現場監督の仕事も変わる！？建設・建設業界で導入されている無人重機とは！？

建設業界にもIT化の流れが押し寄せ、自動運転で制御された重機が建設現場に導入され始めています。
熟練オペレーターをしのぐ精度の高さで自動運転を行う建設機械や人手を半数に減らすような作業効率の高いロボットも開発され、建設現場での利用が始まっています。
実用化されている無人重機とロボットをいくつかご紹介しましょう。

無人重機・ロボット

低床式AGV（Automated Guided Vehicle）

大林組が開発した低床式AGVは、資機材を自動で運搬する無人搬送ロボットです。
資機材の下に潜り込み、油圧ジャッキで資機材を持ち上げて積載し、磁気テープで作られた軌道に合わせて作業エリアまで資機材を自動搬送します。
1,000kgまでの積載が可能で、荷物を積んだままスロープや段差を上ることもでき、工事用エレベーターの乗降も可能です。

無人ダンプトラック運行システム「Autonomous Haulage System（AHS）」

コマツは、運転席のない自動運転のダンプトラックを開発しました。
高精度のGPS、障害物を検知するセンサーなどが搭載された無人のダンプカーは、プログラミングされた走行コースを指定された速度で走行します。
運転席という概念を取り払ったことで、車体に前後の区別がなくなり、これまで運転席が正面を向くために必要だった切り返しを行うスペースの確保が不要となりました。
そのため、より効率の良い搬出入作業が可能となりました。

ITCブルドーザー(D37PXi/D61PXi/D65Pxi/D65EXi/D85Pxi/D85Exi/D155AXi）

コマツが開発したITC（情報通信技術）を利用したブルドーザーで、掘削から整地までのブレードコントロールが自動化されており、オペレーターは車両の移動操作のみを行うだけで設計図通りの整地ができます。
これまで高い精度で整地するためには熟練オペレーターの技術が必要とされていましたが、ITCブルドーザーは数センチ単位での調整が可能です。

ITC油圧ショベル（PC78USi/PC128USi/PC200i）

ITCブルドーザー同様、コマツが開発したマシンコントロール油圧ショベルで、モニターにデータを打ち込むだけで、正確に土を掘り下げることができます。
決められた深さで土を掘り下げる作業には熟練の技が必要とされてきましたが、ITC油圧ショベルでは経験の少ない技術者でも同様の作業ができるようになっています。

自律制御型振動ローラー「T-iROBO®Roller」

大成建設が開発した自律御型振動ローラー「T-iROBO®Roller」は、締固範囲や回数などの作業計画の情報を登録すると自動で転圧作業を行う機械です。
作業計画入力後はパソコンのスタートボタンを押すだけで、重機に搭載されたセンサーが周辺状況、車両位置、姿勢などを判断し転圧作業が進められていきます。
作業中にオペレーターによる操作は必要なく、人間は機械の監視を行うのみで作業が進んでいきます。

導入が進む無人重機

紹介した無人重機やロボットは、従来型の重機に比べ金額も高くなります。
導入をしているのは大手ゼネコンだけで、中小の建設会社では使うことはないのではと思うかもしれません。
しかし、人手を削減し、工期を短縮できるこれらの重機を導入することは、工事自体の予算を軽減することもでき、短縮できた時間で新たな仕事を受注することも可能にします。
リース料が高くなってもそれ以上の見返りがあることがわかれば、今後こういった無人重機を導入する企業は増えていくと考えられます。

無人重機が現場監督の仕事や生活を変える

無人重機は、人が立ち入ることが難しい災害復興現場などで活用されてきました。
しかし、徐々に一般の建設現場での利用も進んでいます。
無人で動く重機や自動制御された重機の導入は、経験の浅いオペレーターでも正確かつスピーディな作業を可能にします。
今後は、こうした最新技術とともに現場の在り方も変わり、現場監督としての仕事内容も変わり、作業効率の向上によって現場監督のワークライフバランスさえも変わる可能性があると言えるのではないでしょうか。

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