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汚泥処理施設とはどんな施設?汚泥処分のメカニズム8STEPを紹介

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公開日時 2022.09.28 最終更新日時 2022.09.28

汚泥処理施設とは


汚泥処理施設とは、下水道施設に設けられている施設で、活性汚泥法により生じた汚泥を回収し、産業廃棄物として処分するための施設です。この汚泥はそのままにしておくと腐敗して悪臭の発生源になってしまい、病原菌の巣にもなってしまいます。

それを防ぐために汚泥は濃縮脱水やその他の脱水法により水分を減らした後、焼却炉で焼却処理します。その焼却灰は一部がセメント材料などになりリサイクルされますが、リサイクルされない焼却灰は、産業廃棄物として処分される仕組みです。

汚泥の処分

汚泥処理施設で発生した汚泥は、廃棄物処理法上の規定で廃棄物にあたり、さらに産業廃棄物に規定されます。そのため、汚泥は焼却工程を経て、最終的には産業廃棄物処理施設で埋め立てられることになります。

しかし、産業廃棄物の埋め立て場所は可能処理量が減ってきているため、最終処分量を減らすために、焼却灰はさまざまな方法で再利用されており、よく行われるのがセメントの材料にする方法です。

汚泥の再資源化

汚泥の最終処分である埋め立て量を減らすために、汚泥処理施設では積極的に再資源化が行われています。その再資源化の代表的な例が、焼却灰をセメント材料に混ぜて建築資材にしてしまう方法です。

また、汚泥を燃料や電気により溶融させることで、減容化と併せてガラス化による有害物質の溶出を止めることができ、この得られたガラス質を、路盤材などに使うことが可能になっています。

汚泥処理施設のメカニズム8STEP


汚泥処理施設のメカニズムを8段階に分けて紹介していきます。下水道処理施設に入った下水は、まず大きなごみや砂が取り除かれたのちに最終沈殿池に送られ、ここで汚泥はゆっくり沈下させて集められます。

得られた汚泥は汚泥処理施設で、濃縮、有機物の分解、凝集、脱水、乾燥を経て、焼却炉で焼却処理されます。焼却時の排ガスも安全に処理されますが、汚泥の焼却で生じた焼却灰は最終処分か再利用されます。

汚泥処理施設のメカニズム1:汚泥を濃縮する

汚泥処理施設のメカニズムとして、汚泥を濃縮することになります。汚泥処理の流れとして、下水はまず沈殿池で砂などの余分なものを取り除き、最終沈殿池に沈んだ汚泥を集めます。

集めた汚泥は重力濃縮槽と呼ばれる沈殿槽に入れられ、基本的に半日かけて汚泥と水分を分けていきます。そして上澄みの水は水の再利用工程に回され、沈殿した汚泥は汚泥処理施設内の処理が行われます。

汚泥処理施設のメカニズム2:有機物を分解する

汚泥処理施設のメカニズムには、有機物を分解する工程があります。標準活性汚泥法では、濃縮工程を経て、水分が多く含まれている汚泥を反応タンクにいれます。この反応タンク内が激しくエアレーションされることになります。

エアレーションは曝気と言われますが、これにより酸素が送られ好気性の微生物により汚泥中の有機物を餌にして繁殖し凝集してブロックとなります。このブロックを含んだ汚泥を集めて次の工程に進みます。

汚泥処理施設のメカニズム3:凝集剤を投入する

汚泥処理施設のメカニズムとして、凝集剤を投入する工程があります。有機物を細菌により除去した汚泥を機械濃縮槽に送り込み、汚泥を塊にするための凝集剤を加えます。さらに、集めた汚泥に、起泡助剤をいう泡ができやすくなる薬を加えます。

気泡助剤により汚泥を浮上させることで濃縮して回収します。

汚泥処理施設のメカニズム4:脱水する

汚泥処理施設のメカニズムとして、脱水する工程があります。濃縮した汚泥は脱水棟に送られ、遠心脱水機にかけられます。濃縮された汚泥にはまだ水分が多いので、遠心脱水機で遠心力を利用してさらに汚泥中の水分を取り除かなければなりません。

遠心脱水機により脱水された汚泥は、水分を約80%含んだ脱水汚泥となり、脱水ケーキと呼ばれる状態になります。

汚泥処理施設のメカニズム5:乾燥する

汚泥処理施設のメカニズムには、乾燥する工程があります。乾燥させるには乾燥機を使用しますが、乾燥機にはさまざまな種類があり、バッチ方式だと箱型式、連続方式であれば回転キルン式、コンベア式などが用いられます。

乾燥機はさまざまなメーカーが多種多様な製品を出していますが、既製品を導入する以外に高温の排ガス・蒸気・温水などの未利用のエネルギーが利用できる場合は、有効利用するために乾燥設備の検討も可能となるでしょう。

