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公開日時 2018.08.20
最終更新日時 2022.04.06

工務店とハウスメーカーの違いとは?それぞれの特徴や選ぶときのポイント9つ

工務店とハウスメーカーは何が違う?

これから注文住宅で家を建てようと思ったとき、多くの人が迷うのが「工務店とハウスメーカーのいずれにお願いすればいいのか」です。

工務店とハウスメーカーの特徴は違い、それぞれに良さがあります。どちらに建築を任せればよいのかという質問に対する正しい答えはないので、家を建てる人が工務店とハウスメーカーについて違いを具体的に知らなければいけません。

この記事では工務店とハウスメーカーのそれぞれの特徴や強みの違いを解説します。希望の家づくりの参考にしてください。

工務店の特徴とは?

工務店は一般的に地場に強く、地域密着型の企業に対して呼ばれることが多いようです。
ハウスメーカーより狭い範囲に絞り施工を行っています。
小規模な企業がほとんどで、協力業者などを使わず自社で直接施工されることが多いです。
その分余計な経費がかからないため、ハウスメーカーよりも低価格で施工できます。
また同じ工務店でも、各地域でフランチャイズ加盟店になるスタイルもあります。
本社で一括して仕入れた資材を使うので、コストがカットできるのが特徴です。
また他の加盟店と技術などの情報共有ができるので、新しい工法やデザインなどを次々と取り入れることができます。

地域密着型

工務店は地域密着型の小規模な企業が多く、全国規模のハウスメーカーとは違い地域を限定して建築を請け負っています。

工務店はその地域の特徴をよく知っているため、建てた後の生活のイメージをしやすい傾向にあります。

例えば、冬に強い風が吹く、ゲリラ豪雨で水がたまりやすいところなど、地域独特の気候や地形、そして過去に発生した災害のことを知っているので、土地選びや建物の形状の参考にできます。

他にも工務店は近隣の道路の交通量や、子どもが通うことになる小中学校の情報、過去にその土地に何があったかなど、地域に根付いているからこその情報を持っています。

工務店によって特徴が異なる

工務店は比較的アイデアやこだわりが強く、そのこだわりが住宅の機能面やデザインなどに反映されやすいため工務店によって建つ家の特徴が異なります。

特に少人数で運営されている工務店や、雪が多い、台風の被害が起きやすいなど特筆すべき気候の地域にある工務店はこの傾向が強いです。例えば豪雪地域にある工務店は断熱構造に力を入れていることが多いです。

ガレージ付きの家や屋上のある家、吹き抜けやスキップフロアなど、他社にはない独自の強みをアピールする工務店もあります。そのため他の住宅との違いが目立つ、個性的な住宅を作りたいから工務店に依頼するという人も少なくありません。

ハウスメーカーの特徴とは?

ハウスメーカーは全国に支社を置く大手企業のことを指します。
住宅展示場などを展開しており、CMなども多いので一度は目や耳にするメーカーです。
ハウスメーカーの一番の特徴は、全国で同様のものを販売している点です。
工務店は施主の希望に合わせた家を一緒に作っていきますが、ハウスメーカーはすでに用意されたデザインから選びます。
自由度はやや低いですが、家を建てたあとのメンテナンスや保証が容易であり、そのための体制もしっかりしています。
また施工に伴う全体の流れがしっかりシステム化されているので、工務店よりも工期が短い傾向にあります。

経営が安定しており知名度が高い

ハウスメーカーは家を建てたあとも倒産するリスクが工務店に比べて低いといわれています。

中小企業が多い工務店とは違い、ハウスメーカーは大規模な会社で知名度も高いです。そのため継続して顧客が獲得しやすく、それを踏まえて経営基盤も安定しています。

基本的に引き渡し後のアフターフォローやアフターメンテナンスはどの建築会社も保証していますが、この保証は建築会社が倒産しないことが大前提となっています。

建物は一品生産なので建てた後に大小様々なトラブルが発生します。中には雨漏りなど、改善費用が建築会社負担で良かったと思うほど高額なトラブルもあります。

経営が安定していることは、家を建てた後の大切な備えです。建物の保証期間は10年間のものが多いので、家を建てた後の10年間は何のトラブルもなく安定した経営が望める建築会社が望ましいです。

新しい技術を取り入れている

近年の日本の住宅技術の進歩は科学や医療の発展に負けておらず、素材から建築技術まで最先端で作られた家は快適で高性能です。

大手ハウスメーカーは巨額を投じて住宅技術の研究をし開発した、新しい技術を現場で取り入れています。また、工務店もハウスメーカーが開発した技術を学んで施工します。

住宅技術は住まいのプロが生活者の立場に立って開発したものです。

例えば、住宅技術で生まれた新しい素材は、従来の素材に比べて環境性能が高くエネルギー消費を節約できます。段差をなくす技術や安全かつ簡単に開閉できるドアを作る技術は、福祉や介護といった社会的な問題を解決する可能性があります。

工務店とハウスメーカーの違いとは?

