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隅肉溶接とは?基礎知識10選と隅肉溶接にかかる溶接補助記号5つ

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公開日時 2022.09.14 最終更新日時 2022.09.14

隅肉溶接とは?

隅肉溶接とは、鋼材をアーク溶接する際の方法の1つです。鋼板を重ねて繋いだり、T型に直交する2つの接合面(隅肉)に溶着金属を盛って溶接合します。隅肉溶接には「片側溶接」と「両側溶接」があります。

隅肉溶接とは、母材と母材が一体化されていないので、それらをまたぐ箇所に三角形の断面をもった溶着金属を付けて接合します。結合強度は低いため、一般的に引張力がかかる部分には使用せず、梁の「ウエブ」など剪断力のかかる部分に用いられます。

隅肉溶接技能者の資格認証基準について

隅肉溶接とは、「隅肉溶接技能者」と呼ばれる資格認証基準が設けられています。「WES 8101 隅肉溶接技能者の資格認証基準」は2017年7月1日に改正されています。

主な改正内容は、資格種類での「マグ溶接の追加」、「基本級、専門級の一部区分等の変更」、「受験資格の変更」等です。

新規格での評価試験(新規、再認証)及びサーベイランスは、2018年5月1日から開始されています。隅肉溶接技能者資格の主な種類は、被覆アーク溶接とマグ溶接における基本級と専門級、その他区分に分けられます。

溶接記号について

隅肉溶接とは、溶接記号によって指示された設計図面が必要な場合があります。溶接記号とは、「JIS規格」で規定された溶接の仕方を指示するために使用する記号です。

溶接記号は溶接する箇所を示す「矢」と水平に引いた「基線」が基本になります。「基線」に合わせて「基本記号」と「寸法」を記します。

表面形状における補助記号や仕上方法の補助記号、尾などはオプションなので、指示がなければ特に表記することはありません。

母材の開先方向は基本記号を基線の下側に記すか、あるいは上側に記すかで区別します。基本記号にルート間隔や開先角度、開先深さなどを表記します。

隅肉溶接とは?基礎知識8選

隅肉溶接とは、溶接作業の種類の1つです。溶接の種類は大きく分けて、「完全溶け込み溶接」、「部分溶け込み溶接」、そして「隅肉溶接」があります。

隅肉溶接1つとっても、使用する溶接機械の種類や作業環境、作業工程によって様々な方式に分類されます。ここでは8つの基礎知識について詳しく説明します。

隅肉溶接の基礎知識1:被覆アーク溶接

被覆アーク溶接とは「消耗電極式(溶極式)アーク溶接法」の1つです。母材と同じ材質の「被覆材(フラックス)」を塗り固めた溶接棒を電極に用い、この心線と母材の間に発生するアークを熱源として溶接する一般的にポピュラーな方法です。

被覆アーク溶接は古くから行われてきた手法で、風などの影響を受けにくく、屋内外問わずに作業を行えるという利点があります。

隅肉溶接の基礎知識2:マグ溶接

マグ溶接または、MAG(Metal Active Gas Welding)溶接とは、放電現象を利用したシールドアーク溶接の1つです。筐体(きょうたい)の小部品同士の溶接や筐体本体の部位の溶接に使用される半自動溶接です。

この半自動溶接は二酸化炭素などのガスを噴出しながら溶接材として電極自体を溶接材としたワイヤを使用します。マグ溶接は、作業自体は人の手によって行われるものの、溶接材が自動的に供給されるため長時間の作業が可能となり効率が良いのが特徴です。

隅肉溶接の基礎知識3:TIG溶接

ティグ溶接、またはTIG(Tungsten Inert Gas)溶接とは、電気を用いたアーク溶接方法の1つです。ティグ(Tungsten Inert Gas)は「タングステン不活性ガス」を意味します。

タングステンを放電用電極に、シールドガスには「アルゴンガス」や「ヘリウムガス」などの不活性ガスを用いた非溶極式に分類されるアーク溶接の一種で、火花を散らさずにステンレスやアルミなどを接合することができます。

機械を購入する際に資格が必要ないため、DIYなどの個人で使う場合にも取り入れやすく、火花が散らないので溶接部をしっかり見て作業することができ、複雑な形状の溶接にも対応しています。

隅肉溶接の基礎知識4:下向溶接

下向溶接(下向き姿勢溶接)とは、作業者が顔を下に向けた姿勢で下の位置で溶接作業を行うことです。溶接部の溶け込みや運棒(溶接棒の操作)が安定し易く溶け落ちが無いので、技術的に見ても簡単な溶接姿勢であると言えます。

原則、下向姿勢での溶接が可能である限り、下向姿勢での溶接を行うことが推奨されています。下向姿勢は作業しやすいだけでなく、溶接速度を制御し易い、溶け込み深さが標準的で欠陥になりづらいなどの特徴があります。

隅肉溶接の基礎知識5:立向上進溶接

立向上進溶接とは、立て向きの溶接をする際に、下から上に向かって登って行くように溶接する立向溶接の基本となる方法で「カチ上げ」とも呼ばれています。

下から上に溶接を行っていき、アークを切りながら鱗を重ねるように溶接していきます。下向き溶接と比べると難易度はやや高くなります。立向上進溶接に対して、上から下に流していく溶接方法を立向下進溶接と呼びます。立向下進溶接は専用の溶接棒を使って行います。

