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がいし引き工事とは?施工の方法4つや施工における注意点を解説

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公開日時 2023.02.17 最終更新日時 2023.02.17

そもそも「がいし」の意味とは?


がいし(碍子)とは、妨げるという意味を持ちます。

電気工事で使用するがいしは、漢字表記では「碍子」です。「碍」には、「妨げる」意味と「支える」の2つの意味があります。従って、がいしの意味は電気の通りを妨げて(絶縁して)電線を支えることです。

英語では絶縁体を意味するinsulatorです。がいしは、絶縁性の他、耐水性や難燃性も優れています。

がいし引き工事とは?


がいし引き工事とは、電線とがいしを使用して機械や器具に送電する工事方法です。

昭和30年代後半まで使用された配線方式です。この頃は電線が布で覆われていたので、がいしを絶縁体として利用し、電線と壁などを密着させない配線でした。

がいし引き配線とも呼び、現在ではレトロ調の意匠に取り入れられています。がいし引き工事ができる職人が減少し、今のがいし引き工事は見た目だけの施工も多くあります。

がいし引き工事で用いられる電線

がいし引き工事で使用する電線は、絶縁電線です。

がいし引き工事は天井や梁、柱などの造営材に固定したがいしに、電線をバインド線で結びつける取り付け工法です。使用できるバインド線は鉄製またはアルミ製など、電線に対応した素材です。

絶縁電線の中から、引込用ビニル絶縁電線と引込用ポリエチレン絶縁電線、屋外用ビニル絶縁電線は除外します。これは「電気設備の基準の解釈」の規定です。

出典:経済産業省のPDF

がいし引き工事のメリットとは?

がいし引き工事のメリットは、見た目の美しさです。

現在の電気工事はケーブル工事や合成樹脂管工事、金属管工事や金属可とう電線管工事など様々な種類があり、目的に応じて使い分けます。しかし、いずれの工事も配線を隠ぺいします。

がいし引き工事は露出した壁や天井など展開した場所に設置可能です。配線を見せる工事は職人の技量が問われ、がいしと電線の作り出す造形を楽しめます。

がいし引き工事の施工の方法4つ

がいし引き工事の施工の方法4つ

がいし引き工事は、施工の方法を押さえることが重要です。

4つの施工方法とは、電線に施す接触防護措置や電線の支持点間の距離、電線同士の距離及び電線と造営材との距離などです。

がいし引き工事は低圧の屋内配線工事です。使用電圧によって、それぞれの距離の決まりも異なります。

がいし引き工事の施工の方法1:接触防護措置

がいし引き工事における電線の接触防護措置は、使用電圧が300V以上の時に必要で、300V以下の時は簡易接触防護措置を行います。

接触防護措置は、屋内は床上2.3m以上・屋外は地表2.5m以上で人が手を伸ばしても触れない場所への設置です。簡易接触防護措置は、床上1.8m以上・屋外は2m以上で人が簡単に触れられない範囲への設置です。

どちらも塀や柵、または電線を金属管に入れる措置を行います。

出典:経済産業省のPDF

がいし引き工事の施工の方法2:支持点間距離

がいし引き工事の支持点間距離は、2m以下です。

この規定は、300V以下の電線を造営材の側面や上面に沿って取り付ける場合です。電圧が300V以上の場合は、6m以下の規定を適用します。

支持点間距離は、がいしの中央から隣のがいしの中央までの距離が目安です。

がいし引き工事の施工の方法3:電線相互の離隔距離

がいし引き工事では、電線相互の離隔距離は6cm以上保ちます。

管灯回路や他の低圧屋内配線と接近や交差する時は、電線と10cm以上の離隔距離を確保します。また、がいし引き工事で設置する低圧屋内配線に裸電線を使用した時は、30cm以上必要です。

細かい決まりですが、安全に電気を使用するための必要な措置です。

がいし引き工事の施工の方法4:電線・造営材の離隔距離

がいし引き工事の施工方法では、電線や造影材との離隔距離は使用電圧が300V以下の時は2.5cm以上です。

使用電圧が300V以上の場合は、4.5cm以上を確保します。ただし、乾燥した場所に取り付ける場合は、300Vを超えても2.5cm以上でも可能です。

この他、がいし引きによる低圧配線が水管やガス管、弱電流電線などと接近や交差する時は10cm以上、裸電線を使用する時は30cm以上必要です。

がいし引き工事を施工する時のポイント

がいし引き工事を施工する時のポイントは、設置場所です。

がいし引き配線は、露出した壁面や柱、天井や梁など「展開した場所」への設置が決まりです。展開した場所であれば乾燥した場所でも、湿気や水気のあるキッチンや浴室でも設置できます。

可燃性や爆燃性以外の粉じんのある場所にも設置できます。囲炉裏のある部屋でも施工できるのはそのためです。また、がいしの優れた絶縁性により、接地工事が不要です。

がいし引き工事ができない場所とは?

がいし引き工事ができない場所は、点検できない隠ぺい場所です。

具体的には、1階の天井と2階の床の間(天井のふところ)や壁の内部です。また、点検する窓がなく、簡単に点検できない場所です。反対に点検できる隠ぺい場所には設置できます。天井裏や床下は普段は見えませんが、簡単に点検できるからです。

この他、危険物の製造や貯蔵場所、可燃性ガスや引火性物質がある場所にがいし引き配線はできません。

がいし引き工事の施工における注意点

がいし引き工事は配線が見えるので、使用電圧に関係なく防護措置を行います。

がいし引き配線は、鉄塔や電柱の電力用及び電信用などにも使用されます。これらの配線も人が簡単に触れないような措置を施します。

高圧屋内配線においてもがいし引き工事は利用されます。支持点間距離や離隔距離は低圧と規定が異なります。他に電線や電線が造営材を貫通する場合の高圧がい管の使用も規定されています。

がいし引き工事への理解を深めよう

がいし引き工事は電気の施工方法のひとつで、現在はあまり利用されていない工法です。

がいしと電線を使用した施工で、「電気設備の技術基準の解釈」によって使用する電線や施工の方法が規定されています。支持点間距離や電線相互の離隔距離などに注意して施工します。

がいし引き配線は施工できる場所が限定されますが、配線の造形美を楽しめるメリットもあります。この記事を参考に、がいし引き工事への理解を深めてみてはいかがでしょうか。


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