ハウスメーカーと工務店の大きな違いは会社の規模です。

全国展開しているハウスメーカーは大企業であり、地域密着型の工務店は中小企業が多いです。どちらに依頼するのかは、基本的に「施工主が建築会社に何を望むか」で決まります。

ハウスメーカーと工務店の違いを、施工の精度、工期の長さ、アフターメンテナンス、間取りの自由度、金額、手続き、品質の信頼度の7点で比較検討してみました。

工務店とハウスメーカーの違い1:施工の精度

ハウスメーカーの施工の精度は常に一定の水準です。ハウスメーカーの場合は建築資材の加工や組み立てを現場で行わず、工場で各パーツを完成させてしまうからです。

一方で、工務店の場合は担当する職人の腕次第です。建物の基本を大工さん1人だけで作るケースも少なからずあり、同じデザインの建物でも担当する職人の技術力や熟練度によって仕上がりに違いがでてしまいます。

一概にどちらがよい、悪いとは言えないので、施工主のニーズによってどちらに依頼するかを見極める必要があります。

工務店とハウスメーカーの違い2:工期の長さ

ハウスメーカーの住宅の施工スケジュールはシステム化されているため、工期はハウスメーカーの方が短い傾向にあります。

工期が短いことは施工主のメリットになります。

まず費用の節約ができます。

建築に関わる工事業者にかかる人件費などを安く抑えられます。また、住宅を建築中の施工主の仮の住まいであるアパートなどの家賃総額を少なく抑えることができます。

次に家の完成時期がある程度決まっていれば、新居での生活の計画が立てやすいです。工務店はハウスメーカーと違い工事の進み具合によって予定の変更が多々あるので、計画よりも遅い完成になる傾向にあります。

「子どもが小学校に入学するまでに入居したい」や「結婚式の翌日に入居したい」というように入居のタイミングが限定されている場合、ハウスメーカーの方が余裕をもった家づくりが可能になります。

工務店とハウスメーカーの違い3:アフターメンテナンス

品確法で定められた建物の保証期間は物件の引き渡し日から10年間です。

工務店はほとんど法律で決められた最短の10年保証をしていますが、ハウスメーカーのアフターメンテナンスの保証期間は10年より長いことがあります。

工務店と違いハウスメーカーの保証が長いのは、品質の良さのアピールの他に、建物の値段が高く2~3世代での活用を視野に入れている人が少なからずいるからです。

また、アフターメンテナンスは建築会社が倒産していないことが前提です。

そのため、アフターメンテナンスをやってくれるという信用はハウスメーカーの方が高いです。経営が安定していて信用が高いハウスメーカーの方が、家を建てた後に倒産するリスクが低いからです。

工務店とハウスメーカーの違い4:間取りの自由度

ハウスメーカーの住宅は既存のデザインから選ぶことになるため、間取りの自由度は工務店の方が高いです。間取りへのこだわりが強い場合は工務店の方が良いです。

但し、既存のデザインから選ぶといっても基本は組み合わせなので、ハウスメーカーで作る場合もある程度間取りを変更できます。

ハウスメーカーで作る家はあまり違いが分からないという意見もありますが、それはデザインの大元に多くのユーザーの声があるからです。

実際に使っている人の感想、家事の導線や家族の動きなどを分析して作られた使い勝手の良い間取りはどれも似通った、違いの目立たないデザインになる傾向にあります。

そしてそれは大多数の家族によって使いやすい間取りということになります。

工務店とハウスメーカーの違い5:金額

工務店はハウスメーカーに比べて低価格で施工できます。

デザインや標準仕様のあるハウスメーカーとは違い、工務店はデザインや仕様の自由度が高いため、いろいろなところでコストカットができるからです。

例えば、バスルームやトイレなどの水回りの設備の違い、キッチンの機能の違い、エクステリア機能の違いで建築費用には大きな差が生まれます。

また、工務店の請負費用がハウスメーカーよりも安いのには、工務店は自社で直接施工することも関係しています。

ハウスメーカーは基本的に建築を契約している下請け(工務店など)に依頼するため、中間の手数料が発生してしまい、仮に同じ内容の施工でも請負費用は高くなってしまいます。

