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外壁通気工法とは?メリットとデメリットや2つの外壁工法の見分け方を紹介

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公開日時 2023.02.20 最終更新日時 2023.02.20

外壁通気工法とは


木造住宅は、室内からの湿気や断熱材欠損が原因で、壁内結露を起こしやすい傾向にあります。
壁内結露は壁の内側の木材を腐らせ、建物の耐久性低下や、カビの発生につながります。
室内環境悪化による建物耐久性低下や健康被害を防ぐために、壁内結露を改善させる『外壁通気工法』が開発されました。

外壁通気工法が必要な建物

戸建ての住宅では、外壁通気工法を採用していることが多いです。これは外壁通気工法が必要とされていることを示します。

外壁などから侵入してくる雨水が壁体内の中へ侵入してくることを防ぐことにより、通気層を通し外部へ排出する「防水」、そして湿気も同じく通気層を通し、外部へ排出する「排湿」を行うことができます。

仮にこの対策をしないとすると、天候の影響(雨水や湿気)により、構造材や下地材が腐って劣化するといった現象が起こることがあり、建物の価値を下げてしまう原因となります。

2つの外壁通気工法

外壁工法には、二つの方法があります。

■通気工法サイディング
通気工法は、柱と外壁材の間に通気層を作る工法です。
室内から発生する湿気に、断熱材外部に透湿防水シートを張る形で対処します。

■直張工法サイディング
直張工法サイディングは、日本で長年に亘り用いられてきた工法です。
防水紙を柱の外側に張り、その上から外壁材を貼りつけます。
直張工法で張られたサイディングは柱に張りつきますから、通気層は存在しません。

2つの外壁通気工法を見分ける方法


外壁通気工法は、建物の劣化やカビの発生を防ぐために開発されているものです。これは、壁に外壁材を設置するときの工法の一つになります。

最近の住宅で主流になっていると言えるサイディングの張り方には、直張工法サイディングと通気工法サイディングがありますが、どのように見分ければいいのでしょうか?

直張り工法の弱点である壁体内結露による不具合が多くみられるようになってからは、新たに品確法で基準が設けられるようになり、通気工法が推奨されるようになりました。

品確法とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことですが、これは住宅の基本的な性能についての共通ルールを記載したものとなっています。

今後のメンテナンスにおいては、外壁通気工法の知識があれば、外部からの情報が正しいものかどうかを判別できますので、まずはこちらの見分け方を解説します。

出典:住宅の品質確保の促進等に関する法律|e-Gov 法令検索

外壁を剥がす

外壁をはがして目視で見分ける方法ですが、直貼りと対になっている「通気工法」は、防水シートとサイディングの隙間に「通気胴縁(つうきどうぶち)」を挟んでいます。こちらを目視すれば、見分けることができるでしょう。

通気胴縁は、空気が通る隙間を確保するための木材です。水を逃がし、建物の柱など大事な部分を劣化させにくくする効果があります。

この方法においては、まずコーキング部分にカッターなどを入れてはがすところから始まります。コーキング部分にバール等を入れて浮かせてみると、壁と外壁の中身を確認できます。

もちろん確認した後は、はがした部分のコーキングを打ち直してください。

水切りから覗く

直張り工法は内部の構造です。本来なら目視できないのではないかと思いがちですが、実は外側からも確認できる場合が多いです。

ここでチェックしたいのが「水切り板金(土台水切り)」になります。サイディングの一番下にある金属の部分になります。

サイディングと水切り板の隙間にカードや物差しなど細いものを差し込んで、奥行きがあるかをチェックし、奥行きが1~1.6㎝の場合は直張り、2㎝ほどある場合は通気工法である可能性が高いでしょう。

この方法を使うと、外壁通気工法において、通気工法を使っているのか直張工法を使っているのかをチェックできます。簡単でお気軽に確認できるのでお勧めです。

外壁通気工法のメリット

外壁通気工法のメリット


外壁通気工法の特徴は、防湿効果と防水効果が高いということにあります。これにより建築物を長持ちさせることができます。

大事な建築物を長持ちさせるためには、日々のメンテナンスが必要になってきます。

そしてこの中で、2種類の外壁通気工法である「通気工法サイディング」「直張工法サイディング」のメリットを解説します。これを知っておくことで、より建物に関する理解が深まり、必要以上にお金を支払わずに済む可能性があります。

皆様が作った建物がどちらに該当するのか、チェックしてみてください。

通気工法サイディングのメリット

外壁通気工法の通気工法は、仕組みが簡単であり、基本的な知識と技術があれば、確実な施工を期待できます。

外装材の裏側はもっとも結露する可能性が高いとされていますが、その部分に通気層を設けることで、結露や湿気漏れを乾燥させるという効果があります。

この通気層は、外装材からの雨漏りがあった場合でも、建物の下部から排出したり通気によって乾燥できるため、構造材や室内に雨水が侵入する現象を防ぐことが可能となります。