汚泥処理施設のメカニズム6:焼却する

汚泥処理施設のメカニズムとして、焼却する工程に入ります。乾燥されて脱水された汚泥は焼却炉で焼却されます。その際に汚泥自体も燃焼しますが、水分を含んでいるので都市ガスなどを補助燃料として焼却します。

焼却が終わった焼却灰は、セメント原料として再利用され、残りは最終処分場で埋め立てられます。

汚泥処理施設のメカニズム7:排ガス処理をする

汚泥処理施設のメカニズムのなかに、排ガス処理が必要となっています。一般的な廃棄物処理施設における排ガス対策と同様、水銀などの重金属を排ガスから除去する必要があります。

汚泥を焼却する際に発生する排ガスから、水銀などの重金属を取り除くシステムが組み込まれており、回収されて大気中への放出を防いでいます。

汚泥処理施設のメカニズム8:処分か再利用する

汚泥処理施設のメカニズムには、焼却灰などの処分がありますが、再利用することも行われています。再利用の方策として、一般的なのがセメント原料として使うことです。

他にも焼却灰は電気や燃料による溶融工程を経て、ガラス状のスラグとして、路盤材に再利用されることも増えています。

再利用されなかった焼却灰は、産業廃棄物処理場に運搬され埋め立てられます。

汚泥の再利用方法

汚泥の再利用方法としては、焼却灰のセメント原料への混在がよく行われています。他にも有機物汚泥の場合は、バイオマスとして固形燃料化や発生するガスの利用、そしてたい肥化など幅広く行われています。

また無機物汚泥の場合は、焼却灰のセメント材料化以外に建設資材への利用や緑農地への利用などが行われています。

有機物汚泥の場合

有機物汚泥の場合の再利用としては、下水道汚泥にはバイオマスが含まれているため、固形物に成形され肥料として用いられる場合があります。下水道汚泥は人間生活に伴うバイオマスが安定した量含まれているため、有望なバイオマスとされています。

また、有機物汚泥を固形燃料として加工することもでき、発生するメタンガスもエネルギーに変えることが可能です。この両者のエネルギーが発電や温水として利用されます。

無機物汚泥の場合

無機物汚泥の場合の再利用としては、焼却灰の建設資材への利用や、セメントの原材料としての利用が進んでいます。他にも汚泥自体をコンポストにより加工し、緑農地への利用も行われています。

緑農地利用においても、建設資材への利用においても、安定的に発生する下水道汚泥は利用量が増加傾向です。

汚泥処理施設で排出される産業廃棄物の問題点3つ

汚泥処理施設で排出される産業廃棄物の問題点を3つ紹介します。焼却処理によって排出される産業廃棄物である焼却灰を最終処分する埋立地が、慢性的に不足している問題です。

そして汚泥を焼却処理する際に発生するCO2ガスが、地球温暖化を進めてしまうこともあります。下水処理の際に生み出される排水は浄化されているので、自然界への悪影響はないのですが、下水以外に流される生活雑排水は自然界に多くの悪影響を与えてしまいます。

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点1:埋立地が減っている

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点として、最終処分場として使われている埋立地が減っていることがあります。最終処分場は産業廃棄物の排出量が増えると埋め立て可能量が減っていき、いつかは埋め立てできなくなってしまいます。

常に新たな最終処分場を作っていますので、最終処分場は慢性的に不足する結果となっています。最終処分場の不足が続くため、汚泥処理施設が排出する産業廃棄物を減らしていかなければなりません。

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点2:焼却による地球温暖化への影響

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点として、焼却による地球温暖化への悪影響があります。汚泥を最後に焼却処理する際、自燃焼を助けるために補助燃料である石油が使われますので、CO2ガスが発生してしまいます。

CO2ガスが増加することにより地球温暖化を進めてしまいますので、産業廃棄物である汚泥の焼却量は増加しないようにしなければなりません。

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点3:河川や海への影響

汚泥処理施設の産業廃棄物の問題点として、河川や海への悪影響があります。汚泥処理施設から排出される水は濾過され、消毒も行われているために川に排出されて海に流れ出ても、生態系へ悪影響を与えることは少なくなっています。

しかし、人間が生活を送るうえで発生する生活雑排水のすべてが下水として排出されているわけではなく、側溝などから自然界に流れ出ています。油や有機物を含んだ生活雑排水は自然環境に多くの悪影響を与えてしまうでしょう。

汚泥処理施設の仕組みを知ろう

汚泥処理施設の仕組みを知ることで生活雑排水が自然界に与える悪影響を学習できます。汚泥処理施設は高度な処理を行うことで、生活雑排水から有機物などを除去していますから、自然生態系への悪影響を防いでくれます。

汚泥処理施設では、活性汚泥法を用いて汚泥を回収し、産業廃棄物として処分するための施設ですが、下水処理場を通さずに自然界に流出する生活雑排水は、多くの悪影響を生態系に与えていますので、汚泥処理を知ることで自然を大事にすることへつながるでしょう。


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