅くできます。

方法としては、薬剤を木材表面に塗布する方法や、木材内部に注入する方法があります。

2:安易に穴を開けない

木造の場合に起こる断面欠損の対策2つ目は、「安易に穴を開けない」です。

前述しました「やむをえず起こる欠損」の中では、配線や配管、開口部の設置のために必要に応じてやむをえず孔(穴)を開けることはあります。しかしながら、木材は強度が比較的低めであることから、断面欠損による強度低下を最低限に抑える必要があります。

パイプスペースや壁フカシといったものを設計段階から設けることで、木材に孔(穴)を開けずに済むようにしましょう。

3:接合部を金物で緊結する

木造の場合に起こる断面欠損の対策3つ目は、「接合部を金物で緊結する」です。

木材を接合する場合、今まではお互いに接合部分を凹凸に加工していましたが、最近では金物を使って接合する手法が広まっています。

大きくほぞ穴を開けたり木材の大半を切り欠きしたりする必要がなく、金物を固定するビス穴を開けるのみで済むために断面欠損が小さくなり、木材強度の損失が少なくて済みます。

鋼構造の場合

鋼構造の場合に起こる断面欠損の主な対策として挙げられるのは、「当て板補強を行う」、「2次部材のガセット交換を行う」の2つが上げられます。

鋼構造は木材に比べて強度が高いのはいうまでもありません。しかし、鋼構造は錆に弱いため、錆による腐食によって強度が落ちることを考慮に入れる必要があります。ですので断面欠損が少ないことに越したことはありません。

そうした中で、この2点の対策はどういったものなのかを説明していきます。

1:当て板補強を行う

鋼構造の場合に起こる断面欠損の対策1つ目は、「当て板補強を行う」です。

「当て板」とは、鋼構造の接合部分をボルトで締結する際に追加する鉄の板のことです。ボルト孔を開けたことによる断面欠損を補強する役目と、接合部分に発生する錆等の腐食に伴う減肉による強度低下を補う役目があります。

設計段階から予防として当て板を施工する場合もありますし、数年後の定期的な点検等で腐食等が発見されてから補修として当て板を施工する場合もあります。

2:2次部材のガセット交換を行う

鋼構造の場合に起こる断面欠損の対策2つ目は、「2次部材のガセット交換を行う」です。

「2次部材」とは、局所的な圧力がかかる箇所に配置する部材のことです。対して、梁や柱のような屋根等の圧力や地震等の外圧を直接受ける「主架構」といいます。

また、「ガセット」とは、鋼構造の接合部分に補強部品として用いる板材のことで、主体となる鋼構造の断面欠損を補う働きがあります。2次部材の代表的として挙げられる部材です。

ガセット部分は雨水等が溜まりやすいことから、錆等の劣化進行も早くなります。そういったガセットを交換することで主体となる鉄骨の断面欠損補完の働きを取り戻し、建物全体の強度を保つことができます。

コンクリートの場合

コンクリートの場合に起こる断面欠損の主な対策として挙げられるのは、「ひび割れ抑制用ネットを使用する」、「膨張材を使用する」、「養生マット・断熱材による養生を行う」、「収縮低減剤を使用する」、「低発熱セメントを使用する」の5つが上げられます。

強度は木材と鋼構造の中間程度のコンクリートですが、柔軟性の観点ではコンクリートは木材と鋼構造に劣ります。そのためひび割れという形で断面欠損が起こりやすい素材です。

そういったコンクリートの性質を考えた上で、5つの対策がどういったものかを説明していきます。

1:ひび割れ抑制用ネットを使用する

コンクリートの場合に起こる断面欠損の対策1つ目は、「ひび割れ抑制用ネットを使用する」です。

「ひび割れ抑制用ネット」とは、コンクリートが硬化する初期段階での体積変化によって起こるひび割れを防ぐために、コンクリートを流し込む際に伏せ込む網目状のテープもしくはシートのことです。特に型枠の角のところや開口部の周囲に使用すると効果的といわれています。

2:膨張材を使用する

コンクリートの場合の断面欠損の対策の2つ目は、「膨張材を使用する」です。

「膨張材」とは、あらかじめコンクリートを膨張させ、硬化が進んでも想定上に体積が収縮しないようにする薬剤のことです。あらかじめコンクリート製造時に混ぜ入れるものと、型枠を取り外し直後のコンクリート表面に塗布するものがあります。

3:養生マット・断熱材による養生を行う

コンクリートの場合に起こる断面欠損の対策3つ目は、「養生マット・断熱材による養生を行う」です。

コンクリートの硬化は気温によって変化します。気温が低いと硬化速度が上がって体積変化が急激となるため、ひび割れの原因となります。

養生マットや断熱材で養生をすることにより、気温が低い時期のコンクリート硬化速度を遅くできます。これにより、ひび割れの発生を抑えられます。

4:収縮低減剤を使用する

コンクリートの場合に起こる断面欠損の対策4つ目は、「収縮低減剤を使用する」です。

「収縮低減剤」とは、コンクリートが硬化により収縮するのを抑える薬剤です。前述した「膨張材」は「あらかじめ膨らませる」という積極的効果を狙ったものですが、「収縮低減剤」は「収縮させない」という抑制的効果を狙っています。

5:低発熱セメントを使用する

コンクリートの場合に起こる断面欠損の対策5つ目は、「低発熱セメントを使用する」です。

「低発熱セメント」とは、通常のセメントと比べて硬化時の発熱量が小さいセメントのことです。セメントは発熱することで硬化が始まりますが、その温度を低めにすることで硬化がゆっくり進みます。

体積変化も同様にゆっくり進むことになるため、ひび割れが起こりにくくなるという効果を狙ったセメントです。

欠損を放置するリスクとは?


ここまで、断面欠損対策について紹介してきました。様々な対策方法がありますが、対策するには時間的にも費用的にもコストがかかります。コスト削減したいからといって、これらの対策を怠るとどういうことになるでしょうか。

ここでは、断面欠損を放置することによるリスクについて紹介します。

断面欠損を放置すると、時間の経過と共に建築構造物の強度が低下し続けます。具体的には、梁や柱といった主要な建築構造物にひび割れや変形、破損や腐食が発生し、建物全体の強度が落ちていきます。更にそれらを放置し続ければ、最終的には建物の自然倒壊という結果になります。

更に、日本のような地震が多く発生する立地では、建物全体の強度が落ちた状態で地震が追い打ちとなり、自然倒壊を待たずに即時倒壊するという危険もあります。

建築物の倒壊は、住人が持つ財産の損失のみならず、生命を危機にさらす事態です。建築主建物の管理会社、そういったリスクを考慮した上で建設事業に携わる必要があります。

欠損とはどういった事象のことなのかを理解しよう


今回は土木業界における欠損すなわち断面欠損について紹介しました。

断面欠損というものがどういうものか、またその対策にはどういったものがあるかをご理解いただけたかと存じます。また、断面欠損対策しないことによるリスクについてもご理解いただけたかと存じます。

断面欠損を正しく理解し、施工の工程が断面欠損とどうかかわっているかを考慮した上で、建築現場での施工作業に携わっていただきたいと存じます。


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