施工管理が知っておくべき工事と建設現場の知識:ダム工事
ダムを作るには、大規模な工事を行わなければなりません。既にあるダムのメンテナンス工事も、施設の寿命を延ばすためには欠かせないものです。
ダム工事も施工管理者として作業に従事するなら、基礎知識はとても重要な情報になります。
ダム工事とは
ダムの目的は「治水」や「利水」です。「治水」とは、大雨が降った時などに川の水を溢れさせないように水量をコントロールすることを指しています。「利水」は田畑に必要な水や、水道から出る家庭に必要な生活水を用意することです。
ダムが無ければ大雨を溜めることはできず、川の水量をコントロールできずに洪水となる恐れがあります。
日照りが続けば、田畑に必要な水や生活水が不足します。作物の育成や収穫量に大きな影響を与えて全国的な食糧難にも繋がる上に、飲水やお風呂の水という生活用水さえも利用できなくなる恐れがあります。水は生物が「生きる」ために欠かせません。
また、生活を「便利」にするのも水であり、それを可能とするのが「ダム」です。ダムでは、貯水以外に「発電」もしています。俗に言われる「水力発電」です。そのダムを作るのがダム工事であり、スケジュール通り進ませるには施工管理が求められます。
ダム工事事業には多くの作業が必要
現場作業には多くの人員と様々な役割分担が必要です。状況によっては一人でも欠けてしまうと工期に大きな打撃を与えてしまう場合もあります。そうならないよう、それぞれの人員の健康管理にまで目を配るべき役職が施工管理者です。
- 工事用道路造成
- 仮排水路工
- 一時転流
- 基礎掘削
- 場内仮排水路工
- 二次転流
- コンクリート製造と運搬
- 本体工事
- 管理設備
- 試験湛水
ダム工事には多くの作業が必要です。ダム本体を建設する場所の多くは山間部で、道が舗装されていないことも少なくありません。
その場合、まずは人や荷物搬送用の工事用道路を作ることから始めます。ダムの工事中も水を流すための仮排水路を作ったり、造成した転流水路に転流を実施したりするほか、ダムの土台となる基礎地盤の工事なども同時に実施します。
また、「本体打設」という本体工事や、管理設備も設置しなければなりません。最後に作業確認や安全性を確かめる試験湛水などを行い、問題が無ければ完成です。
ダム工事における施工管理者の仕事
ダム工事は土木工事の中でも特に大規模な工事です。施工管理技士にとっては大きなプロジェクトであり、その経験は作業者としての財産になります。
施工管理者が行う仕事として、スケジュール調整や人員の配置、進捗管理や納期に関すること、近隣住人への対応まで幅広くフォローしなければなりません。もちろん作業員の安全管理や品質、コスト面のことも考えます。
必要書類の準備や作成など多忙ですが、社会的な注目度も高くやりがいのある仕事です。
土木施工管理技士の資格があると良い
ダム工事の施工管理をする際「土木施工管理技士」の資格を取得しておくと有利です。
たとえダム工事の経験が無くても、土木施工管理技士1級を取得するだけの知識があれば、現場でもあらゆるトラブルの対処法を理解できています。責任者としても十分な資格と言えるでしょう。
ダムの施工管理経験者は業界内で重宝される
ダム工事の施工管理は、土木・建築関係に携わる者にとって大きな経験となります。経験者は会社の中でも重宝される存在となり、大きな実績として評価されるのです。
土木施工管理技士1級資格を取得し、ダム工事の施工管理にも活躍できる立場を確保しましょう。ダム工事の施工管理はやりがいもあるだけではなく、以降の施工管理技士としてのキャリアアップにも繋がります。
編集部
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