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公開日時 2018.10.12
最終更新日時 2022.04.06

GENBA★WALKERその7

【鉄筋工事のポイント その3】
前回の現場ウォーカーでは、鉄筋工事における鉄筋の組立について紹介しましたが、今回は鉄筋工事のポイント③として、『圧接工事』について解説します。

1.圧接工事とは
鉄筋を継ぐ部位を継手と言いますが、圧接工事とは継手工法の一種で、種類としてはガス圧接や機械的な接合方法があります。機械的な接合方法とは、鉄筋どうしを機械的な圧力や接着材などでつなぎ合わせる方法です。
今回は一般的なガス圧接工事について、管理のポイントを説明したいと思います。

2.ガス圧接とは
電動油圧ポンプを使用して鉄筋と鉄筋を圧密着させ、アセチレンガスと酸素をつないだバーナーであぶり、継ぐ工法の事を指します。梁や柱の主筋の継手として一般的です。

3.事前準備
ガス圧接は火を使う作業なので、火災に注意する必要があります。消火器を用意するとともに、火の粉が周りに飛び、型枠や他の資材などに燃え移らないようにする必要があります。燃えやすいものが周囲に無いか、事前に確認をする事が大切です。
圧接工は有資格者が行うので、資格証明書で確認をしておく事。圧接する鉄筋径によって、資格のグレード(1種~4種※)が異なるので注意が必要です。
※1種:D25以下 2種:D32以下 3種:D38以下
4種:D50以下

4.継手の位置
継手はどこでつないでも良い訳では無く、構造仕様書に従ってつなぎます。鉄筋業者は、鉄筋のつなぐ箇所を計画した鉄筋配筋図を作成し、組み立てます。圧接箇所が1列に並ぶと、そこに応力が集中してしまう為、継手位置を交互にずらして(千鳥にずらして)圧接することが必要です。(図1)

図1 圧接位置は千鳥にする

5.圧接の検査基準
圧接の引張試験では試験体の両端を引っ張ったときに、圧接部では無く、母材が先に破断することが求められます。従って、圧接部には欠陥が無く接合されて、母材以上の強度が求められます。

① 圧接部のすきま
鉄筋どうしをつき合わせた際に、圧接面に隙間が無いことが基本です が、すきまの許容範囲は3mm以下とします。
② 圧接部の膨み
圧接部は、鉄筋径よりも太くなっています。圧接部が強度を出すため に、その形状には基準があります。膨らみの幅は鉄筋径の1.4倍、膨ら みの長さは鉄筋径の1.1倍以上となっている必要があります。径が異 なる場合は細い方の鉄筋径を基準とします。
③ 圧接部の偏心
鉄筋どうしの芯がずれて(偏心)圧接されてしまうと強度が出ない為、 偏心は鉄筋径の1/5以下でなければなりません。

<管理のポイント>
・圧接部分が偏心したもの、ひび割れや変形が著しいものは、切り取って再圧接する。
・軽微な膨らみ不足、折曲りは、再加熱して修正する。
・降雨・降雪または強風のときは、圧接作業を中止する。ただし風よけ、覆いなどの設備を施した場合は、作業ができる。
・鉄筋の種類が異なる場合、形状が著しく異なる場合、および径の差が5mmを超える場合は圧接しない。


今回の講師は・・・
夢真ホールディングス 人材開発部 田村 憲章 課長代理

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