国は建設業界の人材確保や育成に向けてさまざまな取り組みを行っています。
そのための取り組みの一つが「魅力ある職場づくり」に関することです。
本記事では国土交通省と厚生労働省が連携して行う取り組みについて紹介します。

職場づくりの取り組み

建設業界の技能者の約1/3は55歳以上であり、他の産業と比べて高齢化が進行しているとされます。
そのため将来の建設業の担い手を確保することが急務になっています。

そこで国土交通省と厚生労働省が連携し、技能者の処遇を改善することなどによってより魅力のある職場環境に整えることが提唱されています。
これにより中長期的な人材確保や育成を進める取り組みを行っています。
この取り組みは令和2年度の予算案の概要を元に決められている取り組みです。

出典：厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けて（令和２年度予算案の概要）」

取り組みの詳細と予算

魅力ある職場づくりの具体的な内容と金額が以下のようになっています。

建設職人の安全・健康の確保の推進（1,100万円）
安全衛生経費が適切に支払われるように、安全衛生体対策の確認表などの作成、基本計画の施策の進捗状況を点検・評価などの見直しが行われます。

建設産業の働き方改革の推進（1億4,600万円）
適正な工期設定や施工時期の平標準化などによる働き方改革の推進などが行われます。

誰もが安心して働き続けられる環境整備（3,100万円）
女性活躍の推進や社会保険加入の徹底や定着などが行われます。

働き方改革推進支援助成金（仮称）による支援（72.9億円）
中小企業や小規模事業者が生産性向上とともに労働時間短縮などに取り組む場合、事業主段団体に対する支援が行われます。

働き方改革推進支援センターによる支援（91.0億円）
47都道府県に働き方改革支援センターを設置し、労務管理などの専門家によるコンサルティングや出張相談会などが実施されます。

中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業の実施（1.1億円）
安全衛生管理能力向上のための集団指導や技術研修会などが実施されます。

雇用管理責任者等に対する研修の実施（9,100万円）
雇用管理に関する基礎的な知識である「基礎講習」や「コミュニケーションスキルなど向上コース」などが実施されます。

つなぐ化事業の実施（3,000万円）
若年者の建設業に対する理解や定着促進を図るため、出前授業や現場見学会などが実施されます。

労災保険特別加入制度の周知広報等事業の実施（1.1億円）
周知広報や安全衛生教育、巡回指導などが実施されます。

建設業における墜落/転落災害等防止対策推進事業（1.3億円）
墜落・転落災害の防止対策など専門家の診断の実施などが行われます。

建設事業主等に対する助成金による支援（61.8億円）

出典：厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けて（令和２年度予算案の概要）」

人材確保や育成のために行われる

魅力のある職場づくりを行うことで、これからの建設業界を担う人材の確保や生産性の向上などが期待できます。
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