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鉄筋の性質と異形棒鋼の種類5つとは?鉄筋の区分や製造方法も紹介

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公開日時 2022.09.14 最終更新日時 2024.01.24

この記事では、鉄筋の性質と異形棒鋼の種類5つについてご紹介いたします。

 


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鉄筋の性質

鉄筋の性質は、物理的性質と機械的性質の2つの観点で判断されます。

複数存在する鉄筋の種類は、この機械的性質の数値で区別されているため、鉄筋が持つ機械的性質と物理的性質の各特徴を理解する必要があります。

特に施工管理技士の方は、機械的性質と物理的性質の観点から鉄筋の特徴を理解しておくことが大事と言われています。

それでは以下に、鉄筋の物理的性質と機械的性質についてご紹介していきます。

物理的性質

鉄筋の物理的性質は、「密度」と「熱膨張係数」、「弾性係数」の3つの指標で示されます。鉄筋の密度は、7.85g/c㎡です。これはコンクリートの約3.4倍の数値です。

また熱膨張係数は、10×10-6です。この熱膨張係数は、コンクリートとほぼ同数の数値です。そして弾性係数(ヤング係数、ヤング率)は、2000kN/m㎡でほぼ一定です。これは鉄筋の硬さを示す数字で、引張強度や鋼材の種類が変わってもほとんど一定の数値を取ります。

機械的性質

鉄筋の機械的性質は、降伏点や引張強度、伸び率、曲げ角度、曲げ性内側半径などによって示されます。

降伏点とは、これ以上の外力がかかると塑性変形してしまう数値のことを指します。降伏点を過ぎても力を加え続けると、鉄筋が破断します。

また引張強度とは、鉄筋が破断せずに耐えることが可能な最大荷重を示します。引張強さとも言われ、原則として降伏点より下の値を取ります。

日本工業規格によると、鉄筋コンクリートは降伏強度が235~625N/m㎡、引張強度が380~620 N/m㎡と規定されています。

鉄筋の区分

鉄筋は、丸鋼と異形鉄筋(異形棒鋼)に区分されています。

JISで規定されている材料は、丸鋼で2種類、異形棒鋼で5種類あります。それぞれで材料としての強さや表面に見られる特徴などが異なり、用途に合わせて使い分けられています。

一般的なのは異形棒鋼ですが、どちらも鉄筋コンクリートの補強用材料以外で用いられることがあります。つまり、鉄筋材料は、あらゆる建築物や建造物で役立っていると言えます。

丸鋼

丸鋼とは、表面にリブや節と呼ばれるデコボコした突起がないタイプの鉄筋です。

丸鋼の鉄筋の径はz9~z200の規定がされており、材料記号はSRから始まります。SはSteel(鋼:スチール)、RはRound(丸鋼:ラウンド)を意味しています。

SRから始まる材料(丸鋼のタイプ)は2種類あり、用途に適したものが用いられます。

しかしながら、一般的には異形棒鋼の方が主流で、丸鋼自体を見ることは比較的珍しくなっています。

異形鉄筋

異形鉄筋(異形棒鋼)は、表面にデコボコが付いたコンクリート補強用の鉄筋材料です。

このデコボコにより、丸鋼よりもコンクリートとの密着力や定着力が向上しています。デコボコは「リブ」や「節」とも呼ばれますが、「リブ」は軸方向に連なってつけられたもの、「節」は軸方向以外に付けられたものを指します。

異形鉄筋の材料記号はSDで、Sは丸鋼の項目で前述した通りSteel(鋼)ですが、DはDe-formed(異形棒鋼)を示しています。

材料の名称は、呼び名としてD10などと呼ばれることもあります。鉄筋の径の区分はD4~D51と規定されており、材料は全部で5種類あります。

丸鋼の種類

丸鋼の種類は、SR235とSR295の2つです。

SR系は、実用上はコンクリート補強用に用いられることは少ない傾向にあります。しかし、場合によっては用いられることもあるため、鉄筋について学ぶ中では1つの知識・情報としてよく登場します。

SR235もSR295も圧延マーク(ポンチマーク:作業現場で区別がつくよう材料に塗られた色)の表示は適用されていませんが、色による表示はあります。

SR235は赤、SR295は白です。作業現場で見かけた時には、片断面の色で見分けましょう。

SR235

丸鋼のSR235は、コンクリート補強用の鉄筋材料として設計された鉄鋼材料の1つです。

JISで規定されていますが、記号SRから始まるものは通常の鉄筋のような表面の凸凹(リブや節)がなく、コンクリートに対する引き抜き力は弱い傾向にあります。

丸鋼は表面がフラットなため、材料として用いられる分野は建築以外にもわたります。寸法の標準値は5.5mm~50mmです。

規定は不純物に関する内容のみで炭素量の取り決めはなく、溶接性の良し悪しに関わるCとMn(炭素当量の一種)の合算値も規定されていません。そのため、溶接性が重要な用途には不向きです。

