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公開日時 2020.05.13
最終更新日時 2022.04.05

しゅんせつ工事業の建設業許可取得に必要な要件6つ|しゅんせつ工事業の内容

しゅんせつ工事業の建設業許可を取得するには?


しゅんせつ工事は地上ではなく水上または水底で行われる工事であり、通常の工事とは大きく異なります。
そして、しゅんせつ工事を請け負うためには必ず建設業許可を取得しなければいけません。
ここでは、しゅんせつ工事の内容および建設業許可の取得要件についてまとめました。

しゅんせつ工事業の内容


しゅんせつ工事とは、河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事のことを指します。
ここでは、しゅんせつ工事の種類とそれぞれの内容についてご紹介します。

しゅんせつ工事業の種類と内容

・ポンプしゅんせつ工法
ポンプしゅんせつ工法とは、ポンプしゅんせつ船で水底から吸い上げた土砂を管路で搬送する工法のことです。
土質が柔らかい場合に採用される工法で、しゅんせつ土を利用して埋立を行う際に最も多く用いられます。
吸入口に付けたカッターをモーターで回転させながら土砂を削る方法が最も一般的ですが、水ジェットで土砂を攪拌するカッターレス方式もあります。

・グラブしゅんせつ工法
グラブしゅんせつ工法とは、グラブバケットを使って水底に堆積した土砂を削る工法のことです。
ポンプしゅんせつ工法とは違い、必要最小限の土砂を「広く」「薄く」しゅんせつすることができます。
大規模工事にはあまり向かないものの、土砂の巻き上げ量が少ないことから環境保全に貢献するとされています。

建設業許可とは?


一定規模以上の工事を請け負うときに、事業者が建設業許可を受けていないと工事を請け負うことができません。建設業許可を取得しなければならないのは、1件の請負金額が500万円以上の工事を施工する事業者です。

建設業許可を得るためには、しゅんせつ工事業を行う会社として、工事を請け追うために必要な企業の経営能力、工事の施工能力およびしゅんせつ工事業を行うための財産的基礎を有していることが要求されます。

出典:建設業の許可とは|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html

しゅんせつ工事業の建設業許可取得に必要な要件6つ


財産的基礎がある、欠格要件にあてはまらない、社会保険・雇用保険に加入している、経営業務の管理責任者を設置している、誠実性がある、専任技術者を設置しているの6つの要件が、しゅんせつ工事業の建設業許可取得に必要です。

以下で、しゅんせつ工事業の建設業許可取得に必要な各要件について、詳細に解説します。

1:財産的基礎がある

しゅんせつ工事業において、資材の調達、工事の準備費用などの資金が必要であり、一般建設業許可を得るためには最低限の財産的基礎を持っていることが要求されます。

新規にしゅんせつ工事業の建設業許可を取得するための財産的基礎は、申請時直前の財務諸表の自己資本金が500万円以上または500万円以上の資金の調達能力のあること、直前5年間、許可を受けて継続して営業をおこなった実績があることのいずれかに該当することが求められます。

また、特定建設業の許可を得るためには欠損の額が資本金の20%を超えていないこと及び流動比率が75%以上であることに加え、資本金の額が2000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4000万円以上であることのすべてに該当することが求められます。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

2:欠格要件に当てはまらない

しゅんせつ工事業の建設業許可の欠格要件には、提出書類の欠格要件と許可を受けようとする人の欠格要件があります。提出書類の欠格要件は、重要な事項に関して虚偽の記載や重要な事実の不記載が当てはまります。

人の欠格要件は、破産者で復権を得ない者、精神機能の障害で建設業を適正に営めない者、一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消された日から5年を経過しない者または取り消しを回避するため廃業の届出の日から5年を経過しない者などです。

さらに、しゅんせつ工事業を適切に施工せず人に危害を及ぼした、または、及ぼす恐れが大きい者や、請負契約で不誠実な行為をして営業停止を命じられ停止期間が経過しない者、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者などが欠格要件にあたります。

欠格事由の詳細については、建設業法第8条、同法第17条(準用)を確認するようにしましょう。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

