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さく井工事とは?工事の種類4つと施工管理者が知っておくべき作業工程を紹介

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公開日時 2023.02.09 最終更新日時 2023.02.09

さく井工事とは?

さく井工事(さくせいこうじ)とは、さく井機械などを使ってさく孔・さく井を行う工事のことです。ボーリング工事と呼ばれることもあります。さく孔やさく井の作業に伴い行われる揚水設備設置などの工事を表す時にも、さく井工事(ボーリング工事)の言葉を使います。

ちなみに、さく孔は孔に爆薬を入れて爆破破砕させるために孔を開ける作業、さく井は井戸を掘る作業を表しています。また、さく井工事は漢字で鑿井工事と書きます。難しい漢字になるため、一般的にはさく井工事と表記されます。

さく井工事は大がかりな工事になるため、費用は基本的に高額です。費用が500万円以上かかる工事を行う際は、施工業者に建築業許可が必要になります。取得せず行うと罰則3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が課されます。

建設業許可

災害時の備えとして

井戸は近代化して以降、業務用に作られるイメージの方が強くなりました。しかし2011年の東日本大震災から、災害対策のために家庭用の井戸を掘る人が増えたと言われています。井戸の水は地下水を利用するため、ライフラインの水道が停止しても使うことができます。

水はトイレ・お風呂・飲み水など生活に欠かせない資源なので、ライフラインの停止の影響を受けない井戸は万が一の時に助かる存在となるでしょう。また、井戸の水は使用前に水質検査が行われるため、地下水の質と量が保たれている間(機能する間)は問題なく使うことができます。

さく井工事の種類4つ

さく井工事には、いくつかの種類が存在します。分類は全部で7つありますが、主な種類は水源井・観測井・温泉井・地熱井の4つです。今回は、上記4つの主な種類についてご紹介しています。

水源井はさく井工事の主格で、名称の通り使用する水としての水源となる井戸を作る工事を指しています。観測井は防災システムに展開される井戸、地熱井は地熱発電用の井戸になります。温泉井は温泉開発に際して行われます。

その他の種類には、さく孔・石油掘削・揚水設備の工事があります。揚水設備は、主なさく井工事に含まれることもあります。また、地熱井には天然ガス掘削工事も含まれており、こちらも自然の熱を利用して発電を行う仕組みとなります。

さく井工事の種類1:水源井

さく井工事の種類1つ目は、水源井です。水源井は地下水を汲み上げるための深井戸で、約70mより深い位置にある水脈から取水しています。地下水開発は井戸ボーリング工事で行われますが、地表水に影響が及ばないよう配慮する必要があります。

井戸の構造は深さ約180m(口径35cm)で、水中ポンプで地下水を上に汲み上げます。水源井は各地域に浄水場系統ごと点在する形で設置されており、汲み上げた地下水は道路に埋設された管路を経由して浄水場に導水されています。

水源井としての地下水は、地域によって問題が生じることもあります。はじめは問題なく利用できていた水源井も、地下水の需給バランスの崩れによって水位低下や塩水化に見舞われる可能性があります。長い視点と広い視野で位置を決めることが大事です。

さく井工事の種類2:観測井

さく井工事の種類2つ目は、観測井(観測井戸工事)です。観測井は、地盤沈下の深さやスピードを観測するため、あるいは地下水位の状態などを観測するために装置として設置されます。

設置の際は、まず地下に鉄管を埋設します。そして埋設した鉄管の下部を固い地層に固定し、地層上部の収縮で相対的に鉄管が浮き上がるような構造になります。地下水位の測定を行う際は、埋設した鉄管の内部にフロートを浮かせます。

観測井は地層の状態を知ることに役立つ存在なので、防災システムの発展に欠かせない井戸と考えられています。また、設置の場所・目的によって火山観測井や地盤沈下観測井などと呼ばれることもあります。

さく井工事の種類3:温泉井

さく井工事の種類3つ目は、温泉井です。温泉井は高温の水が出る井戸で、工事では温泉開発に最適な設計や施工を行います。場合によっては、さく井工事の業者が温泉開発の可能性などについてアドバイスをすることもあります。

温泉井の深さは約500m~1000mが一般的で、井戸によって大きく異なる場合もあります。水井戸の派生で開発された井戸ですが、高温が理由で水井戸よりもトラブルリスクが高いため、しっかりとした保守管理が求められます。

また、トラブルや温泉を掘る際に噴出する天然ガスの災害を防止する目的で、温泉井の工事には温泉法に基づく許可が必要です。更に、温泉の採取・利用・成分表示などにも許可が必要なため、温泉利用には多くの許可が必要になります。

温泉法の概要

さく井工事の種類4:地熱井

さく井工事の種類4つ目は、地熱井です。地熱井は地熱発電の熱源として用いられる井戸で、地下資源の地熱を有効活用できるよう施工されます。地熱井の深さは約2000mで、設置場所は井戸の特性上、国立公園内になることが多いです。