ただし、機械的性質の引張強度には範囲の規定があります。名称にある数字235は降伏点(耐力)の最小値を示しているため、235MPa以上ということなります。

成分値の規定もありませんが、引張強さの最小値と上限が既定されています。比重の規定も規格内にはありませんが、重量計算には7.85の値が用いられています。

SR295

丸鋼のSR295は、鉄筋コンクリートの鉄筋に使用する鉄鋼材料の1つです。寸法範囲は5.5mm~50mm以内に収まります。表面にリブがないので、コンクリート以外の用途でも用いられます。

コンクリート内での定着度や引き抜きへの抵抗力は劣りますが、SR235よりも強度は優れています。

降伏点は名称通り、295MHa以上です。降伏点はそれ以上の力がかかると変形して元に戻れなくなる値のことですので、数字からしてもSR235よりも強い力に耐えられることが分かります。

しかし、コンクリート補強用の鉄筋として用いられる材料は、実用上の問題でSD系(異形棒鋼)の方が一般的です。そのため、丸鋼のSR系を鉄筋で見る機会は比較的少ないと言えます。

異形棒鋼の種類5つ

異形棒鋼は、機械的な性質の違いで5つに区別されています。

この中で一般的によく用いられているのは、SD295AとSD345です。しかし、機械的性質からして、降伏点や引張強度が双方とも優れているのはSD345で、高層の建築物に採用されることが多い傾向にあります。

同じ異形棒鋼でも、種類によって機械的性質に違いがあるため、用途に応じて使い分けます。

以下に、各異型棒鋼についてもご紹介しますので、どういった違いがあるかなど確認しておきましょう。

異形棒鋼の種類1:SD295A

異形棒鋼の種類1つ目は、SD295Aです。

鉄筋の中では一般的なグレードとして扱われており、汎用性の高さと流通性の良さに優れています。しかし、降伏点の最小値しか規定がなく範囲が不明です。

その影響で、建築用と建造物に用いる場合は崩壊メカニズムの計算がしにくいため、高層ビルなどの建築物・大型の土木工事など高強度を必要とする用途には不向きと言われています。棒の表層にリブを設けている異形棒鋼では唯一、降伏点がないグレードです。

また、炭素量が規定の成分値に含まれていないため、材料の溶接性を炭素量で測ることができません。

ただし、引張強さについては規定されています。比重の規定も規格内にはありませんが、重量計算の際は7.85の値が用いられています。

SD295A  
降伏点 295N/m㎡以上
引張強度 440~600N/m㎡
曲げ確度 180°

異形棒鋼の種類2:SD295B

異形棒鋼の種類2つ目は、SD295Bです。SD295Aとの違いが分かりにくいのですが、降伏点に関する違いがあります。

SD295Aには降伏点の範囲規定が最小値しかありませんでしたが、SD295Bでは範囲がしっかり規定されています。

鉄筋コンクリートは構造物や建築物に使うことが多いため、設計の際は破壊強度や崩壊メカニズムも含めて考える必要があります。この際に降伏点の範囲規定があるグレードは強度やメカニズムが想定しやすいため、設計時の利便性はSD295Aより上です。

しかし、市場でよく出回っているSD345の存在から、SD295Bの出番は少なくなってきています。これは、SD345がSD295Bよりも優れたスペックを持ち、さらに降伏点の範囲規定もされているためです。

SD295B  
降伏点 295~390N/m㎡
引張強度 440N/m㎡以上
曲げ確度 180°

異形棒鋼の種類3:SD345

異形棒鋼の種類3つ目は、SD345です。

鉄筋材料の中ではポピュラーな存在で、流通量は他の種類よりも多い傾向にあります。降伏点の範囲規定があるため、崩壊メカニズムなどに関する設計時の計算はしやすいです。

成分規定もされており、規定には炭素当量の炭素量とマンガン量の合算値が含まれています。この成分規定により、溶接性も相応に調整された材料と言われています。

しかし、大型の構造物や高層建築など高強度を要する用途の主筋としては強度に心配があるため、その場合はSD490が用いられます。

SD345  
降伏点 345~440N/m㎡
引張強度 490N/m㎡以上
曲げ角度 180°

異形棒鋼の種類4:SD390

異形棒鋼の種類4つ目は、SD390です。

棒鋼の鉄筋では2番目に強い鉄鋼材料と言われており、最低引張強度は560MPa以上あります。降伏点の規定で破壊強度や崩壊メカニズムの計算がしやすいこともあり、高強度が求められる建造物や建築物に用いられることも多いです。

鉄筋の性能で必要と考えられているのは、高い強度だけではありません。粘り強さを示す靭性も重要で、さらに強度面で強いタイプが必要な時には、径の太いものが求められる傾向にあります。