工務店とハウスメーカーの違い6:手続き

多くの人が家を建てるときに住宅ローンを組みますが、建築を請け負う会社がハウスメーカーか工務店かによって違いがあります。この違いにより審査の結果やローンを組める金額に影響がでます。

ハウスメーカーと工務店の違いでの優遇は基本的にありませんが、工務店の場合は担保力の信頼性がやや劣ることがあります。

例としては、住宅ローンを組もうとしている金融機関がまだ扱ったことがない工務店です。信頼できるかどうかが判断できないため、ローン審査では厳しくなる傾向があります。

住宅ローンは建てた家を担保にして借りるため、建物の価値や建てた建築会社が健在かどうかが重要になります。この点においてハウスメーカーは信頼されやすいですが、中小企業である工務店の信頼性は劣ってしまう場合もあるというわけです。

工務店とハウスメーカーの違い7:品質の信頼度

前述しているように、ハウスメーカーの場合は常に一定の品質のまま均一の性能で住宅が仕上がります。

工務店と違い、ハウスメーカーは建築資材の加工や組み立てを工場で行い建築現場では行わないため、天気が悪い日が続く時期でも資材は傷まず品質が保たれます。

また、工場生産される製品の品質は複数の人がチェックします。そのため、現場で作業する人、ひとりが作ったものとは違い、安定した安心できる品質に仕上がる傾向にあります。

現場監督から見た工務店とハウスメーカーの違い

ハウスメーカーは外部業者に依頼し施工を行いますので、工務店の職人さんへ仕事を依頼することも珍しくありません。決められた材料やデザインにより、比較的短い工期の現場を担当することが多くなる可能性がある為、数多くの施工実績を積むことができます。

工務店の場合は、職人さんも全て自社に所属しているということが多く、業務間のやりとりを円滑に行うことができるでしょう。また、施工物に対する施主の希望がより自由度の高いものになる為、携わる物件によっては施工に伴う幅広い対応力を身につけることができます。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント9つ

マイホームは「一生に一度の買い物」といわれるものであり、買い慣れた人がまずいない商品です。

そのため希望する家が現実的なデザインか、正しい家の間取りとは何か、いろいろと分からないことが多く、「建築会社の営業担当者の言うがままになってしまった」という人も少なくありません。

マイホームを作る建築会社はあなたのパートナーです。信頼できるパートナーを見つけるために、工務店・ハウスメーカーを選ぶポイントを9つまとめてみました。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント1:希望を親身に聞いてくれるか

希望のかなった住宅を良い住宅とするならば、希望を親身に聞いてくれる営業担当者と出会うことが大切です。

良い担当者とは一般的に知識に優れ、顧客の希望を聞き取ることができる人です。このような営業担当者は希望を聞き取り、現実的な案は受け入れ、非現実的な案には代替案を出してくれます。

顧客の気分を害さないようにと、何でもかんでも了承する人ではいけません。これは親身とは違います。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント2:ホームページの更新率は高いか

いまホームページがない会社は少ないですが、作ったことに満足してしまって「最後に更新したのは数年前」という会社のホームページは建築業界にかかわらず社会にたくさんあります。

この「とりあえず作った」感満載のホームページの会社は、管理が苦手・できていない会社であることも多々あります。

ホームページの更新率から企業の責任感が分かります。責任を持つ姿勢の有無次第で、商品の保証や、アフターフォロー体制に大きく影響がでるかもしれません。

ホームページの更新率が低く、不定期に更新されるホームページを管理している会社は責任感が低く、仕事の意識が低い会社である可能性もあります。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント3:希望に対する実現への期待が高いか

工務店・ハウスメーカーを選ぶときはその会社が過去に手掛けた住宅を見て、自分たちの希望を実現できる期待が高いかどうか判断すると良いです。

最初に作ったものよりも二度目に作ったものの方が上手というように、希望するマイホームのデザインに似た建物を過去に建てた実績がある会社に依頼することは、マイホームの施工の精度に大きく関わります。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント4:見学会を開催しているか

工務店・ハウスメーカーを選ぶときには過去の実績を知ることが必要で、その1つの手段が住宅の見学会です。

見学会を催している会社は「自社の作品(住宅)に自信がある会社」と評価できます。

最近では完成した住宅の中を見て回る住宅の見学会の他に、地盤改良の現場を見られる見学会や、構造現場を見られる見学会もあります。

地盤改良と構造の2つは住宅にとって大切な耐久性にかかわるポイントであり、現場を見学することで、口頭で説明されるのとは段違いに安心感や信頼感が増します。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント5:建築事例があるか

