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施工管理技士が知っておくべき消防設備工事とは?設備工事の種類や時期について解説

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公開日時 2023.03.16 最終更新日時 2024.04.09

施工管理を考える上で重要な「消防設備工事」とは

消防設備工事とは、建築物などに火災警報設備や消火設備、防排煙設備などを設置する工事のことです。
万が一のことが起こっても被害が最小限で済むように、ニーズに合った消火設備を提案・施工します。
消防法により、建築物等は消防設備を設置し維持する義務があります。
施工管理において消防設備の提案、工事施工、メンテナンス、修繕の業務を行い、安全な施設の環境整備に貢献します。
消防設備工事の施工管理に含まれるのは、避難ハシゴ、誘導灯、標識等の避難設備の工事です。

出典:消防法 第十七条|e-Gov法令検索

消防設備工事の種類と特徴一覧

・消火設備
屋内・屋外消火栓、スプリンクラー、二酸化炭素消火設備など、消火に関わる設備を設置します。

・警報設備
自動火災報知設備、ガス漏れ火災報知設備、漏電火災報知器などか火災が起きた際に警報を発信する設備を設置します。

・避難設備
避難ハッチ、避難はしご、誘導灯、緩降機など避難の際に必要な設備を設置します。

軽微な建設工事以外の消防設備工事を行うには、消防施設工事業許可を取得する必要があります。
これは公共工事か民間工事かを問いません。

消防設備工事の種類

消防設備工事には多くの種類があります。
以下が工事とその内容の一例です。
消防設備工事は、火災警報設備、消火設備、避難設備などの消火活動に必要な設備を設置する工事のことで、設置する場所に適した方式の消防設備を設置します。
施工管理で扱う屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、粉末消火設備、イナージェン消火設備、窒素ガス消火設備、CO2消火設備などの消防設備工事について解説します。

屋内・屋外消火栓設備

加圧送水装置、制御弁、消火栓、吸水口、消火栓箱などの設置工事を行います。
屋内消火栓は、水系設備に分類され、消火水槽、消火用ポンプ、配管および接手類、消防用ホースで構成され、一般的に平ホースが設置されます。
屋外消火栓にあるのは屋外消火栓箱、地上式消火栓と地下式消火栓です。
屋外消火栓箱は、屋内消火栓箱と同様に箱の中にホース、ノズル、開閉弁が箱に納められています。
地上式消火栓は、地上に消火栓の開閉弁を設置し、地下式消火栓は地下に消火栓の開閉弁を設置します。

スプリンクラー設備

スプリンクラーヘッド、補助散水栓、開閉弁、制御弁、起動装置、自動警報装置などスプリンクラーに関わる設備の設置工事を行います。
スプリンクラー設備は、防火対象物の天井などに設置したスプリンクラーヘッドからの放水を火災感知すると、手動または自動で行う設備です。
スプリンクラー設備には、閉鎖型と解放型があり、閉鎖型は水の出口が常に閉じられていて、解放型は水の出口が常に開いています。

自動火災報知設備

受信機、感知器、発信機、音響装置などの設置工事を行います。
自動火災報知設備は、火災により発生した煙や熱を感知して、警報ベルなどで火災の発生を知らせる設備です。
自動火災報知設備は、熱を感知するものに差動式スポット型感知器、定温式スポット型感知器があり、煙を感知するものに光電式スポット型感知器、光電式分離型感知器、炎を感知するものに紫外線式スポット型感知器、赤外線式スポット型感知器などがあります。

粉末消火設備

粉末消火剤容器、タンク、噴射ヘッド、ホース接続口などの設置工事を行います。
粉末消火設備は、粉末消火剤が熱により分解して不活性ガスを発生し、発生した不活性ガスと粉末の噴射に用いた窒素ガスが空気中の酸素濃度を減少させて、火災を消火します。
粉末消火設備は、油火災、液化ガス火災に効果がある設備です。
粉末消火設備に使用する粉末薬剤は、第一種粉末(炭酸水素ナトリウム)、第二種粉末(炭酸水素カリウム)、第三種粉末(リン酸塩類)、第四種粉末(炭酸水素カリウムと尿素の反応物)があります。

イナージェン消火設備

イナージェンとは不活性ガスと窒素を合わせた合成語です。
環境や人体に安全といわれ、無味無臭です。
タンクの設置や開閉弁・制御弁、起動装置などの設置工事を行います。
イナージェンガスは、N2を52%、Arを40%およびCO2を8%含み、環境・人体に安全で、室内放出後の比重が空気とほぼ同じです。
ハロンのようにオゾン層の破壊が無く、一酸化炭素のように吸い込んでも死亡することが無いので広く使用されています。