そういったあらゆる角度から見て、高強度の材料から適したものを選んでいきます。

SD390  
降伏点 390~510N/m㎡
引張強度 560N/m㎡以上
曲げ角度 180°

異形棒鋼の種類5:SD490

異形棒鋼の種類5つ目は、SD490です。

鉄筋コンクリート用として用いられる鉄筋の中では最も強い材料で、高強度が前提の建築や構造物に用いられます。降伏点は最低値490MPaで、鉄筋の主筋部分の強度要求が高い時には最適です。

降伏強度には下限と上限があり、その間には幅が存在します。高強度が必要な建築物や建造物ほど、下限と上限の幅は狭くする必要があります。高強度が求められる高層・大型の建物や構造物では材料の太さも相応に重要されるため、基本的にはD35以上を選ぶことが多いです。

また、コンクリート補強用としての鉄筋だけでなく、アンカーボルト(構造部分を固定する設備)として使用することも多い材料です。

強度の強さから一般的な建築物ではあまり見かけませんが、多くの人が使う建築物や構造物にはよく用いられています。

SD490  
降伏点 490~625N/m㎡
引張強度 620N/m㎡以上
曲げ角度 90°

鉄筋の製造方法

鉄筋の製造方法

鉄筋コンクリート用の鉄筋は、くず鉄や銑鉄に含有されている炭素やその他の有害物を電気炉などを使用して酸化除去を行い、その後の熱間圧延によって丸鋼と異形棒鋼が製造するという工程で作られます。

この鉄筋コンクリート用の鉄筋の製造方法には、「電炉法」と「高炉法」の2種類があります。

どちらの方法も、主流の手法では2つの工程を経て鉄筋が製造されていますが、そのやり方や使う炉の種類などには違いがあります。

以下にそれぞれの製造方法について解説していきますので、鉄筋についての知識を深めるために目を通しておきましょう。

電炉法

電炉法による製鋼では、鉄スクラップを原料として使用します。

方式にはアーク式と高周波誘導式が存在していますが、一般的なのはアーク式です。アーク式の特徴は、アーク式電気炉(蓋付きの鍋に似た形状で蓋部分に黒鉛製の太い電極が垂直に差し込まれている炉)を使うことと、酸化精錬と還元精錬の2工程を踏むことです。

まず、酸化精錬が行なわれます。蓋部分にある太い電極に電流を流して電極と鉄スクラップの間にアークを作り、その熱で鉄スクラップを溶かします。この時、溶ける速度を上げる反応熱を得るために、高温時に酸素を吹き込む作業も行います。

スクラップが溶けたら、還元精錬を行います。酸化精錬によって作られた酸化性スラグを炉の外に出し、粉コークスや石灰など混ぜて還元性スラグを作ります。

最後に脱酸・脱硫を行うために、粉コークスと石灰を高温でカーバイト(炭化カルシウム)にします。そこに粉コークスフェロシリコンなどを混ぜ、鋼が目的の成分になるよう仕上げていきます。

高炉法

高炉法による製鋼では、製鉄と製鋼の2工程を踏みます。

製鉄は高炉(溶鉱炉)で銑鉄を作ること、製鋼は製鉄によって得られた銑鉄を転炉で精錬して目的の鋼を作ることです。

まずは、製鉄から行います。細長い徳利型の高炉に鉄鉱石とコークスを交互に投入して約1200℃の熱風を吹き込むと、コークスが燃えると炉の温度が上がり、鉄鉱石から鉄分が取り出され解けて炉の底に溜まります。

出銑口から流れ出てほぼ溶けたままの銑鉄は貨車に詰まれ、ケイ素・リン・硫黄の除去工程を経て製鋼工場に運ばれます。

続いて、予備処理で取り切れなかった不純物を製鋼で除去していきます。転炉に鉄スクラップを少量ずつ装入して溶かし、溶けた銑鉄が入った取鍋から傾けた転炉の口に注ぎ込みます。

炉体を立て直したら精錬が開始されるので、生石灰などを入れて酸素を吹き込み、不純物を除去後に溶けた鋼を連続鋳造設備で半製品(鋼片:大きな鋼の塊)にします。

その後は加熱して、圧延機で押し延ばして鋼材の形にしていきます。

鉄筋の性質と種類について知ろう

一口に「鉄筋」と言っても、種類やそれぞれの性質があります。

その種類は丸鋼と異形棒鋼に分けられ、JISで規定されているものは全部で7種類ほど存在しています。性質は機械的性質と物理的性質の2つの観点から判断され、その情報は材料としての強さや崩壊メカニズムの予測などに役立てられます。

性質に基づいて区別される種類の使い方は、工事で求められる需要に応じて決められます。建築物や建造物など用途に応じて、適したものを使いましょう。

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