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フェランチ効果について詳しく解説|フェランチ効果の弊害や対策も紹介

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公開日時 2023.02.09 最終更新日時 2023.02.09

フェランチ効果とはどういった現象?


フェランチ効果とは、受電端の電圧が送電端の電圧よりも大きくなる現象です。

一般的に、電圧は発電所と電力供給を受けている側の間にある送電線の抵抗によって電圧降下が発生するため、受電端よりも送電端のほうが電圧が高くなります。

フェランチ効果は夜間や休日などの軽負荷時に、負荷の大きさが変動することによって進み電流が流れる際に発生します。また、地中送電線など、対地静電容量が大きい場合にも発生することがあります。

フェランチ効果の法則

フェランチ効果は計算式で求めることができます。

送電端電圧を「Es[V]」、受電端電圧を「Er[V]」、線路抵抗を「R[Ω]」、負荷に流れる電流を「I[A]」、負荷の力率を「cos」、線路のリアクタンスを「X[Ω]」とした場合、電圧降下の値は「Es-Es = RIcosθ + XIsin = I(Rcos + Xsin)[V]」で算出することができます。

フェランチ効果のしくみについて

フェランチ効果は長距離の送電路で発生します。電源と電力供給を受けている側の距離が長い場合、電流は電圧と比較して力率が「遅れ」の状態となっています。

力率とは電源を有効に使用できる割合のことで、力率には前述のように電流が電圧に対して遅れている「遅れ力率」と、反対に電流が電圧よりも進んでいる「進み力率」があります。

ここでは「進み力率」と「遅れ力率」についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

進み力率

「進み力率」とは電流が電圧よりも進んでいる状態で過電圧になっていることを指します。

軽負荷時には進み力率によってリアクタンスは容量性になるため、電流が電圧よりも先へ進みます。

また、送電端電圧は電圧降下と受電端電圧による合成電圧になり、受電端電圧の方が送電端電圧よりも大きい状態になります。この時にフェランチ効果が発生します。

遅れ力率

「遅れ力率」とは電圧が電流よりも進んでいる状態です。

フェランチ効果は受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる場合に発生する現象ですが、遅れ力率の場合は力率が低く電流が遅れます。また、リアクタンスが誘導性となるため、電圧が電流よりも先へ進みます。

そのため、送電端電圧のほうが受電端電圧よりも大きい状態になり、遅れ力率ではフェランチ効果は発生しません。

フェランチ効果の影響6つ

フェランチ効果によってさまざまな影響があります。

ここまでフェランチ効果が発生する仕組みについてご紹介しましたが、フェランチ効果は低圧電路ではなく主に高圧電路において問題とされています。

それでは、実際にフェランチ効果が発生した場合、系統にどのような影響を与えるのでしょうか。ここではフェランチ効果の影響6つをご紹介しますので、どのような影響があるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。

フェランチ効果の影響1:鉄損増加の問題

フェランチ効果が発生した場合、変圧器などの鉄損が増加するという問題があります。

フェランチ効果が生じると、モーターや変圧器が過励磁になります。過励磁が発生すると変圧器などの騒音や振動が大きくなり、さらに磁気飽和が発生することで大幅な無負荷電流と無負荷損の増加が発生し、温度が上昇します。

また、その結果鉄損が増加するため、フェランチ効果は問題とされています。

フェランチ効果の影響2:白熱電灯の寿命が短くなる

フェランチ効果が発生した場合、白熱電灯などの寿命が短くなるという問題があります。

フェランチ効果によって鉄損が発生し、変圧器の寿命が縮むのと同様に、白熱電灯といった電灯の類の寿命も縮めてしまうと言われていることから、フェランチ効果は問題とされています。

フェランチ効果の影響3:絶縁設計上に問題が出る

フェランチ効果が発生した場合、絶縁設計上に問題が出ます。

単位長さあたりの静電容量や線路の電圧が高く、送電路の電柱間における水平距離が長いほど、フェランチ効果による影響は顕著になります。

これらの条件によってフェランチ効果による電圧の上昇が大きい場合、電力系統の運用にも影響があります。

フェランチ効果の影響4:変圧器の寿命が短くなる

フェランチ効果が発生した場合、変圧器の寿命が短くなるという問題があります。

前述のとおり、フェランチ効果が発生すれば変圧器やモーターなどの鉄損が増加します。そのため、絶縁物が劣化し、変圧器やモーターなどの寿命も縮めることになります。

フェランチ効果の影響5:高周波拡大問題の発生

フェランチ効果が発生した場合、高周波拡大問題が発生します。

フェランチ効果によって、電源インピーダンスのリアクトルと進み電流による交流回路の高周波拡大という問題が発生する可能性があります。

ただし、高周波拡大問題に関してはJIS規格やガイドラインによって解決する可能性もあります。

フェランチ効果の影響6:絶縁物劣化が加速する

フェランチ効果が発生した場合、絶縁物劣化が加速するという問題があります。

モーターや変圧器の鉄損や劣化などでも解説していますが、フェランチ効果によって電圧が増加することによって、高電圧電路の絶縁物の劣化が大きく加速化されるという問題もあります。

フェランチ効果への対策

フェランチ効果への対策

フェランチ効果が発生しないようにするにはどのような方法があるのでしょうか。

ここまでご紹介したように、フェランチ効果が発生することによって変圧器などの寿命を短くするといったさまざまな問題が発生します。そのため、高電圧電路においてフェランチ効果が発生しないよう事前に対策を取ることが重要です。

ここではフェランチ効果への対策についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

リアクトルの設置

フェランチ効果の発生による問題を防ぐには、リアクトルを設置することが有効です。

リアクトルはインダクタを利用した受動素子で、電流の変化を緩やかにしたり、遅れ無効電力を発生させたりといった効果があります。

フェランチ効果では進み力率が発生することが問題となっているため、分離リアクトルなどのリアクトルを接続することによって、進み力率を遅れ力率に変えるような方法が改善策として考えられます。

電力用コンデンサの切り離し

フェランチ効果の発生による問題を防ぐには、電力用コンデンサの切り離しが有効です。

フェランチ効果は深夜や休日などの送配電線路の無負荷もしくは軽負荷時に、充電電流の影響が大きくなることによって受電端電圧が送電端電圧よりも高くなるというものです。

そのため、軽負荷時には普段は力率改善のために設置されている電力用コンデンサを切り離しておくことで、有効な改善策になります。

フェランチ効果のしくみを理解しよう

フェランチ効果とは送配電線路の受電端の電圧が送電端の電圧よりも高くなる現象です。

フェランチ効果が生じることにより、変圧器や白熱電灯などの寿命を縮めてしまうといったさまざまな問題が発生します。

ぜひこの記事でご紹介したフェランチ効果の法則やしくみ、フェランチ効果によるさまざまな影響、フェランチ効果への対策などを参考に、フェランチ効果のしくみや解決策などについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。


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