直張工法サイディングのメリット

外壁通気工法の直張工法は、火災時の被害を拡大する可能性のある通気層を取り除いた構造になります。

もともとは一般的な工法であり、また直張工法と通気工法を比べると、直張工法のほうがコストが安かったことから、価格を抑えた商品や建売住宅においては直張工法が多く使われていました。

しかし、内部結露しやすいことや、様々な不具合が見つかったことから、現在の外壁通気工法といえば、通気工法が主流となっています。

そして通気層確保のための部材と手間が不要であることから、費用と工期を削減することができることがメリットです。

外壁通気工法のデメリット


外壁通気工法のいずれの工法にも、メリットがあればデメリットもあります。しかし、単純にその工法の良し悪しを判断するだけでは、その建物に合った工法が何かわからないので、その後の対処法にも困るでしょう。

また、求める性能やメンテナンス性を考えて、より適切な外壁通気工法を選ぶことが重要となります。

こちらでは直張工法と通気工法それぞれのデメリットを解説しますので、ぜひご覧ください。

通気工法サイディングのデメリット

確実な断熱工事と高い気密性が確保されている場合、通気工法のメリットが有効となりますが、気密断熱性が不十分であり、通気層以外の箇所に結露や湿気を起こしてしまった場合は、通気層は機能しなくなってしまいます。

加えて、火災時には通気層が煙突効果による炎の抜け道となってしまうことにより、災害を拡大する可能性があります。

これは居住者の命や財産にかかわるデメリットです。また、通気層を確保するための材料と手間が余分にかかるとも言えます。

直張工法サイディングのデメリット

直張り工法の場合、外装材からの雨漏れがあった際に水分を排出したり、乾燥させる仕組みがないために、どこかに水分が侵入し、建物を傷めてしまう可能性があります。

また、通気工法と同じく、気密断熱性が不十分で、結露や湿気漏れを起こした時には、水分を排出させることも乾燥させることもできないためデメリットとなります。

【外壁通気工法別】塗り替え・張り替え方


サイディングに触れた時に、塗料の粉がつくことをチョーキングといいますが、このような現象や色あせなど塗膜表面が劣化している場合には、塗り替えすることをお勧めします。

また、サイディングにおいては、サイディングボードのつなぎ目の目地にコーキングというゴム状のものを使用しており、こちらも経年劣化により裂けたり減ったりします。目地に隙間ができている場合、コーキングもメンテナンスが必要となります。

そのほかのメンテナンスに関しては直張りか通気工法かによって対処法が異なります。外壁通気工法が直張工法か通気工法か確認できたら、それぞれの塗り替え方、もしくは張り替え方をチェックしましょう。

こちらも、外壁通気工法のうち、どちらの工法に該当するかによって対処方法が異なってきます。しっかり確認することで、今後のメンテナンス方法や必要な材料も考えられるでしょう。

通気工法サイディング

通気工法である場合、張り替えではなく塗り替えで対策できます。外壁内部まで手を加えず、塗り替えるので、価格を抑えることができます。

外壁の状態が悪く張り替えなければならない場合も、再度通気工法で張り替えることも可能です。

建物を建てた時の会社によって、独自の通気工法を使っている場合もありますが、建築図面を確認したり、業者に直接確認することで、問題なく施工できます。

直張工法サイディング

直張工法は10~20年前に、日本でサイディングが普及し始めたころ採用されていた方法ですが、壁体内の結露を原因とする不具合が多く見つかっていることで知られています。

サイディングに水が入ることで、湿気が蒸発すると同時に塗膜が剥がれたり、膨れてしまったりすることから、張り替えが推奨されています。

因みに「膨れ・剥がれなどはあまりない」「費用は極力抑えたい」という方には、透湿性塗料を使って塗装されることをお勧めします。

塗装の費用ですが、相場で1,800~5,000円/㎡、2階建て住宅の全面塗装の場合だと70~150万円かかるとされています。

透湿性塗料は、水分・湿気が通り抜けやすい塗料になります。湿気が塗膜の剥がれを起こすリスクを軽減できるという特徴を持った塗料になります。

外壁通気工法について知ろう


いかがでしょうか?ここまでで外壁通気工法について様々な解説をしました。

外壁通気工法については、通気工法と直張り工法がありますが、どの工法もメリットとデメリットがありますので、一概にどちらが正しくてどちらが良いと言うことはできません。

気密断熱性が確実に確保されていることが大事となってきますので、建物がどういう工法で作られているのかを確認する必要があります。

今回解説したような内容を十分に吟味し、今ある建物に現在の工法を使用した理由や、どのように施工し、どのように管理されているのかをしっかりと把握しておきましょう。

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