施工管理の豆知識!国の文化で変わる建具の形状や種類:塗装
塗装は建築工事の仕上げとして重要な意味を持ちます。
単に壁面に色を塗るだけでなく、塗料の選択によって耐久性や耐候性、建物全体の雰囲気などが大きく変わります。
そのため施工管理者には、塗料に関する幅広い知識が求められるシーンがあります。
そこで今回は、塗装の種類や日本と海外の違いについて詳しく解説します。
この記事でわかること »
塗装の種類
塗装は、大きく「植物性の自然塗料を使った塗装」と「化学塗料を使った塗装」の2タイプに分けられます。
それぞれのタイプで使われる塗料について、まずは種類をまとめてみました。
塗料の種類 | |
---|---|
自然塗料 | オスモカラー |
リボス | |
バトン | |
オイルステイン | |
化学塗料 | キシラデコール |
ウレタン塗料 | |
AEP | |
OP | |
オイルステイン(オイルフィニッシュ) | |
ラッカー | |
ポリエステル樹脂塗装 | |
UV硬化型塗料 |
以上が塗装工事で使われる代表的な塗料です。
続いて、それぞれの塗料の特徴を詳しくみていきましょう。
塗装の種類と特徴
自然塗料
■オスモカラー
亜麻仁油やアザミ油などの植物油を主成分とする、通気性や手触りに優れた塗料です。耐候性や耐久性の点ではウレタン塗料に劣りますが、その分傷や補修の跡が目立ちにくくメンテナンスも簡単にできます。
■リボス
亜麻仁油や蜜蝋を主原料とした自然塗料で、無害無毒の顔料成分から作られています。舐めても問題ない塗料として、幼児向けの玩具にも利用されています。また有機栽培された植物や天然鉱物を使って作られるため、人にも環境にも優しい建築を目指す場合に重宝する塗料といえます。塗装後の仕上がりは、素朴で上品なものとなります。
■バトン
耐候性に優れた自然塗料で、紫外線や雨からも木材を保護してくれます。定期的なワックスがけは必要ですが、優しい素朴な仕上がりが可能な優れた塗料です。
■オイルステイン
木目を生かした塗装が可能な自然塗料ですが、耐久性は低いです。
科学塗料
■キシラデコール
木材専用の化学塗料です。木材を美しく仕上げることが可能で、ひび割れもせず、防腐・防虫・防カビ効果を持ちます。ただし防水効果はあまりありません。
■ウレタン塗料
主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使う化学塗料です。耐久性や耐候性には優れていますが、湿気を通さないという欠点もあります。やや冷たい光沢のある仕上がりになります。
■AEP
白の塗りつぶしに使われる水性の化学塗料です。
■OP
低価格の化学塗料です。俗に「ペンキ」と呼ばれるもののことです。
■オイルステイン(オイルフィニッシュ)
こまめなメンテナンスが必要なものの、木目を美しく出してくれる化学塗料です。
■ラッカー
素早く乾燥する化学塗料です。木材の塗装に向いています。
■ポリエステル樹脂塗装
硬度があり、耐候性や耐薬品性、汚れに強い化学塗料です。テーブルやピアノなどによく用いられています。
■UV硬化型塗料
紫外線を照射することで、短時間で硬化する化学塗料です。
海外と日本の塗装の違い
海外では、メンテナンスしながら数十年から百年以上の長い期間住み続けるものという文化が強く根付いています。
そのため塗料に関しても、耐用年数が長く、ひび割れしにくいもの選ばれる特徴があります。
他にも、自然環境や人体に優しい自然塗料や豊富なカラーバリエーションのある塗料が人気です。
日本では、住宅はメンテンスをしながら長くするものという考えがあまり一般的ではありません。
しかし反面、地震や台風などの自然災害が多く、耐久性が重視される傾向があります。
これは塗装の段階でも同様です。
塗料も耐久性を中心に遮熱性などの実用的な性能が重んじられ、色の種類は海外ほど多くありません。
求めることによって最適な塗料は違う
一口に塗装といっても、自然塗料を使うか、化学塗料を使うかで大きな違いがあります。
また同じ自然塗料や化学塗料の中にも、異なる長所をもつ様々な塗料があります。
建物を建てる環境や施主が重視するポイントなどに合わせて、適切な塗料を選べるようになりましょう。
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