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公開日時 2019.12.23
最終更新日時 2022.04.06

明日話したくなる施工管理の工事の歴史豆知識:左官工事編

建築工事で漆喰やモルタルなどの壁を塗る職人が「左官」です。継ぎ目のない一体的な仕上げ技術を必要とする左官は、今のところ他の工法に代えることはできないといわれています。

ところで左官職人は、なぜ「左官」と呼ばれるのでしょうか。施工管理者の教養が深る、左官職人の歴史を紹介します。

左官工事の歴史

左官の語源には諸説ありますが、平安時代の宮殿の建築や宮中を修理する職人である「木工寮の属(さかん)」から来ているという説が有力です。属は、律令制の「かみ」「すけ」「じょう」「さかん」の4つの各官庁の階級に由来します。左官という漢字は当て字で、古くは別の漢字が当てられていました。現代の左官の表記が定着したのは、元禄時代以降といわれています。

左官工事の起源は、縄文時代にまでさかのぼるといわれています。建築資材の中で、土は最も手に入れやすい素材だったため、団子状に丸めて竪穴式住居の土塀に使われていました。
飛鳥時代になると、石灰を使って壁を白く仕上げる技術や、木材で壁の芯を作る技術などが開発されました。こうした工法の開発によって、左官工事は発展していきます。

安土・桃山時代には茶室の壁に色土が用いられるようになりました。砂や繊維を混ぜることで、土の色をコントロールするだけでなく、さまざまな表現が可能になったのです。

今も伝統的な日本家屋の壁として、人気のある漆喰。見た目にも美しい漆喰仕上げが生まれたのは、江戸時代のことです。漆喰は、石灰にのりや粘土などを練り合わせたもので、これによって建物の耐火性が大幅に向上しました。
その後、左官の技術は町家建築へと普及していき、さまざまな建築に用いられるようになっていきました。

左官工事の過去と現代の技術の違い

明治期以降に洋風建築が登場すると、左官職人の活躍の場は日本建築以外にも広がります。高度成長期には、コンクリート造の建物が一般的になったため、多くの左官職人が必要とされました。この頃から、壁塗り以外にも、コンクリートの打ち込みや基礎工事、ブロック積みも左官職人が行うようになります。

セメントなどの現代の材料と従来から左官が使ってきた天然材料との違いは、品質の安定性です。セメントには工業規格がありますが、天然材料には規格がありません。材料の特性や天候など、そのときの状況に合わせて調合の比率を変えられるのがよい左官職人の条件となります。

左官の歴史はとても深い

時代とともに左官の仕事内容は変化しています。しかし、近年再び天然材料を使うことが注目されるようになっています。左官の歴史と今の両方を知ることで、その魅力に気がついたのではないでしょうか。

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