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ヘアライン仕上げとは?メリットやデメリットを含めた加工に関する知識

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公開日時 2023.02.16 最終更新日時 2023.02.16

ヘアライン仕上げとは

街中やお店など、日常生活のどこかで艶のないマットなステンレス素材を目にすることがあるでしょう。そうした素材はよく見ると、ヘアラインと呼ばれる単一方向に髪の毛ほどの細かさで線を入れる加工が用いられています。

ヘアライン仕上げは、金属の表面処理加工の一つで、旋盤で表面に傷をつける方法で施されます。ステンレスやアルミニウム、ブリキなど、金属素材を中心に施されることが多いです。最近では樹脂にも加工が可能となりました。

ヘアライン仕上げの種類

ヘアライン加工には、鏡面仕上げやシボ加工と比べ、表面を細かく研ぐことで、つや消し加工が生まれ、デザイン性を持たせることが可能です。

ヘアライン仕上げには種類があり、細かい目で刻むように模様をつけるスクラッチヘアライン、番手の荒い研磨ベルトで削るハードヘアライン、縦横に研磨するクロスヘアライン、加工パターンに変化を付けたデザインヘアラインなどがあります。

ヘアライン仕上げの用途5つ

ヘアライン仕上げは施工技術の一つですが、仕上げ方法により見栄えも変わるため、施される目的や用途は様々です。用途の幅を知っていれば様々なところへの応用も可能となります。

また、インテリアや建築物のデザインの幅も広がり、アイデアも増えます。街中や日用品など、ヘアライン加工の施された製品は意外と沢山ありますので、何気ない会話の話題にもなります。

1:光沢を抑え高級感を出す

金属製品には、素材特有の銀光や鏡面仕上げの光沢感があるものも多いです。ヘアライン仕上げは、線状の模様をつけることで表面の艶消し効果が生まれます。

表面がマットな光り方になるので、雰囲気のある上質で落ち着いた高級感を出すことができます。また、金属特有の光沢が抑えられるので、金属以外の素材への馴染みも良くなります。

2:金属板のデザインパターンを変更

無加工の金属製品は無機質で単一な表情になりがちです。ところが、ヘアライン加工を用いれば無機質な金属板にデザインを加える事ができます。そして、デザインのパターンはラインの付け方により変えることができます。

粗く短いスクラッチヘアライン、線がクロスしたヘアライン・クロス、その他にも線の濃淡や長さを変えるデザインヘアラインなどがあります。加工会社により異なりますがデザインのパターンは多数あります。

3:製品の装飾

ヘアライン仕上げは、表面に線状の凹凸を作るため、指紋などの汚れが目立ちにくくなっています。 製品として実用されはじめてからも、汚れが目立ちにくく見た目の良さが保ちやすいです。

そのため、人の手や目に触れるような製品の装飾に使われる事も多いです。小型の日用品から看板、車の内装にホイールなどヘアライン仕上げの装飾はいたるところに使われています。

4:見た目を良くする

ヘアライン仕上げは、微細な凹凸が沢山つくことにより、平面的な板が立体的になります。また、未加工の板に比べ、光の当たり方が柔らかく上質な見た目になります。

ヘアライン仕上げを施した金属は、優しく美しい光で存在感があり、見る人の目を引くものとなります。また、光の当たる方向により製品の見え方も変わるため、素材に動きが出て表情が豊かになります。

5:立体感を出す

ヘアライン仕上げは、線の入れ方を変えることができます。太さや長さを変えたり、線をクロスさせたりすることで濃淡や陰影を出し、平面の板を立体的に見せることができます。

麻や織物など、ファブリックのように見せることも可能です。また、ヘアライン仕上げはデザインの幅が広く、加工会社によっては決められたデザインだけではなく、より多くのデザインを選ぶことができます。

ヘアライン仕上げのメリット5つ

ヘアライン仕上げにいろいろな用途があることはお話ししましたが、せっかく施すのであればメリットも知っておきたいところです。用途だけでなくメリットを知ることで、インスピレーションも上がるでしょう。

様々なメリットを知ることで視野が広がり、より有効にヘアライン仕上げを使うことが可能となります。

1:見た目が良くなる

見た目が良くなるということは、用途でもご説明しましたが、これは同時にメリットにもなります。また、先述では仕上がりに対しての見た目の向上をお話ししましたが、実はそれだけではありません。

ヘアライン仕上げは、納品後、使用され始めてからも汚れが目立ちにくいのです。使用されている最中でも、製品の見た目の良さが継続されやすい素晴らしい加工です。

2:デザインの幅が広い

ヘアライン仕上げは単一方向に線の入るものなので、シンプルなものと思われがちです。しかし、豊富なデザインパターンを組み合わせることで、デザインの幅は無限に広がります。

