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公開日時 2018.11.08
最終更新日時 2022.04.06

【資材を学ぶ⑩】日本は紙文化が発展

日本では独自の紙文化が発展してきたことにより、障子や襖が作られました。
現在でも和風建築には障子と襖は欠かせません。
障子や襖は重厚な外観だけでなく実用面でも優れた性質を持っています。
では、日本の紙文化と建築との関係について見ていきましょう。

障子や襖の歴史

紙は7世紀ごろ日本に伝わった

襖や障子は紙を材料として作られていますが、紙そのものが日本に伝わったのは7世紀ごろです。
中国から伝わりました。
伝わったばかりのころの紙は麻を原料としていましたが、次第に日本原産の植物を原料として作るようになり、和紙が発展していったのです。
和紙は軽くふんわりとしている上に、破れにくく丈夫という特徴がありました。
汎用性が高かったため、障子や襖という形で建築資材としても使われるようになったのです。

平安時代

障子や襖は、平安時代に入ってから、主に貴族の間で普及していきました。
障子や襖がなかったころには、建物の内部を仕切るものがなく、広間様式になっていたのです。
仕切りが必要なときには衝立や簾などを使用していました。
平安時代の貴族の邸宅は寝殿造りという建築様式で、内部には丸柱が多く立っています。
障子を使用することで、小さな部屋に区切ることが可能になりました。
寝るときに使用する部屋には襖で区切っていたそうです。
そして鎌倉時代以降は、貴族や公家だけでなく武家の邸宅でも障子や襖が使われるようになりました。

障子や襖の優れた点

現在の住宅で外の空間と仕切るために使われている障子は、窓ガラスと併用している場合がほとんどです。
障子の戸があれば、直射日光と外部からの視線を遮る役割を果たすとともに、採光もできます。
障子紙は吸湿性と断熱性に優れており、冷暖房を使用する際にも役立つでしょう。
また、障子は古くなったら簡単に張り替えられます。
襖は主に部屋と部屋を仕切る際に用いますが、取り外せば2つの部屋を繋げた大広間としても使用できます。

絵が描かれている襖は芸術品として楽しむこともできるでしょう。
また、和襖なら障子と同様に吸湿性と断熱性が高いです。
和襖というのは、枠と中子からできていて和紙を使用して作られている襖を指します。
糊は周囲のみに使用し、釘を使用して下地を固定している作りです。
ビニールやプラスチックなどの材料は使用していません。
これに対して量産襖というものもあり、外見は和襖とあまり変わりませんが、ビニールやプラスチックなどの原料で作られています。
そのため、和襖のような吸湿性と断熱性はありません。

外観が美しく実用面でも優れている

日本では独自の紙文化が発展していたため、障子や襖という形で、紙を建築資材として使用していました。
障子や襖は、外観が美しく実用面においても優れていることから、現在でも和風建築に用いられます。
最近ではガラス障子や量産襖などを使用するケースも多いですが、和紙を使用した障子と和襖ならより和風建築らしい雰囲気に仕上げられるでしょう。

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