3:社会保険・雇用保険に加入している

しゅんせつ工事業の建設業許可の取得を目指す業者は、適切な社会保険・雇用保険へ加入していることが、建設業許可を取得する際に必要です。

2020年10月1日から適切な社会保険・雇用保険の加入が、建設業許可の要件として義務化されました。すでに建設業許可を取得している業者も、更新時に適切な社会保険・雇用保険に加入していなければ許可を更新することができませんので注意が必要です。

出典:令和2年10月1日付建設業法改正に伴う「適切な社会保険への加入」について |東京都都市整備局
参照:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kensetsu/pdf/r2kaisei-syaho.pdf

4:経営業務の管理責任者を設置している

建設業許可を取得する者が法人の場合には常勤役員の内の1人、個人の場合には本人または支配人の内の1人が、経営業務の管理責任者等であることが求められます。建設業の経営に関する経験は、建設工事の種類は問わないことになっています。

経営業務の管理責任者等には、建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有すること、5年以上管理責任者に準ずる地位における経験を有する、6年以上管理責任者に準ずる地位にあり理責任者を補佐した経験があることなどが求められます。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

5:誠実性がある

しゅんせつ工事業の法人においてその法人、役員、契約の決済を行う使用人、個人事業主においては事業主本人、契約の決済をする使用人に、誠実性が求められます。

建設業では前払いを行うことも多く信用が重要となるため、請負契約において不正な行為や不誠実な行為を行わないことを定めています。

出典:建設業許可制度|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001173625.pdf

6:専任技術者を設置している

建設業において請負契約を締結し履行を確保する、建設業に関して資格や経験を有して営業所に常駐する「専任技術者」の設置も、建設業許可を取得するための要件です。

ただし、しゅんせつ工事業では、一般建設業と特定建設業により専任技術者の要件が異なります。以下で具体的に解説します。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

一般建設業で取得する場合

【資格保有者】
1級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士
技術士試験 建設・総合技術監理(建設)
建設「鋼構造及びコンクリート」 総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
水産「水産土木」 総合技術監理「水産-水産土木」
基幹技能者 登録海上起重基幹技能者

【土木工学または機械工学などに関する学科を卒業後一定期間の実務経験がある】
大学を卒業後、しゅんせつ工事に関する3年以上の実務経験
高校を卒業後、しゅんせつ工事に関する5年以上の実務経験

【しゅんせつ工事に関する10年以上の実務経験者がある】
しゅんせつ工事は河川や湾岸などの水底をしゅんせつする工事のことを指します。

上記のうちいずれかを満たしていることが条件です。

特定建設業で取得する場合

【資格保有者】
1級土木施工管理技士
技術士試験 建設・総合技術監理(建設)
建設「鋼構造及びコンクリート」 総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
水産「水産土木」 総合技術監理「水産-水産土木」

【条件を満たす元請け工事で指導監督的な実務経験が2年以上ある】
しゅんせつ工事の場合、1級の資格を持っていなくても実務経験があれば専任技術者になることが可能です。
それには以下の条件が必要です。

・請負金額が4,500万円以上の工事直接請け負っている
・指導監督的な立場で指揮をとった2年以上の実務経験がある
・一般建設業の技術者要件を満たしている

上記のうちどちらかを満たしていることが条件です。

実務経験の証明に必要な資料とは?


実務経験の証明に必要な資料について解説します。

まず、建設業許可を受けていない事業者における証明の場合、実務経験年数分の建設工事の内容、工事期間、請負金額が分かる工事契約書注文書もしくは請書、請求書等が必要です。

過去に実務経験で専任技術者と証明されている場合は、建設業許可申請書の副本または専任技術者の変更届の副本になります。

建設業許可を受けていた建設業者で、実務経験によって専任技術者と証明されていない人の場合には、建設業許可申請書の副本、決算変更届の副本が必要です。加えて、実務経験を積んだ会社の在籍を証明する書類も用意します。

ただし、必要な資料は申請する行政ごとに異なるため注意しましょう。

しゅんせつ工事業の建設業許可に必要な要件を確認しておこう


しゅんせつ工事業の建設業許可を取得するためには、財産要件、欠格要件、社会保険・雇用保険の加入、経営業務の管理責任者、誠実性および専任技術者の6つの要件を満たす必要があります。

しゅんせつ工事業の施行管理や現場監督を目指している人や転職を考えている人は、しゅんせつ工事業の建設業許可に必要な要件をしっかり把握しておきましょう。

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