工事の際は許可が必要ですが、適用されるのは温泉法のみです。しかし、熱水・蒸気・有害物質などが漏洩する可能性が高いため、温泉井や水井戸よりも厳重な防止対策が必要になります。

それに伴って求められる掘削技術も高度になり、高温の中でより深く掘削したり、傾斜掘削の技術などが必要不可欠です。地熱発電は新エネルギー源の1つとして注目されていますが、地熱井の掘削に適した技術を持つエンジニアは少ない傾向にあります。

その他の種類概要
さく孔工事孔に装薬して(爆薬を入れて)、爆破破砕させるために孔を開けます。一般的には、岩石を爆破破砕する時に行うことが多いです。
石油掘削工事地下にある石油やガスを採取するために、専用の機械で地層を掘ったり削ったりします。
揚水設備工事動力を使って地下水を採取する場所を作ることです。温泉や水井戸に設置した水中ポンプなど、利用施設に水が届くようにするための設備になります。

さく井工事の工法3つ

さく井工事の工法3つ

さく井工事の工法は、パーカッション工法・ロータリー工法・エアハンマー工法の3つです。それぞれの特徴があるため、工事を行う場所や用途に合わせて、いずれかの適した工法を用います。

パーカッション工法とロータリー工法では掘削した孔が崩れないよう、泥水で泥壁を作るといった特徴があります。エアハンマー工法では水を使わないため、工事の進め方も最終的な掃除の仕方も異なります。また、各自で仕上がりの口径が異なり、向いている地質や深さなどにも違いがみられます。

さく井工事の工法1:パーカッション工法

さく井工事の工法1つ目は、パーカッション工法です。掘削ビットをワイヤーロープの先端に吊り、ロープを上下に動かすことで掘削します。削った石や砂はポンプで吸い上げるので、仕上がりもきれいです。

仕上がりの口径が200~1,000ミリほどで、200メートル以下の浅い掘削に向いています。やわらかい地面の掘削に適しているとされます。水道施設や工場、ゴルフ場などで用いられることが多い工法です。

さく井工事の工法2:ロータリー工法

さく井工事の工法2つ目は、ロータリー工法です。トリコンビットと呼ばれる刃先と機械を連結し、刃先に回転力を与えます。そしてトリコンビットを回転させることで掘削する工法です。

300ミリ以下の口径、1,500メートル程度の掘削に適しているとされます。騒音や振動が少ないので、市街地でも多く使われています。基本的には地層の質を問わず安定的な掘削を進めることができるため、浅井戸と深井戸のどちらにも対応可能です。

さく井工事の工法3:エアハンマー工法

さく井工事の工法3つ目は、エアハンマー工法です。圧縮空気を使って掘削ビットを駆動させ、打撃力によって掘削する工法です。3つの中では一番パワーのある工法です。

他の工法に比べて、掘進速度が速く、仕上がりも早くなるのが特徴です。口径が350ミリ以下、小規模な井戸や狭いスペースに適しているとされます。騒音や振動が比較的大きいので市街地には向きませんが、山中の硬質な岩盤地層の掘削などに向いています。

さく井工事の工程6つ

さく井工事の工程は、現場調査・仮設作業・掘削・水をあげるための設備工事・内部清掃・水質調査の6つに分かれています。各工程で必要になる作業の内容が異なり、それぞれを不備なく行っていくことが大事です。

現場調査は事前の作業となり、工事の実施を決定するために行う工程です。その後の仮設作業から水質調査までが、本格的な工事の工程になります。工事が全般的に終了したら、機械や機材などを撤去して井戸が完成します。

さく井工事の工程1:現地調査

さく井工事の工程1つ目は、現地調査です。工事を始める前に、井戸を作りたいと希望している場所に井戸掘削工事が行えるかどうかを判断します。確認する点は主に2つ、スペースと地質です。

スペースは狭いと掘削機の搬入が難しく、作業に必要な広さを確保できないことから、工事が行えないと判断される可能性が高いです。地質は稀に固くて掘れないケースもありますが、周辺情報からある程度考慮して問題なければ工事可能と判断されます。

さく井工事を行うにあたって支障がない土地と判断できたら、地質に合わせて工法も決めておきます。その他、安全を確保するために必要な対策や、機材を配置する位置などの確認も行っておきます。

さく井工事の工程2:仮設作業

さく井工事の工程2つ目は、仮設作業です。掘削する位置にさく井機械を設置し、必要に応じて敷き鉄板や防音壁など周辺機材の仮設も行います。掘削の邪魔になるものがある場合は取り除きますが、取り除くものによっては別途費用がかかります。

取り除くものがコンクリートの場合はハツリ作業(削る・壊す作業)を行い、産業廃棄物や建設廃材などガラ(大きなゴミ)が出た時には撤去作業も行われます。ガラが多量だったり、産廃が混入している場合は二重掘り作業で更に別途費用がかかります。

