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鉄筋圧接部の外観検査基準3つ|有害と認められる欠陥の基準も解説

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公開日時 2023.02.21 最終更新日時 2023.02.21

圧接とはどのような作業のこと?


圧接とは圧力と熱を加えて鉄筋を接合する方法のことを言います。
溶接の一種で、金属の表面を密着させ、熱と圧力を加え金属融合させ接合します。
鉄筋コンクリート造において建物の梁柱を作る重要な作業です。

建築現場ではガス圧接が主な工法です。
鉄筋と鉄筋を圧密着させ、ガスバーナーであぶり接合します。
施工には免許が必要です。
ガス圧接技量資格検定と呼ばれるもので、1種から4種までがあり、公益法人日本鉄筋継手協会が主催です。
この資格は構造物には鉄筋が多く使われることから、建設現場における鉄筋継手の施工品質の確保を目的として開催されています。

出典:ガス圧接技量資格|公益社団法人 日本鉄筋継手協会

圧接の技量資格による作業範囲

ガス圧接を行うためには技量検定試験に合格し、技量資格者として認定されなければいけません。
試験を受けるには受験資格が必要です。

ガス圧接技量検定は、「手動ガス溶接」「熱間押抜ガス溶接」「天然ガス圧接」「高分子天然ガス圧接」「水素エチレン混合ガス圧接」と種別され、さらに1種から4種のレベルに分けられています。

熱間押抜ガス溶接など他の検定はさらに別の受験資格の保有が必要となるでしょう。
それぞれレベルにより作業範囲が定められており、扱える鉄筋の種類や鉄筋の径が定められています。

圧接の検査方法とは

品質保証を図るために、ガス圧接部の検査を行います。
検査は4つの方法で行われます。

目視や簡単な器具を用いて圧接部の膨らみや鉄筋中心軸の折れや曲がりがないか調べる外観検査がまず行われます。
目視による判定が困難な場合には測定器具を使い再度測定です。
基準に達しない場合には、再加熱や再圧接による補正や、圧接した場所を切り取り、再度圧接作業を行う必要があります。

さらに、非破壊検査として、超音波探傷法と熱間押抜法、破壊検査の引張り試験があります。

外観検査で調べるのは「圧接部のふくらみの直径」「ふくらみの長さ」「圧接面のずれ」や「偏心量」「折れ曲がり」「片ふくらみ」などです。
さらに内部の破損は非破壊検査と破壊検査にて行われます。

【3種類別】圧接作業の手順と検査基準


鉄筋は一般的に鉄筋を製造した工場にて一定の長さに切断されたのち、建設工事現場に搬入されます。
そのため、鉄筋を組み立てる際、必要な長さに達しない場合には、現場にて鉄筋をつなぎ合わせる「鉄筋継手」を行います。
この時利用する工法が「圧接」です。
圧接にはいくつかの工法があります。
ガスを用いて圧縮を行うガス圧接継手は一般的な工法として工事現場でよく使われる工法です。
接合面に熱と圧力を加えたり、溶融させて鉄筋を接合する溶接継手と言い、また、圧接や溶接以外で継手をする機械式継手などあります。

いずれも決まった検査基準があり、目視や測定治具にて確認する外観検査や超音波探傷検査や引張検査などを行い、強度が基準に達しているかなどを確認します。

1:ガス圧接継手の場合

ガス圧接は鉄筋の端を合わせ、その周辺をガスにて加熱し、同時に圧縮力を加えて加圧します。

1.圧接する面を直角かつ平滑に切断します。
2.鉄筋に圧接器を取り付け、圧接面の隙間や偏心、曲がりがないことを確認します。
3.圧接する鉄筋に加圧をし、さらに圧接面同士が密着するまで加熱します。
4.圧接面同士が密着したのを確認した後、軸方向に適切な圧力をかけながら、鉄筋の中心部と表面の温度差がなくなるように十分に加熱します。
5.加圧、加熱作業が終了した後は、加熱部分の火色が完全に消えてから圧接器を外します。

検査基準は、ふくらみの直径、長さは基準以上、圧接面のずれや鉄筋中心軸の偏心量などは基準以下となっていることを目視にて検査します。

2:溶接継手の場合

溶接継手とは接合面に熱や圧力を加えたり、溶接棒と鉄筋の端部分を溶融させたりして鉄筋を接合する方法です。

1.支持機を固定側の鉄筋に固定します。
2.継ぐ左右の鉄筋を合わせて、軸心のずれ、角折れを調整します。
3.ルートの間隔の調整を終えたら、仮付け溶接を行い、溶接電流や電圧を調整します。
4.ガスフードを使用して本溶接を仕上げます。
5.溶接部分の火色が消失したら、支持機を外します。

