建設工事で使用される鉄骨には、その形や厚さが異なる様々なタイプの鉄骨が存在します。
施工管理技士の皆さんは、そのような鉄骨の違いを把握した上で、どういった用途がふさわしいのかも正確に理解しておかなくてはいけません。
そこで今回は、「H形鋼」と「I形鋼」のそれぞれの概要と用途を解説します。
違いを意識しながら確認していきましょう。

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H形鋼の概要と用途

まずは「H形鋼」の概要と用途を解説します。
H形鋼は、その名の通り、アルファベットの「H」のような形をした鋼材をことです。

フランジ幅が広く取られており、またフランジ内外面が平行な形状が特徴的です。
フランジとは、H形鋼の上下の肉厚になっている部分のことを指します。
この部分が鉄骨の曲げや横座屈に対する力を左右します。
また、フランジ同士を繋げる部分をウェブと言い、フランジに比べて肉厚になっているのが普通です。

またH形鋼は、バランスに優れた鋼材で、「引っ張り」や「曲げ」、「圧縮」など様々なタイプの力に高い耐性を持ちます。
そのため幅広いシーンで利用されています。
さらに正方形断面の鉄骨と比較すると、断面性能を少し落とすだけでかなりの軽量化を達成しています。

通常はユニバーサル圧延機と呼ばれる機械を使って製造されますが、鋼板を溶接で組み立てて製造されることもあります。

主に次のような用途で使用されます。

• 建築や橋梁、船舶の構造材用
• 建築や岸壁、高速道路などの基礎杭用

I形鋼の概要と用途

続いて「I形鋼」の概要と用途をみていきましょう。
I形鋼もH形鋼同様、アルファベットの「I」のような形状の鋼材のことです。
H形鋼を「Hを90度倒した形」と非常に似ていますが、フランジの内側にテーパーと呼ばれる勾配がある点が大きく異なります。
そのため形は似ていても、この２つは明確に区別されます。
H形鋼を縦に置いてもI形鋼とは呼ばないので注意してください。

またI形鋼は、H形鋼と比べて板厚が厚いという特徴もあります。
そのためH形鋼より重量が大きく、より硬い鉄骨です。

I形鋼の主な用途としては、次のようなものがあります。

• 橋梁
• 車両
• 各種機械
• 建築

鉄骨の形状の違いを把握しよう

今回は、「H形鋼」と「I形鋼」について解説しました。
この２種類の鉄骨は非常に似通った形状をしているため、素人目線だと同じようなものに感じるかもしれません。
しかし実際には、形状に明確な違いがあり用途も異なります。
もちろん、施工管理技士の皆さんは、こうした違いを正確に理解しておく必要があります。
この記事を参考に両者の違いを覚えるようにしましょう。

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