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公開日時 2020.03.05
最終更新日時 2022.04.06

【地震が起きたとき施工管理技士が覚えておくべき危険・知識】建造物の倒壊

世界的にみても大きな地震が多い日本では、建設工事を行う際にも地震の想定をしておくことが求められます。
地震の被害として、すぐに考えられるのは建造物の倒壊です。
今回は、工期中に地震が起こった場合にどんなことが起こり得るか、また被災しても倒壊しない建造物をつくるために必要なことについて説明していきます。

建設現場における建造物の倒壊の危険性


建設現場で地震に遭った場合、地震の規模次第では建設中の建造物が倒壊する危険があります。
そういった場合、なによりも重要なのは落ち着いて行動することです。
そのためには、最悪の事態を頭に入れておく必要があります。

想定される建設工事中の地震被害として、いくつか例を挙げてみます。

  • 地震の揺れによって地盤が崩れ、建設中の建造物が倒壊・崩壊する。
  • 隣接する建物との衝突が起こる。
  • 接合部がはずれて未完成部分の部品が外れて落下する。
  • 作業中の作業員の落下。 等

以上のことを踏まえ、日頃から備えられることを考え、準備しておきましょう。

また、地震大国の日本では、建物に対する規制が厳しいのが特徴です。
建物が倒壊した場合、作業員のみならず周辺の住民や歩行者にも被害が及びかねません。
ですから、ある程度の地震には耐えられる建物を設計し建築する義務が、「建築基準法」により定められているのです。

建造物が倒壊する地震の規模とは

建造物が倒壊するほどの地震の規模とは、どのくらいのものでしょうか。
1981年6月に施行された現在の「新耐震基準」は、もともとの「旧耐震基準」よりさらに厳しい設計条件が建築される建物に課されたものです。
それまでは震度5程度の地震までが倒壊防止ラインの構造基準が設けられていましたが、新耐震基準では震度6強から7程度まで引き上げられています。
実際、平成に入ってから起きている震度5~6弱程度の地震では建物が損傷を受けることはほぼないとされています。

では、実際の震度7級の地震で、本当に新耐震基準の建物の被害はなかったのでしょうか。
2016年の熊本地震では、旧耐震基準(昭和56年5月以前)に則った木造建築物の倒壊率が28.2%でした。
その後、耐震基準が新しいものほど倒壊率は下がり、最新の耐震基準の木造建築物の倒壊率は10.9%と顕著に下がっています。
一方、新耐震基準の導入以降の鉄筋コンクリートの建築物の倒壊はありませんでした。

とはいえ、新耐震基準が建物の倒壊を100%防げるわけではありません。
熊本地震のように益城町市街地を中心に最大震度7が2回観測された場合、新耐震基準の建物であっても倒壊しています。
実際、熊本の地震では新耐震基準の木造建物83棟が倒壊しました。

建造物の倒壊があっても慌てないことが大事

今回は、建設中の建造物の倒壊について、そして地震時の建造物の倒壊を防ぐための新耐震基準について説明しました。
工期中に地震に見舞われた際には、慌てずに最善の行動が取れるようにしたいものです。
また、いざ大きな地震が来たときにも揺るがない建造物の建設に関わる身として、新耐震基準について正しい知識を身につけておきましょう。

参考:国土交通省「『熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会』報告書のポイント」

https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf

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