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ダムと堰堤の違いとは?それぞれの役割と建設工程について紹介!

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公開日時 2023.02.10 最終更新日時 2023.02.10

ダムと堰堤の概要

ダムと堰堤の定義は、法律や国際会議で明確に定められています。はじめに、ダムと堰堤の大まかな概要をご紹介します。

ダムとは

ダムとは、貯水や河川の水量調節などを目的として造られた高さ15メートル以上の構造物を指します。主な役割は、生活・農業用水などの供給、水量の調節、環境保全、発電の4つです。

ダムの定義は国によって違います。世界85か国が参加する「国際大ダム会議」で決定したダムの定義は、高さ5メートル以上かつ貯水容量が300万立方メートル以上です。ダムは高さによって2種類に分けられ、高さ5メートルから15メートルまでのものを「ローダム」、高さ15メートル以上のものを「ハイダム」と呼びます。

堰堤とは

堰堤とは、河川の水をせき止めるための構造物です。小規模のため水を貯水することはできず、堤防としての機能もありません。堰堤の主な役割は、土砂災害を防ぐことです。

山間部などでは、土砂の流出を防ぐために「砂防ダム」を造ることがあります。砂防ダムの正式名称は「砂防堰堤」です。なかには高さ15メートルを超えるものもありますが、ダムのように水を貯めて利用しないため堰堤に分類されます。

ダムと堰堤の違い

ダムと堰堤の概要がわかったところで、それぞれの違いを見ていきましょう。ここでは、高さ、役割、法律の観点からダムと堰堤の違いについて解説します。

高さの違い

高さ15メートル以上の構造物がダム、15メートル以下だと堰堤に分類されます。ダムと堰堤の高さの違いが正式に決まったのは、1964年(昭和39年)に新河川法が制定されてからです。そのため、1964年以前に完成したダムは「〇〇堰堤」と呼ぶことがあります。

役割の違い

ダムは貯水量が多いため水力発電が可能ですが、堰堤はそもそも貯水機能が備わっていないため発電ができません。

法律の違い

ダムは「河川法」を適用しますが、堰堤には「砂防法」を適用します。ダムと堰堤で法律が分かれている理由は、堰堤は貯水ではなく土砂災害防止を目的としているからです。

ダムの設備や仕組み6つ

ダムの設備や仕組み6つ

ここではダムの設備や仕組みについて解説していきます。

ところで、ダムにはさまざまな設備があり、また、見えないところで発電や水量調節など、我々の生活に密接にかかわっている存在です。改めてダムの設備・仕組みによる役割などをしっかりと理解していきましょう。

ここでは設備や仕組みとして、6つの項目を取り上げて説明していきます。基礎となりますので、復習代わりに活用してみてください。

ダムの設備や仕組み:監査廊

監査廊とは、英語でinspection gallery(インスペクション・ギャラリー)と呼ばれる設備です。

ダム堤体内部に、完成した後の監査・堤体や基礎の排水・グラウト作業・ゲート操作・各種の測定などを行うために設けられた通路のことで、通廊ともいわれます。

ダムの設備や仕組み:洪水吐き

洪水吐きとは、ダムの放流設備のことです。主にメンテナンスなどの際に放流で貯水池の水位を低下させる設備や、放流により河川自体の機能を維持するための設備のことを指します。

洪水調節を用途にするダムにおいては、常用洪水吐と非常用洪水吐の2つが整備されているものがあります。また、洪水調節を目的とするダムでは「洪水吐」と呼ばれますが、発電用ダムなどにおいては余水吐と言われます。

ダムの設備や仕組み:副ダム

副ダムは、洪水吐より落ちてくる水によって洗掘されることを防止する設備や、勢いを弱めるためにダムの下流側に作られる低いダムのことを指します。

また、複数のダムでひとつの貯水池がつくられている場合においては、主要になっているダムを本ダム、その他のダムは副ダムといわれることもあります。

ダムの設備や仕組み:取水塔

取水塔は、ダムに貯めた水をくみ上げる設備のことです。

また、河川や貯水池、ダムなどの安定的に水量があるような水源から、取水する設備のことを指すこともあります。

浄水場の設備として使われているものや、農業・工業用水に使うために設置されているものなど、さまざまな用途のものがあります。

ダムの設備や仕組み:導流壁

導流壁という設備は、水路の側壁のことを指しています。

ダムの場合では、洪水吐きの導流部や減勢工などにあることが多く、その際は大きなコンクリートでできた構造物となっています。

また、堤趾導流壁とは、堤頂長の全面に越流する方式においてダムの堤趾部に導流壁をつくることです。その際は、ダムの下流面のすべての面を水が流れるということになります。堤体導流壁とは、越流幅が比較的短い方式において中央部分の水路のみに導流壁をつくることをいいます。

ダムの設備や仕組み:減勢工

減勢工とは、ダムから流下する水のエネルギーによる被害を防止するための仕組みです。

洪水吐の最下流部分に設けられる、増大した流水エネルギーを弱める働きをする構造物のことです。

減勢池をつくることで水を跳ねさせて勢いを弱くする「跳水式」、空中に飛ばして落下点の水によって勢いを弱くする「スキージャンプ式」、自由に落下させて水をクッション代わりとし、勢いを弱くする「自由落下式」などが挙げられます。

減勢工の減勢形式は上記の通り複数あるため、ダムタイプ、地点の地質や地形条件、環境などの条件に適合するよう選定されます。

ダムの建設工程について

ダムの建設工程の流れでは、大きくわけると3つの「予備調査」「地元交渉」「建設事業」があります。

ダムの工事を本格的に始める前に、「予備調査」で条件を調べます。条件とは、計画調査や建設予定地域への説明、地質の調査、大掴みのダムの建設計画などが挙げられます。

予備調査の結果によって問題がないと判断されたら、実地計画調査になります。実地計画調査については、予備調査より詳細に調査を進めていきます。

また、実地計画調査と同時進行していくのが「地元交渉」です。

工事の最中は周辺地域に大きな影響を与え、完成後の変化も大切です。地元交渉においては、行政の職員が地域の方々に細かく説明していきます。また、ダムを建設するためには用地を譲渡していただくことになるので、さまざまな交渉を地域の方々と進めていくことになるでしょう。

実地計画調査をクリアすると「建設事業」であるダムの工事が始まります。

はじめに、工事用に使われる運搬路をつくり、工事の間に水を流す設備である一時転流、基礎堀削と進み、ダムの内部に水を流す設備である二次転流がされます。また、使われるコンクリートを製造する工程や運搬がされ、ダムの本体建設をする堤体打設の流れで進んでいきます。

施工管理者はダムと堰堤の違いを知っておくことが大切

ダムと堰堤は適用する法律が異なるため、ゲート操作の方法や点検整備の基準などがまったく違います。土木工事の施工管理者ならダム事業に携わることがあるかもしれません。この機会に、ダムと堰堤との違いについて知っておきましょう。


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