国土交通省発行「建設業における賃金等の状況について」を分解:年度別・年齢階層別賃金支給額推移
施工管理技術者が従事する建設業の賃金についてどのような変化があるかご存じでしょうか。
本記事では、国土交通省が発行する「建設業における賃金等の状況について」を元に年度別・年齢階層別賃金支給額推移を紹介します。
年代別労働者等の年間賃金総支給額の推移
近年、年間賃金総支給額は上昇傾向にあるとされています。
2012~2017年の「建設業男性全労働者等の年間賃金総支給額の推移」は以下のようになります。
2012年 | 2017年 | 上昇率 | |
建設業男性生産労働者 | 3915.7 千円 | 4,449.9 千円 | 13.6% |
建設業男性全労働者 | 4831.7 千円 | 5,540.2 千円 | 14.7% |
製造業男性生産労働者 | 4478.6 千円 | 4,703.3 千円 | 5.0% |
製造業男性全労働者 | 5391.1 千円 | 5,527.2 千円 | 2.5% |
全産業男性労働者 | 5296.8 千円 | 5,517.4 千円 | 4.2% |
出典:国土交通省「建設業における賃金等の状況について」
年間賃金総支給額は、きまって支給される現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額となります。
この結果を見ると、全職種で年間賃金総支給額が上昇していることが見て取れます。
年間賃金総支給額の推移は2000年頃から2012年頃までずっと下降傾向にありましたが、2012年からは上昇傾向にあります。
そして2017年には建設業男性生産労働者が13.6%、建設業男性全労働者が14.7%と大幅な上昇となっています。
これは製造業の上昇率と比べると約3倍になります。
このことから建設業や製造業など他の職種と比べて、賃金の上昇率が高いことが分かりました。
これは社員化や月給制の導入を促す取り組みなどが導入されていることが関係していると考えられます。
この取り組みによって雇用機会や職業能力開発機会の確保などが進んでいるためです。
年齢階層別の賃金水準
出典:厚生労働省「平成30年度賃金基本統計調査」
建設業の賃金のピークは50~54歳、製造業の賃金のピークは55~59歳、運輸業・郵便業は50~54歳がピークとされています。
建設業は賃金のピーク時期が製造業よりも早く到来する傾向にあり、運輸業や郵便業と同等であることが分かります。
その後は大きく下降しています。
ただし運輸業・郵便業は他の職種に比べて下降が緩やかな傾向にあります。
このことから、現場の管理や後進の指導などのスキルが評価されていない可能性があります。
建設業の賃金ピークは50代前半
年齢階層別に賃金を確認すると、建設業のピークは50~54歳であることが分かりました。製造業などより賃金のピークが早く到来するのが特徴であり、現場の管理に必要なスキルがそこまで評価されていない可能性があります。
また運輸業・郵便業でも同じく50~54歳がピークとされています。
「俺の夢」では、さまざまな工事に関する求人を掲載しております。
ぜひ一度ご検討ください。
関連記事:
国土交通省発行「建設業における賃金等の状況について」を分解:建設労働者の雇用機会や職業能力開発機会の確保
国土交通省発行「建設業における賃金等の状況について」を分解:登録基幹技能者制度①
建設・建築業界の人手不足は収入面などで現場監督にチャンス!人手不足のメリット!
当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。
編集部
建設業界の人材採用・転職サービスを提供する株式会社夢真の編集部です。
建設技術者派遣事業歴は30年以上、当社運営のする求人サイト「施工管理求人サーチ」の求人数は約6,000件!
このコラムでは上記の実績と知見を活かし、建設業界で働く方の転職に役立つ情報を配信しています。
株式会社夢真 コーポレートサイト