使用する掘削機についてですが、一般的には家庭用井戸と業務用井戸で異なります。家庭用井戸には分解可能なタイプを使い、2トン車で搬入して現場で組み立てます。業務用井戸には、4トンのユニック車で運ぶタイプを用います。

さく井工事の工程3:掘削

さく井工事の工程3つ目は、掘削です。準備が完了したら目的の深度まで掘削作業を行いますが、掘削の仕方は工法で異なります。ロータリー工法とパーカッション工法に関しては同じ掘削方法ですが、対応地層には違いがみられます。

ロータリー工法とパーカッション工法は、目的の深度まで掘削したらケーシング管を差し込んで井戸を仕上げます。掘削中は孔の崩壊を防ぐために、孔内に泥水を満たして泥壁を作ります。エアハンマー工法では、掘削と同時にケーシング管を打ち込みます。

一般の家庭用井戸には、掘削径150mmで深度20mまで掘削できるロータリー工法で作業を進めていきます。業務用井戸の場合だと、掘削径210mmのパーカッション工法が用いられます。掘削作業は、地下水の存在が確認できた時点で終了になります。

さく井工事の工程4:水をあげるための設備工事

さく井工事の工程4つ目は、水をあげるための設備工事です。掘削後に差し込むケーシング管には、孔の保護と貯水を可能にする役割があります。この管内に細かい砂が侵入しないよう、菅にスリットや20mmの孔を開けて砂取り器を差し込んでおきます。

次に、掘削孔とケーシング管の間に洗浄砂利(川砂利)を充填します。この砂利は地層崩壊を防ぐと同時に、水をろ過して孔やスリットから綺麗な水を取り上げられるようにするフィルターの役割もあります。

これら水をあげるための設備工事を行う前に、電気検層が行われることもあります。掘削孔に測定器を差し込み、深度ごとの電気抵抗を測定し地層を区別する試験です。深度を評価して適切なスクリーン設置になるよう、ケーシングプログラムを考えます。

さく井工事の工程5:内部清掃

さく井工事の工程5つ目は、内部清掃です。孔内に溜まった土砂や使った薬剤などを取り除いて、井戸の中を綺麗にしていきます。清水置換・スワビング・ベーリング・エアリフトなど、必要に応じて様々な作業を組み合わせて清掃を実施します。

ロータリー工法やパーカッション工法で掘削した場合は、掘削時に孔の崩壊を防ぐ泥壁作成用に使用した泥水をポンプ洗浄やコンプレッサー洗浄で吸い上げる作業も清掃の一環として行います。吸い上げたら泥壁を崩し、孔内の土砂などを片付けます。

エアハンマー工法で掘削が行われた場合は、エアリフト洗浄を用いて掘削中に生じた濁水や細かい堀りくずを外に出していきます。内部清掃後はケーシング管内に地下水を誘導し、スクリーン管を経由して帯水層から井戸内に入ります。

さく井工事の工程6:水質検査

さく井工事の工程6つ目は、水質検査です。揚水試験を通して、使用目的に沿った項目(主に水道法や食品衛生法などに関する項目)の検査を実施します。

揚水試験は、あらゆる試験や測定から帯水層の特性や井戸の能力を調べ、本設ポンプの選定や設備設計を行うための試験です。井戸に水中ポンプを設置し、実用時と同様に地下水を組み上げる形で実施されます。

揚水試験の中で行われる試験や調査は、予備揚水試験・段階揚水試験・連続揚水試験・回復試験・影響調査・微流速試験・層別試験など様々です。このうち、影響調査・微流速試験・層別試験などは特殊な調査になります。

揚水試験の特殊な調査概要
影響調査周囲井戸に対する影響が懸念される時に、観測井を設けて影響水位の観測を行います。観測データを基にシミュレーションし、周囲井戸に及ぶ影響を評価します。また、水質影響の検査を行う場合もあります。
微流速試験揚水試験に伴い、井内流速の測定を行う試験です。求め方は、井内流速×井戸径(断面積)=流量(湧出量)。測定は各帯水層の深度で実施し、帯水層ごとの能力(湧出量)の違いを考察します。
層別試験水中ポンプと遮水パッカーを組み合わせて、特定の帯水層から差別的に揚水を行います。ポンプとパッカーの深度を変えながら数ヵ所の帯水層で揚水試験を行い、帯水層別で揚水能力や水質の違いを考察します。

さく井工事の種類と工程を確認しよう

さく井工事には、3つの工法と4つの主な種類が存在しています。工程も6つほど踏む流れが一般的で、さく井工事にかかる費用の金額や、温泉井など用途によっては相応の許可が必要になることもあります。

井戸を作るための工事は基本的に大がかりで費用も時間もかかるため、種類・工法・工程・関係する許可などを把握しておくことは大事です。家庭用の井戸でも業務用の井戸でも、正しく作り終え、問題なく使えるようにしましょう。

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