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許容電流の計算方法とは?計算式や許容電流が変化する3つの要因を紹介

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公開日時 2022.08.15 最終更新日時 2022.08.15

許容電流とは?

許容電流とは「ケーブルに連続して安全に流せる電流の量の上限」のことです。

ケーブルにはわずかですが電気抵抗があり、電気を流すとジュール熱が発生します。ジュール熱は電流や抵抗値に比例するため、電流が増えるとジュール熱も増えます。

ジュール熱が増えるとケーブルの温度も上昇し、ケーブルの絶縁物を劣化させ、場合によっては溶解して火災の原因になります。これらの事故を防ぐため流せる電流量の上限を決めておくのです。

許容電流の計算方法

許容電流を計算する公式があります。

許容電流を求めるときの値は、ケーブルの導体の断面積、ケーブルの敷設場所の温度、導体を包む絶縁体の素材ごとに決められている許容電流補正係数、電線管に複数のケーブルを敷設するときの電流減少係数があります。

許容電流補正係数や電流減少係数とは、熱の発散のしやすさを数値化したものです。

実務上の許容電流の計算は電線メーカーが公表している仕様を確認する必要があるでしょう。

許容電流の計算式

許容電流の計算式は「許容電流補正係数×電流減少係数×導体の断面積ごとに決められている許容電流」で求められます。

「導体の断面積ごとに決められている許容電流」は、周囲の温度ごとの許容電流に分けられます。

導体の断面積は単線とより線で異なります。単線では芯線の直径になります。また、より線のときは素線の断面積×素線数で求められ、「公称断面積」と呼ばれます。

許容電流の計算例

導体が2mmの銅の単線、使用温度の上限値が60℃の絶縁電線を、「周囲の温度が40℃、電線管内の電線数が3本で敷設する」という条件のときの許容電流を計算してみましょう。

直径2mmの銅の単線の許容電流は35、また、40℃の許容電流補正係数は0.82です。そして電線管内の電線数が3本の時の電流減少係数は0.79です。

これらの値から許容電流は35×0.82×0.79=22.673で、22Aとなります。

許容電流が変化する3つの要因

許容電流は一定ではなく、いくつかの要因で変化します。許容電流が変化する要因は、ケーブルを敷設する方法や放熱性、敷設する周囲の温度、ケーブルを構成する絶縁体の種類、の3つがあります。

ケーブルを敷設する方法は、放熱のしやすさに影響します。敷設する周囲の温度は、ケーブルの温度上昇の余裕に関わります。

ケーブルを構成する絶縁体の種類によって耐熱温度が決まり、許容温度が変わります。

許容電流が変化する要因1:電線の敷設

許容電流はケーブルの敷設方法で変化します。敷設方法での許容電流の低下の要因は放熱の悪化です。

ケーブルを敷設する方法として電線管やケーブルラックを使うとき、ケーブルを重ねる「多段積み」やケーブル同士の隙間を十分に取らない、外径差の大きいケーブルの混配線、などのケーブル同士が干渉する敷設方法をとると放熱しにくくなります。

ケーブルの放熱が悪化すると許容電流が低くなり、流せる電流も少なくなります。

許容電流が変化する要因2:温度

ケーブルを敷設する場所(部屋)の温度も許容電流が変化する要因になります。

敷設する場所の温度が高いと電流が流れていなくてもケーブルの温度は高くなります。ケーブルの温度が高い状態で電流を流すとジュール熱による温度上昇の余裕がなく、許容電流の値が小さくなります。

許容電流が変化する要因3:絶縁体の種類

許容電流は絶縁体の種類でも決まり、熱に強い材質のほうが許容電流の量は大きくなります。

ケーブルにかかる熱源は、周囲の温度と、電流が流れることで起きるジュール熱があります。絶縁体が熱に強い材質であれば許容できる温度が高くなり、周囲の温度が高い状態でもより多くの電流を流せます。

許容電流を計算する理由3つ

電気設備を敷設するときはその電機設備に必要な電流量を計算してケーブルを選びます。

電流を流すとジュール熱で発熱しますが、周囲の温度やケーブルを敷設する方法(電線管やケーブルラック)によってはジュール熱での発熱量の余裕が少なくなり、電流量も少なくなります。

許容電流の計算は適切なケーブルの選択、電気設備やケーブルの安全な敷設作業のために必要です。

許容電流を計算する理由1:安全に作業するため

許容電流はケーブルを製造しているメーカーから、製品の仕様書という形で公開されています。

許容電流の計算には「ケーブルの周囲の温度」が必要ですが、製品の仕様書には30℃や60℃など、主だった温度のときの値のみが掲載されています。また、絶縁体の材質は分かっているが製品の仕様書がない、といったことも起こり得ます。

許容電流の計算式が分かっていれば仕様書がなくてもその場で算出でき、安全に作業できます。

許容電流を計算する理由2:第二種電気工事士の試験で出題される

国家資格である電気工事士の試験では許容電流の計算問題が出題されます。

この計算には単線の太さやより線の公称断面積ごとの許容電流値の一覧表や「同一管内の電線数に応じた電流減少係数」を暗記しておかなければなりません。

また、計算した結果、小数が出た時には小数部を(四捨五入ではなく)「七捨八入」することを知っておかなければなりません。

許容電流を計算する理由3:より正確にケーブルを選定できる

設置する電気設備の使用時に必要な電流量や、ケーブルを敷設する環境を基に許容電流を計算すれば、適切なケーブルを選択できます。

許容電流が少ないケーブルを使うと発熱などで耐用年数が短くなったり、絶縁が効かなくなったりするなど安全面に問題が出ます。また、許容電流が大きいケーブルを使うとオーバースペックになりコスト面で問題が出ます。

許容電流の計算方法を知ろう

許容電流の計算は電気設備の配線の設計や敷設で使用します。また、電気工事士の試験では計算問題として出題されます。

実務上はケーブルメーカーの仕様書から簡易な方法で算出できますが、仕様書がないときなどは公式から計算しなければならないでしょう。

許容電流の計算方法や計算に使う定数を知ることは、実務や試験対策に必要です。


当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。

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