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公開日時 2020.02.21
最終更新日時 2022.04.06

【国土交通省中部地方整備局参照】施工管理技士が確認したい堤防の工法・作り方:堤防設計の基本とは

今回は堤防設計の基本を解説します。
施工管理技士の皆さんにとっては、どれも知っておきたい重要な知識ばかりです。
この記事で知識を整理し、堤防工事に関する理解を深めましょう。

堤防設計の基本


国土交通省中部地方整備局が作成した資料では、堤防設計の基本について以下のように記されています。

“流水が河川外に流出することを防止するために設ける堤防は、計画高水位(高潮区間にあっては計画高潮位、暫定堤防にあっては、河川管理施設等構造令第 32 条に定める水位)以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造となるよう設計するものとする。
また、地震の作用に対して、地震により壊れても浸水による二次災害を起こさないことを原則として耐震性を評価し、必要に応じて対策を行うものとする。”

まず堤防を設計するときには、計画高水位を基準に十分な高さを持った構造にすることが前提です。
ここで言う計画高水位とは、堤防を作る際に設定する洪水などに耐えられる最高の水位です。
そして実際には、計画高水位にある程度の余裕高を加えた高さの堤防を築く必要があります。

また堤防設計の際には、計画高水位に基づいた高さだけでなく安全を確保するための機能が必要だとされています。
その機能とは、次の3つです。

  • 耐浸透機能
  • 耐侵食機能
  • 耐震機能

堤防に求められる機能

続いて、堤防設計時に確保しなくてはならない3つの機能を詳しくみていきましょう。

①耐浸透機能
河川を流れる水が浸透することで堤防が不安定になるのを防ぐための機能です。台風や大雨による洪水時を想定しており、築造する堤防の全区間で備えてはならないものです。

②耐侵食機能
流水の侵食作用への備えとして必要な機能です。先ほど説明した「耐浸透機能」同様堤防の全区間で確保すべき機能で、堤防が不安定になったり流失したりするのを防ぐ役割を担います。

③耐震機能
地震が発生した際に陸地に浸水することで二次災害が起こるのを防ぐための機能です。他の2つの機能とは異なり、「津波遡上区間」でのみ必要とされます。

設計の基本的な流れとは


続いて堤防を設計する際の基本的な流れを確認しましょう。

①堤防特性の把握
②機能別の整備区間の抽出
③機能等ごとの堤防構造の検討

以上が堤防設計の基本的な流れです。
こうした作業が完了すると工事の施工に移り、実際に堤防が築造されます。
では続いて各工程について詳しくみていきましょう。

設計の基本的な流れと特徴

①堤防特性の把握
どのような堤防を作るか考える段階に入る前に、まずは堤防を配する土地の自然的・社会的条件の把握が必要です。
また既設堤防の点検調査結果から得られる情報も活用します。

②機能別の整備区間の抽出
先ほど触れた3つの機能ごとに整備区間を抽出します。耐震機能については、津波遡上区間のみが対象である点に留意しなくてはなりません。

③機能等ごとの堤防構造の検討
具体的にどのような構造の堤防を作るのかを考える段階です。検討すべき要素は実に多岐に渡ります。一例を挙げると、堤防の基本断面形状をどうするか、堤防をどういった手法で強化するか、法線をどういったものにするか、といった事柄が検討されます。

堤防設計の基本を確認しよう

今回は、堤防を設計するときの基本的な方針や流れを解説しました。
関連工事に携わる施工管理技士の皆さんにとって重要事項なので、これを機に正確に理解しておきましょう。

出典:国土交通省中部地方整備局【河川構造物設計要領 第2章 堤防】

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