施工管理の豆知識!国の文化で変わる建具の形状や種類:鍵
鍵は、住宅などの建造物を作る上で欠かせない建具のひとつです。
施工管理者としては、ドアや窓の設置場所や形状に合わせて様々なタイプの鍵を使い分ける知識が求められます。
そこで今回は、鍵の種類について解説します。
また国によって異なる鍵の歴史も興味深いので、これを機に覚えておくようにしましょう。
この記事でわかること »
鍵の種類
まずは、主な鍵の種類をまとめました。
- 箱錠(ケースロック)
- チューブラ錠
- インテグラル錠
- 円筒錠
以上が代表的な鍵の種類です。
次に、それぞれの鍵の特徴を詳しく解説していきます。
鍵の種類と特徴
■箱錠(ケースロック)
箱錠は、その名の通り錠としての機能が内蔵された箱型のケースをドアに取り付けるタイプの鍵です。ドアに箱型のケースを設置する際は、ドアを掘り込む必要があり加工の手間がかかるという欠点があります。しかしその欠点を補って余りあるだけの高い防犯性を有した鍵です。そのため住宅の玄関などによく利用されます。
■チューブラ錠
先ほどの「箱錠」とは違い、チューブ錠のケースに錠の機能が内蔵されているタイプの鍵です。ドアの両側から穴を開けるだけで取り付けることができるので、設置のための工事が非常に簡単という特徴があります。ただし、防犯性の面ではやや問題があるので外回りの鍵にはあまり向いていません。室内の間仕切りドアなどの鍵としての用途が主になります。
■インテグラル錠
ドアノブ内にシリンダー錠が内蔵されているタイプの鍵です。箱錠と同じく防犯性が高く、外回りの玄関等のドアによく用いられています。ただし、ノブのあるドア専用という点には注意が必要です。
■円筒錠
「インテグラル錠」同様にノブ専用の鍵です。ノブ内に機能が円筒状のケースに内蔵さています。チューブラ錠と同じようにドアに穴を開けるだけで設置可能です。
国によって違う鍵の歴史
日本で初めて鍵が登場したのは飛鳥時代とかなり昔のことですが、そこからしばらくは鍵に大きな発展は見られません。
江戸時代になると「ウォード錠」と呼ばれる鍵が普及しはじめます。
ただし、治安が良かったこともあり庶民にはあまり普及しませんでした。
鍵を使うのは非常に限られた階層の人々だけだったのです。
一般の住宅にも鍵が普及するのは、明治維新後に西洋文化が広く導入されてからのことなのです。
そして高度経済成長期に円筒錠が急速に広まり、現在では電子錠など多様な発展を続けています。
比較的最近鍵が普及したばかりの日本と比べて、西洋の鍵には古い歴史があります。
古代ローマ帝国の時代には既に「ウォード錠」の原型ともいえる鍵が使われており、2000年前から錠前の専門店が存在したというのです。
ただしそこから鍵の形状はあまり変化せず、十数世紀に渡って同じような鍵が使われ続けます。
ちなみに世界最古の鍵は、古代エジプト文明の遺跡で発見されています。
正確な時期は未だ判明していませんが、4000年~6000年前には鍵と錠前が存在したようです。
鍵の種類と特色を把握して適切に使い分けることが重要
今回は、鍵の種類と歴史について解説しました。
鍵は、種類によって防犯性や加工の手間が異なります。
施工管理者としては、そうした違いを正確に把握し、適切に使い分けることができるようにしましょう。
編集部
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