GENBA★WALKERその13
【鉄骨造の躯体工事】
今回は鉄骨工事の4回目として、前回に引き続き高力ボルトの種類や締め付けの流れについて説明致します。
1.高力ボルトの種類について(図1)
締め付ける部材からボルトの余長(ねじ山の出)は、長すぎても短すぎてもいけません。高力ボルトの長さは、高力ボルトの種類毎にサイズで決まっており、適切な長さのボルトを使わなければなりません。
①代表的な高力ボルト
■ トルシア型高力ボルト
トルシア型高力ボルトは電動レンチで締め付け、ボルト尾部につかみ部(ピンテール)を有し、所定の締付け力に達するとピンテールが破断し、適切な締付け値になった事を目視で確認できるように作られている。
■ JIS高力六角ボルト
JIS認定の高力ボルトで、トルクレンチで締付け張力を確認する。締付け忘れが無いように、マーキングをして本締め後にマーキングのずれを確認する。
②高力ボルトのサイズと長さについて
2.高力ボルトの締付け
本締めは、施工箇所に対する高力ボルトの仕様(ボルトの長さ、材質、呼び径など)を確認する。ボルトの施工手順は、一次締め、マーキング、本締め、本締め後の検査の順で行います。高力ボルトの品質を確保するために、1日の作業量を考えて本締めまでは1日で終了させる事が重要です。
①一次締め :所定のトルク値でナットを締め付ける。
②マーキング
一次締めが終わったボルトのマーキングは、ボルト、ナット、座金、母材にかけて行う。
③本締め
トルシア型高力ボルトは専用の締付け機を用いて、ピンテールが破断するまで締付ける。
④本締め後の検査
マーキングのずれを確認し、とも回り、軸回りの有無、ナット面から出たボルトの余長などを確認する。
◆ワンポイント・締付け順序について◆
鉄骨を平面的にみたときに、中央から外周部へ向けて締付けていきます。また、箇所ごとの一群の締付けについても、中央から周辺へ向けて締付けます。
理由:締付けによるひずみを周辺に逃がしながら、締付ける為です。
今回の講師は・・・
夢真ホールディングス 人材開発部 田村 憲章 課長代理
編集部
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