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公開日時 2020.02.21
最終更新日時 2022.04.06

【国土交通省中部地方整備局参照】施工管理技士が確認したい堤防の工法・作り方:堤防構造の検討手順とは

堤防を築造する工事では、堤防構造をどのようなものにするか検討する手順を把握しておく必要があります。
ここでは、堤防構造を考える前提となる一連区間の設定と基本断面形状の検討の仕方を解説します。
どちらも堤防工事に携わる施工管理技士なら身につけておきたい重要な知識なので、このタイミングで確認するようにしましょう。

機能別に堤防構造を検討する


堤防構造を検討する場合、まずは前提として堤防の構造が同一なる一連の区間を設定することが求められます。
そこで、ここでは堤防の一連区間を設定する際のルールを確認しましょう。

まず堤防を築造予定の区間のうち、河道の特性や洪水氾濫区域が同じ場合は同じ区間として設置されるのが基本です。
そして、堤防の一連区間を区切る境界を決めるときには、次のような要素を考慮します。

  • 山付き箇所(丘陵部や台地部などと堤防が接続する場所)
  • 支流と合流する箇所
  • 支流と分流する箇所
  • 河川の特性が変化する箇所
  • 流域の地形や地質が変化する箇所
  • 堤防の陸側となる土地の状況
  • 氾濫形態

ただし、山付き箇所や支流との合流・分流箇所が近接している場合は、複数の堤防区間を一連区間として考えることもあります。

堤防の基本断面形状を設定

堤防の基本断面形状は、先ほど説明した一連区間内では同じ構造を取ります。
「堤防高および天端幅」、「のり面の形状とのり勾配」、「裏のり尻」、「護岸ののり勾配」で、それぞれ構造を設定する方針や方法は異なります。
各箇所の詳細をみていきましょう。

堤防高および天端幅

「河川管理施設等構造令」に基づいて設定されます。
洪水時に耐えられる最高の水位である「計画高水位」に、規定以上の余裕高を加えた高さが堤防高になります。
また天端(堤防の上部)は、基本的には舗装されていることが望ましいとされています。
天端幅は、堤防を築造する地域の実情に合わせて歩行者や車両などが円滑に通行できる幅を確保することが推奨されています。

のり面の形状とのり勾配

堤防の側面をのり面と言い、河川側と陸地側両方とも3割より緩い勾配の一枚のり構造が原則です。
一枚のりの構造の場合、堤防の断面は台形をとります。
堤防の勾配が緩やかなのは、維持管理(除草など)や利用の観点によるものです。
また一枚のりが原則なのは、小段をとる構造は雨水の浸透を助長するためです。

裏のり尻

堤防の陸地側の傾斜の最下部にあたる「裏のり尻」には、30~50cm程度の石積み等の設置が必要です。
これは車両の侵入や不法駐車を防止するためです。

護岸ののり勾配

例外的に、護岸で保護される堤防の場合はのり勾配に規定が存在しません。
堤防の安全性と自然環境や景観に配慮する必要はあります。

堤防構造の検討手順を把握しよう

施工管理技士として堤防工事に携わる場合、堤防の構造を決める手順も知っておくべきでしょう。
今回解説した、一連区間の考え方や堤防の基本断面形状の設定はしっかり確認しておいてください。

出典:国土交通省中部地方整備局【河川構造物設計要領 第2章 堤防】

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