検査は外観検査員による全数検査、第三者機関による受け入れ検査による超音波探傷検査または引張試験を行います。
外観検査では、偏心、角折れ、余盛高さなど基準の範囲内かなどを目視及び測定治具にて検査します。

3:機械式継手の場合

機械式継手は圧接や溶接以外の方法で継手をする方法で、鉄筋と鉄筋を機械的に継手します。
カプラーとスリープを使い、モルタルを注入し、鉄筋同士をつなぎます。
コストが高いですが、天候に左右されることなく、また、特殊技能が必要なく施工も簡単です。

1.鉄筋にカプラーを合わせ、カプラーを回転させながらあらかじめマーキングした位置に合わせます。
2.注入孔よりグラウト剤を入れ、両端から溢れ出したことを確認して完了です。

外観検査ではカプラーに有害な損傷がないことなどを目視にて確認します。

圧接部の外観検査基準3つ

圧接部の外観検査基準3つ


外観検査は目視による観察や簡単な器具を用い、圧接部のふくらみが適正か、鉄筋中心軸の偏心や折れ曲がりがないかを測定します。
外観検査には合否判定基準があり、その基準に達しない場合には、再加熱、再圧接による補正や、鉄筋を切り再び圧接を行うなどの修正を行わなければいけません。

まずは目視にて確認を行い、測定が難しい場合には測定器を用います。
外観検査では圧接部全ての治具を用いて全数検査するのが原則ですが、実際は目視にて確認した後、特に必要と認められたものは測定器を使い計測します。

1:圧接部のふくらみの基準

圧接部ふくらみの直径は専用の測定器で計測し、該当鉄筋径の1.4倍以上、ふくらみの長さは1.1倍以上で合格としています。
この基準より少しでも細すぎたり小さすぎたりすると、規定に反します。
外観検査のみでなく、ふくらみの内部の検査も超音波や引張などの試験方法で行われます。
他にも、圧接面のずれや鉄筋中心軸の偏りなども検査の対象です。

ふくらみの状態を良くするということは強度を確保することであり、鉄筋間の加圧・加熱・圧接の時間の3つの条件が整うことが必要とされています。
しっかりと接合した鉄筋の圧接部を加熱することで双方の金属の原子は活発に動き始め、赤熱状のふくらみが生じる最終過程のころ双方の原子は結合します。
これらの原子はふくらみの状態を保ったまま結合していくため、接合部は強固なものとなります。

2:圧接部の折れ曲りの基準

圧接部の折れ曲がりの基準は2°以下とされます。
圧接部の折れ曲がりは、偏心が発生した場合や圧接器の取り外しが早すぎた場合などに起こります。
圧接部の折れ曲がりは応力伝達上好ましくありません。
また、鉄筋の納まりも悪いです。
折れ曲がりの修正は、折れ曲がりが3.5°以上あった場合に再加熱、再加圧にておこないます。

3:圧接部における鉄筋中心軸の偏心量の基準

偏心量の基準は鉄筋径の1/5d以下です。
異なる径の鉄筋を表す場合には、細いほうの径の1/5d以下とします。
偏心量が基準を上回る理由は、鉄筋の右左の径の違いや鉄筋同士の長さに余裕がない時に起こります。
また、鉄筋がずれることでも偏心がずれます。
鉄筋中心軸の偏心は応力伝達上、好ましくありません。
偏心量が基準を下回る場合には圧接した部分を切り取り、再圧接しなければなりません。

圧接で有害と認められる欠陥の基準


圧接で有害と認められるのは、ふくらみ不足や折れ曲がり、偏心のズレ以外にもあります。
加熱による著しい焼き割れや、へこみ、垂れ下がりなどがそれに当たります。
これらはないものとしなければいけません。
焼き割れとは、熱しすぎて鉄筋が熱に耐えられず割れてしまう状態、同じくふくらみ部分にへこみが生じてしまうことです。
垂れ下がりは、熱することで鉄筋がとけ、雫が垂れ下がってそのまま凝固した状態をいいます。

そのほか、圧接器の締め付けボルト傷も有害な欠陥として認められます。
鉄筋のリブ状の締め付けボルト傷やその他の深い締め付けボルト傷を起点として脆弱になりやすく、破損を起こしやすくなるでしょう。

圧接部のふくらみは縁の下の力持ち


建築現場では、建設資材の鉄筋接合にしても、優れた技術と細かい規定によって支えられているということがわかります。
建造物を内部から支える鉄筋やその鉄筋を強固につなぐ圧接の技術は、建築作業を安全に進めるためには不可欠です。

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