ヘアライン仕上げのデザインは、既存の流通しているものもあればイメージしたデザインを特注することも可能です。既存のデザイン同士を組み合わせるだけでも、沢山のデザインパターンを作ることができます。

3:ヘアの目の大きさが変えられる

ヘアライン仕上げに使われる研磨ベルトの種類は、一般的に150〜240番となります。研磨剤の番手が若くなればなるほど、ヘアラインの目は荒くなります。

ヘアの目の大きさや粗さを変えることで、金属製品が様々表情を見せます。落ち着いた印象から荒々しい印象、無加工の時よりの様々な場所やデザインに金属を取り入れることが可能になります。

4:高級感がある質感に出来る

ヘアライン仕上げは、金属製品特有の銀光が抑えられます。これにより、柔らかくマットで落ち着いた印象になり、上質で高級な質感となります。

落ち着いた光は間接照明との相性も良く、クラシックな印象のバーやラウンジの内装とも相性が良いです。高級感のある質感はハイブランドの看板などに採用されることもあります。また、革製品との相性も良いので、高級車の内装などにも使われることも多いです。

5:小傷が目立ちにくい

鏡面仕上げや、無加工の金属板は表面が艶のある光方をするため、傷が付いてしまうとその部分だけ陰影がついてしまい目立ってしまいます。また、傷の補修は困難な場合が多く扱いに気を使うことも多いです。

ヘアライン仕上げは、無数の線が入る仕様となるため、小キズがついてしまっても目立ちにくくなっています。

ヘアライン仕上げのデメリット4つ

ヘアライン仕上げのデメリット4つ

ヘアライン仕上のような表面を加工し、デザインの自由度の高いものはメリットもあれば、もちろんデメリットもあります。デザインの種類によっては作業工賃が高くなってしまうものや、経年変化するものもあります。

しかしながら、デメリットをしっかりと理解し、想定していればそれらをメリットに変換することも可能となるでしょう。今回は4つのデメリットを紹介します。

1:あくまでも装飾加工

へエアライン仕上げは、耐久性をあげたりする加工ではなく、あくまでも見た目を良くする装飾加工となります。そのため、他の傷や汚れが目立ちにくい仕上げよりも傷が目立ちやすく、使っていくうちに経年劣化によりラインは薄くなります。

傷の目立ちは否めませんが、経年劣化に関してはエイジング効果と取ることもできます。そのような変化を好む方もいますのでこの点ではデメリットをメリットに変えることも出来るでしょう。

2:手作業の場合は価格が高い

私たちが良く目にしているようなヘアライン仕上げの製品は、専用の電動工具や電動機に研磨剤をつけ、大量生産されている場合が多いです。しかしながら、一品ものや特注のデザインになると手作業で行うことが主流のため、価格はある程度高価なものになります。

特別なデザインを希望する場合は、デザイン料もかかる場合がありますので、潤沢な資金が必要となります。

3:加工可能な素材はステンレスやアルミが主

ヘアライン仕上げの加工ができる素材には限りがあります。よく用いられる材質はステンレス板やアルミニウムです。技術力のある会社などではプラスチック樹脂への加工も可能となります。

ヘアラインは素材の表面に傷をつける加工を施すため、腐食に弱い素材には使用されません。また、素材の表面に塗装などがされている素材も塗装を削り取ってしまうためヘアライン仕上げは施せません。

4:一品ものなら専門の業者に頼むことが必要

ヘアライン仕上げは、単純なラインでしたら格安で依頼することも可能です。しかしながら、複雑な一品ものが欲しい場合は専門の業者に頼む必要があります。

トラックアートという装飾されたトラックを見かけたことはあるでしょうか。デコトラとも言われています。模様の入ったトラックは、こだわりを持つ人も多く特注の品を注文する場合が多いです。そのため、技術力のある会社ではトラックの装飾なども手掛けています。

ヘアライン仕上げの研磨方法

ヘアライン仕上げの研磨方法には、旋盤や研磨盤を用いた方法の他に、ベルト研磨機でヘアラインの研磨目を付ける方法、サンドペーパーなどを使用して手作業で加工を行う方法などがあります。

旋盤では材料を回転させ、研磨工具を当てることでヘアライン模様を加工します。研磨盤では回転する研磨工具に材料を当てることで表面を削り、ヘアライン模様を加工します。

ベルト研磨機では砥粒研磨ベルトを回転させ、材料の表面を磨きます。手作業ではサンドペーパーやクロスを用い、研磨剤と一緒に一定方向に磨き模様を作成します。

ヘアライン加工の傷の補修の仕方

ヘアラインは、一定方向に傷を付ける金属加工方法です。

傷が入ってしまった場合の補修には、技術と専用の道具を必要とします。サンダーに取り付けたディスクで、一旦傷を消し、新たにヘアラインを作り直す、といった方法が一般的とされています。