隅肉溶接の基礎知識6:水平隅肉溶接

水平隅肉溶接とは「横向き溶接」とも呼ばれ、右から左へ、または左から右へ一方に向かって水平に溶接していく方法です。ビード(金属が盛り上がっている部分)を重ねることが多いため溶接の肉が垂れてしまい多層盛りになるので溶接欠陥に注意が必要です。

このビードの形状を揃えるためにはかなりの技術が必要で、水平隅肉溶接とは下向きや立向きに比べても時間がかかる工程になっています。

隅肉溶接の基礎知識7:組立(タック)溶接

組立(タック)溶接は溶接構造物の組み立てにおいて、本溶接の前に組立て部材の正確な位置を決める仮止め溶接のことです。

組立(タック)溶接は従来「仮付溶接」と呼ばれていましたが、「一時的なもの」というイメージが強く、いい加減な作業を招く恐れがあることから、「鉄骨製作に必要な溶接」であるという意味の「組立溶接」と改名されました。

隅肉溶接の基礎知識8:充填溶接

充填溶接とは、接合材の隙間に母材よりも融点の低い溶加材(ろう材、軟ろう、ハンダ)を溶融、充填することによって、母材を溶かさずに接合する方法です。

母材と良好な接合状態を得るために、溶加材には「フラックス(物質を融解しやすくする物質)」が配合されています。

隅肉溶接とは?溶接補助記号5つ

溶接基本記号は溶接部の開先形状や溶接方法を指示するための記号です。溶接記号によって開先形状やビードの長さなどを図示しなくても溶接に関する情報を適切に指示することが可能です。

溶接補助記号は、この基本記号と組み合わせて表示することで、溶接に必要な情報を追加、補助するためのものです。ここでは5つの溶接補助記号を紹介します。

隅肉溶接に関する溶接補助記号1:表面形状

表面形状の溶接補助記号とは、ビード(溶接時にできる溶接痕の盛り上がり)の表面の仕上げ方の指示をするためのものです。溶接部の表面仕上げに関する補助記号の種類には「平ら」「凸」「へこみ」「止端仕上げ」の4つがあります。

「止端仕上げ」はビードと母材の境界部が、曲線上に滑らかに繋がるように表面を仕上げる指示のことです。

隅肉溶接に関する溶接補助記号2:裏当て

「裏当て」とは裏当て金という材料を、溶接する側と反対側の面に配置して行う溶接のことです。この裏当ての溶接補助記号は、基本記号の反対側に配置して指示します。

裏当て金は一方の側の面から溶接する場合に、反対側への溶け落ちを防止するために使用され、母材と一緒に溶接します。

隅肉溶接に関する溶接補助記号3:裏波溶接

裏波溶接とは突合わせ溶接の際に、ルート側面の隙間をビードで完全に覆い、溶接する板や管の裏側に溶接ビードを出すことです。母材同士の隙間がない完全溶込みが確実な状態になるので、溶接部は高い強度が期待されます。

裏波溶接の補助記号は基線と黒の半円で表します。裏波溶接の補助記号は、矢が示す側とは反対の面の指示となるため基本記号の反対側に配置されます。裏波溶接の補助記号の前に表記されている数字は必要なビードの高さです。

隅肉溶接に関する溶接補助記号4:非破壊検査

非破壊検査は、対象物を破壊せずに構造物の有害な欠陥を調べる検査のことです。製品の「品質評価」や「寿命評価」のために行われ、外観検査と併用して行うのが一般的です。欠陥発生中か欠陥発生後か、さらに欠陥箇所、欠陥形状、材質などによって適格な検査を選択します。

溶接の検査に関して主に行われるのは、「放射線透過試験」や「超音波探傷試験」です。溶接部内部の欠陥の有無、欠陥形状や大きさなどを調査します。非破壊検査の記号は、基線を2段にして上段に表記します。

隅肉溶接に関する溶接補助記号5:現場溶接

現場溶接とは、溶接作業を組立現場で行うことです。建築現場や大型設備の現場における溶接で指示される場合があります。溶接は精密、正確性が求められるので、基本的には工場で溶接を行います。

しかし現場でしか行うことのできない溶接もあるため、その場合は現場溶接を表す「旗記号」を矢と基線が繋がる箇所に表記します。また、現場溶接に対して使われる用語に「工場溶接」があります。

隅肉溶接の注意点とは?

隅肉溶接の注意点とは?

隅肉溶接とは高エネルギーを使用して金属材料を溶融し、凝固させる溶接作業であるため、あらゆる危険や災害と隣り合っています。溶接の際には強烈な光や熱、そして飛散物や、ヒューム、ガスなどが発生し、これらによって災害が発生する場合があります。

そのため溶接作業の内容に応じて、安全を確保するための適切な保護具を装着することが義務付けられています。

溶接時の強い赤外線や紫外線の発生による目の障害や、ヒュームの吸入による「じん肺」などの健康被害に合わないためにも、溶接作業は十分に注意し安全の配慮を行わなければなりません。

隅肉溶接とは何かを基礎知識によってマスターしましょう

隅肉溶接とは、鋼板を重ねたり直角に配置して溶接する方法です。

隅肉溶接には「被覆アーク溶接」「マグ溶接」「TIG溶接」などがあり、さらに「下向溶接」「立向上進溶接」「水平隅肉溶接」といった姿勢や向き、方向の違いによる溶接法のほか「組立溶接」「充填溶接」など様々な種類と方法があります。

それぞれの作業内容にあった溶接法や使用する機械の違いなどの基礎知識を理解し、隅肉溶接とは何かをしっかりマスターし転職に活かしましょう。


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