建設業者とは建築や土木など建設に関する工事を請け負う業者のことをいいますが、その業種は29種あり、さらに2種の一式工事と27種の専門工事に分けることができます。今回はそれぞれ業種について簡単に解説します。

【建設業者における】2種の一式工事とは

一式工事には、土木一式工事業と建築一式工事業とがあります。
土木一式工事業とは、元請業者による企画や調整、指導のもと、複数の協力業者が施工する大規模で複雑な土木工作物を建てる工事を指します。
建築一式工事業とは、元請業者による企画や調整、指導のもと、複数の協力業者が施工を担当する、大規模で複雑な建築物を建てる工事を指します。例えば、住宅を一棟建てる場合なども該当します。
これらの工事業は通常元請けとなる業者が対象です。各専門工事を総合的に管理し、土木工作物や建築物を建てる工事が該当します。
また、これらの工事を請負うには、建設業法第3条に基づき建設業の許可が必要です。
通常、一式工事も次に解説する専門工事も建設業の許可が必要となりますが、建築一式工事については工事規模（※）によっては、必ずしも建設業の許可を受けなくとも良いとされています。
※建設業の許可を受けなくとも良いとされている工事……工事1件の請負代金の額が1,500万円未満、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

【建設業者における】27種の専門工事

専門工事は以下の27種類が該当します。

• 大工工事業：大工、型枠、造作工事など
• 左官工事業：壁土や漆くい、モルタル、繊維などをこて塗りしたり貼り付けたりする工事
• とび／土工工事業：足場の組立てや鉄骨などの組立てなど
• 石工事業：石材を加工したり積方によって工作物を築造したりする工事
• 屋根工事業：屋根ふきをする工事
• 電気工事業：発電、変電、送配電設備などを設置する工事
• 管工事業：冷暖房や空気調和など、金属製などの管を使った設備の設置
• タイル／レンガ／ブロック工事業：レンガやコンクリートブロックなどを使って工作物を築造する
• 鋼構造物工事業：鋼材を加工したり組立てたりして工作物を築造する
• 鉄筋工事業：鋼材を加工、接合、組立てる工事
• ほ装工事業：地盤面を舗装する工事
• しゅんせつ工事業：河川などの水底をしゅんせつする
• 板金工事業：金属の薄板などを加工して工作物に設置する工事
• ガラス工事業：工作物にガラスを設置する工事
• 塗装工事業：塗装や溶射などを行う工事
• 防水工事業：モルタルやアスファルトなどを使って防水を行う工事
• 内装仕上工事業：建築物の内装を仕上げる工事
• 機械器具設置工事業：機械器具の組立てて工作物の建設、取付けを行う工事
• 熱絶縁工事業：熱絶縁をする工事
• 電気通信工事業：有線、無線の電気通信設備などを設置する
• 造園工事業：庭園や公園、緑地などを築造する工事
• さく井工事業：さく井機械などを使ってさく孔、さく井する
• 建具工事業：工作物に建具などを設置する工事
• 水道施設工事業：上、下水道の処理設備、施設を設置する
• 消防施設工事業：火災警報設備などを設置する工事
• 清掃施設工事業：ごみ処理やし尿処理のための施設を設置する
• 解体工事業：工作物の解体を実施する工事

多岐にわたる建設業

建設業は多岐にわたります。それぞれの工事を請負うことには、建設業の許可が必要です。
また、建築士や施工理技士など建設業許可を受けるのに必要となる資格もあります。
これらは一式工事、専門工事と請負う工事によって変わりますので、種類だけでなく、その内容についてもしっかり押さえておきましょう。

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