補修方法として、まずヘアライン方向に関係なく、傷を消すだけのサンダー掛けを行います。傷が消えた上で、ヘアライン用のホイール掛けを行うことで、新たにヘアラインを作り直すことができるでしょう。

ヘアライン仕上げが使用されている製品8つ

ヘアライン仕上げが施されている製品は、身の回りにたくさんあります。居住スペース、生活雑貨、建築金物など、目にしたことが多いのではないでしょうか。特に、キッチン周りのステンレス製品、パソコン関連商品に多く使用されています。

ここでは、「キッチン」「エスカレーター」をはじめとした、ヘアライン仕上げが使用されている製品を8つご紹介します。興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

1:キッチン

家庭や飲食店のキッチンでは、ステンレスが使用されていることが多いです。シンクや、作業台となるワークトップにヘアライン仕上げが使われることも多いです。

また、キッチンでは水ものを良く扱うので、ステンレス素材が好まれます。水滴汚れの目立ちにくいヘアライン仕上げはキッチンへの相性がとても良いといえるでしょう。

2:エスカレーター

エスカレーターは、ステンレスのヘアライン仕上げの代表的な用途例とも言えます。ヘアライン仕上げの優しい光は、主張しすぎず、多くの人の目に馴染みやすいデザインです。

また、エスカレーターは階段のような角度がつき、人々の目線の位置がどんどん変わっていきます。このとき、銀光するような金属加工だと照明との角度により光が眩しく感じてしまうこともあります。

3:家電製品

ヘアライン加工は、他のものと接触しやすい場所に使われていることも多く、電子レンジや冷蔵庫などの家電製品にも良く使われています。ヘアラインは傷が目立ちにくいので、いろんなものが触れやすい製品に好んで加工されます。

ステンレスは熱に強く錆びにくいため、キッチン家電に好まれます。小さい家電だと電子スケールの天板にも使われています。

4:駅のホームドア

最近では、人身事故の防止のために駅のホームドアの設置が進んでいます。採用されている素材はステンレスが多く、ヘアライン仕上げが採用されているものもあります。

電車は毎日多くの人が利用しております。視界に入る機会も多いため、主張や光が強いものよりも周囲との馴染みの良い落ち着いた印象のものの方が多くの人に受け入れられます。また、汚れや傷が目立ちにくい点も多くの人が利用する場に適しているといえます。

5:腕時計

腕時計は携行するものの中では特に、何かと触れ合っています。また、アイテムとしてビジネスパーソンには必要不可欠であり、使用シーンとして机や衣類と擦れることが多いです。

また、鏡面仕上げでは小傷が目立ち易いため腕時計のよく擦れるパーツに、デザインとして取り入れられることがよくあります。時計工房などの専門店では鏡面仕上げの時計をヘアライン仕上げに加工し直すこともできます。

6:表札

昔は表札といえば石素材や木製のものも多かったですが、近年ではステンレス素材のものも人気があります。表札は郵便配達や訪問者など、初めて訪れる人にとっては見落とせないものです。

ヘアライン仕上げの表札は強い日差しの中でも、反射光が柔らかくなるので眩しくて見落とすようなことが少ないです。また、雨風に晒されても汚れや傷が目立ちにくいため、表札のような外に設置されるところにも適しています。

7:指輪

ヘアライン仕上げは、指輪にも使用されます。 一定の向きにラインが入り、光りすぎず、素材の質感を感じるシャープで独特な光りかたは男性からも人気があります。

落ち着いたクラシカルな印象の指輪になるため、男女ともに様々なコーディネートに合わせやすく、結婚指輪としても人気があります。凝ったデザインのものより、お手入れも簡単で経年変化のエイジングも楽しめます。

8:スマートフォン

数年前より、スマートフォンの背面パネルにヘアラインを使用しているモデルが発売されています。

現在では「金属系」か「樹脂系」に分かれますが、中には「カーボンファイバー」や「金属と樹脂を両方用いたハイブリット」なども販売されています。このハイブリットモデルにもヘアラインが使用されていることもあります。

指紋の付着を抑えられ、手に持った感覚もヘアライン加工により手に馴染みやすいのが特徴です。力強く握っても剛性感が強く、樹脂系のボディに比べ丈夫な印象です。カラーはシルバー、ゴールド、ブラック、グレーなど豊富に展開されています。

ヘアライン仕上げの知識を深めて転職に活かそう

いかがでしたでしょうか。金属加工の技術、ヘアラインを中心に、さまざまな特色や特性、製品の特長について紹介してきました。

金属加工業界は、職人の世界でもあります。日本はヘアライン加工だけではなく、他の技術においても、世界的にみて高い水準の製品を造りだしています。

加工の技術には知識と経験が必要です。金属加工業界への転職を検討されている方は、こちらで紹介した記事内容を参考にして頂ければ幸いです。


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