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公開日時 2020.01.20
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者が知っておくべきコンクリートの種類:暑中コンクリート

暑い時期に施工される際、用いられるコンクリートの種類に「暑中コンクリート」があります。
コンクリート打ち込み後、比較的早く乾燥やひび割れが懸念される暑中コンクリートは、取り扱いに注意すべきポイントがあるので見てみましょう。

暑中コンクリートとは

暑中コンクリートとは、平均気温が25℃を超えることが想定される季節に使用するコンクリートです。
夏場の高温期には、セメントの水和反応が活発化します。
ですから、高温期にコンクリートを施工する場合にはスランプロスの増加や、長期的な強度の伸びが低下するといった現象が生じるため、暑中コンクリートでの施工が必要とされているのです。

暑中コンクリートの問題点

セメントの水和反応が急激に進んだ場合、これに伴ってコンクリートの凝結が早まり、運搬中の水分蒸発も多くなります。
そのため、以下のような問題点が必要を有することを理解しておきましょう。

・スランプの低下が大きくなる傾向にあり、同一スランプを得るための単位水量が増加する
・コールドジョイントができやすく、急激な水分蒸発によりプラスチックの収縮によるひび割れが発生しやすくなる
・初期の強度発現は早いものの、長期強度の伸びは小さい傾向にあるという点も暑中コンクリートの特徴

暑中コンクリートの用途

暑中コンクリートの用途は、通常のコンクリートと同じです。
ただ、暑中期から極暑期にも安定したコンクリートとして建築現場で使用できるように配合されたものが、暑中コンクリートです。

暑中コンクリート使用時の注意点

暑中コンクリートを使用する際には、以下のような点に注意する必要があります。
・出来るだけ低い温度の材料を用いているか
・粗骨材に散水等を実施し、生コン工場の骨材ヤードに太陽光が直接当たってないか
・AE 減水剤遅延形、減水剤遅延形の使用でプラスチック収縮ひび割れの防止、強度低下の緩和対策ができているか
・高性能 AE 減水剤使用による単位水量の低減・スランプの経時変化減少対策ができているか
・配合時に単位セメント量を可能な限り少量に調整しているか
・スランプの低下防止に良質の混和剤を使用しているか
・空気量が連行しにくくなるため、AE 剤の量はやや多めに調整できているか
・打ち込み箇所は、コンクリートが接する部分の温度を下げ湿潤状態にできているか
・練り混ぜたコンクリートの温度上昇や、乾燥に注意し運搬できているか
・運搬時間を出来る限り短くできているか
・打設は可能な限り中断せず、連続して行えているか
・打ち込み終了は速やかに養生をし、コンクリート表面の乾燥や日射、風等を防ぐことができているか
・養生には養生マットや水密シートで覆い、水分逸散を防げているか
・継続的に散水または噴霧をし、水を供給できているか

暑中コンクリートで極暑期も安定した品質を

暑中コンクリートは、通常のコンクリートとは仕様が違うということがお分かりいただけたでしょうか。
取り扱いにも注意すべき点がありますので、その特性を正しく理解し、注意すべきポイントをしっかりと押さえておきましょう。

※出典:一般社団法人日本セメント協会「コンクリートの種類/用途

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