工務店・ハウスメーカーを選ぶときは建築事例で比較すると良いです。

建築事例を見ることでその会社の得意なデザインを知ることができます。精度の良い住宅を望むならば、そのデザインが得意な会社に依頼すると良いです。

またいろいろな家のデザインを見ることで、マイホームのデザインがより広がり、より具体的になることが多いです。

建築事例は過去にその建築会社が建てた家なので、実際に今住んでいる人の使い心地(メリット・デメリット)を確認することもできます。実際の使用感は「便利だと思う」というイメージよりも具体的であり、正確です。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント6:口コミを公開しているか

工務店・ハウスメーカーを選ぶときには口コミの公開・非公開を確認しましょう。

口コミ評価を嫌がる企業も少なくありませんが、たくさんの口コミを非公開としている場合はトラブルを隠している可能性があります。

基本的に何でも口コミは比較的悪い評価の方が多くなります。

口コミは企業側が運営サイトに申し出て消去することも可能です。そのため良い評価が多いからいい会社とは判断できないことがあります。

以上のことから、口コミはその内容もさることながら、悪い評価の口コミに対する企業の対応も確認した方が良いです。

悪い評価の口コミに対して正面から対応しない会社は、建てた後にトラブルが起きても対応が悪くなる可能性があります。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント7:メンテナンスが充実しているか

住宅では建てた後のメンテナンスやアフターフォローが重要です。一品生産の住宅は建築後約2年間でいくつか不備が発生しがちです。

そのため、初めの2年間のアフターフォローの体制が細かく整っている会社は信用できます。この点においてハウスメーカーと工務店の違いはありません。

「建てた後も安心」は営業担当者が必ず言うことです。施工主が長く使うことが前提だからです。

そのためいろいろなフォロー体制を述べますが、アフターフォローの、特にメンテナンス項目は口約束ではいけません。

長期間のことになるので、トラブルを防ぐためにも建築依頼の前に交わす契約書の書面にその点が明記されているかどうか確認を忘れないようにします。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント8:住宅完成保証制度に入っているか

工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には住宅完成保証制度に入っているかどうかも視野に入れておきましょう。

住宅完成保証制度とはその名の通り住宅の完成を保証してくれる制度で、依頼していた工務店やハウスメーカーが倒産などで施工ができなくなってしまったときに最小限の負担で住宅を完成するようにサポートしてくれます。

事業所としてこの制度に登録するために行為能力や技術能力などの審査がありますので、信頼性も高くなります。この制度に入っているかどうかをホームページや、事業所に問い合わせるなどして確認をしておくと安心です。

工務店・ハウスメーカーを選ぶポイント9:有資格者の数が多いか

工務店・ハウスメーカーを選ぶ時に、建築士や建設施工管理技士などの有資格者数が多いかどうかも視野に入れましょう。

建築関係の資格は、一級建築士や建築施工管理技士などの国家資格の他に、民間資格も含めると実に27以上もあります。

やはり有資格者が多く勤務していると専門的知識が豊富ですので信頼性も高くなり、安心感も生まれます。ホームページなどインターネット上で簡単に検索できますので、有資格者数も調べておきましょう。

工務店とハウスメーカーの違いや強みを理解しよう

国土交通省の資料によると、2019年の新設住宅着工戸数は約90.5万戸となっています。
着工した住宅それぞれに施主の希望があり、その内容は様々です。
ご紹介した2種類の住宅会社は、その希望に応えることのできる強みをそれぞれ持っています。

施工物に関わる建材の種類、品質などに強いこだわりがあり、自由度を求めるのであれば工務店を利用するのが良いかもしれません。
一方で、幅広い事業規模に伴う様々な実績・ノウハウを持つこと。システム化され、利便性の高い体制に魅力を感じるのであればハウスメーカーを利用してみてもいいでしょう。

また、現場監督の側としてそれらの企業への就職・転職を考えたとき、特定の地域での就業や貢献を行いたいのであれば工務店を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
全国規模で活動したい、早い工期を活かし数多くの実績を作りたいのであればハウスメーカーが選択肢に入るかもしれません。

ご紹介したものは一例であり、その他にも各企業の強みはあります。
人によって何を強みとするかは異なりますが、工務店・ハウスメーカーについて何かしらの判断をする際の参考にしてください。

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