窒素ガス消火設備

窒素ガスを放出することで酸素濃度を下げて消火する設備です。
水などをかけると損傷するものがある美術館や博物館などで多く設置されています。
空気中にも存在する窒素ガスを噴霧して、可燃物の燃焼面を覆って消火します。
窒素は空気と比重がほぼ同じなので、室内に長く滞留して消火効果が持続し、窒素ガスは安定したガスで、油、金属、電機絶縁体に悪影響を及ぼしません。
また、消火後の汚損が無く、消火後すぐに機器を復帰できます。

CO2消火設備

二酸化炭素を使用した消火設備です。
電力、科学、機械などの工場や学校、病院など、水による消火に適していない場所に使用されます。
CO2消火設備は、電気絶縁性が大きい、機器等を汚損、腐食、損傷しない、油火災に速効性がある、消火剤の変質がなく長期間貯蔵できるなどの特徴があります。
そのため、設備コストが他の消火設備より安くできるでしょう。
なお、CO2消火設備には全域放出方式と局所放出方式があります。

消防設備工事を行う時期

消防設備工事を行う時期

消防設備工事とは、消防法に基づいて火災報知設備工事、消火栓設置工事、スプリンクラ―設置工事などを含みます。
消防設備工事を行う時期は、建物を建てるときです。
建築後に消防設備工事を行うのは、消防設備が耐用年数を迎えたときですが、消防設備点検で異常が見つかった場合も、修理・更新のための消防設備工事を行います。
さらに、建物の増築や間取り変更、用途変更などでも消防工事を行わなければなりません。
また、消防法が改正されたときは、消防法に合うように消防設備工事を行います。

新設や増設に伴う工事

消防設備工事を行う時期として、新設や増設に伴う工事があります。
消防設備の新設または改修工事を行う場合、工事を行う前に着工届、工事終了後に設置届の提出が必要です。
なお、消防用設備等の工事は、当該消防用設備の甲種消防設備士が行います。
消防用設備及び防火施設に関する査察が、消防署等により数年おきに行われます。
屋内消火栓扉の開閉障害、ホース・ノズルなどの不具合の指摘事項があった場合は、早急に改修を行います。

点検や修理に伴う工事

消防設備工事を行う時期として、点検や修理に伴う工事があります。
消防設備の点検を業者に依頼し、提出された点検内容で修理の必要な工事を業者に依頼します。
点検する消防設備は、屋内・屋外消火栓、スプリンクラー、粉末消火設備、イナージェン消火設備、窒素ガス消火設備、CO2消火設備などの設備工事です。
屋内・屋外消火栓、スプリンクラーなどは定期的に点検して、老朽化した場合は直ちに修理します。
粉末消火設備、イナージェン消火設備、窒素ガス消火設備、CO2消火設備などは、消火剤の補充を定期的に行い、緊急時に直ちに対応できるように整備しておきます。

消防設備工事に必要な手続き

消防設備工事に必要な手続きは、工事着工の10日前までに管轄消防署に届け出ます。
届出の必要な消防用設備等は、(1)消火設備、(2)警報設備、(3)避難設備、(4)操作盤または総合操作盤になります。
消火設備では、付近見取り図、防火対象物の概要表、消火設備の概要表、平面図、断面図、配管系等図及び展開図、計算書、使用機器図が必要です。
警報設備では、付近見取り図、防火対象物の概要表、警報設備の概要表、平面図、断面図、配線図が必要です。

出典:消防法施行令 第三十六条の二|e-Gov法令検索

劇場、デパート、ホテルなどの建物の屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防設備工事を行うには、消防設備士の資格は必要です。
甲種消防設備士は、消防設備等の工事、整備および点検の全てができる資格です。
乙種消防設備士は、消防用設備等の整備、点検を行うことができますが、工事はできません。
消防設備士試験は、一般財団法人消防試験研究センターが年2回実施しており、消防設備士試験の受験の申請は、電子申請または書面申請で行えます。

出典:消防設備士について|一般社団法人消防試験研究センター

有資格者じゃなくてもできる軽微な消防設備工事とは

有資格者でなくてもできる工事には、水系の消火設備は電源、水源、配管の部分の工事、電気設備については電源の工事です。
電源は共通して、消防設備士の工事から除かれています。
有資格者でなくてもできる軽微な消防設備工事には、消火器の整備、漏電火災警報器の整備、消防整備士でなければ行ってはならない工事から除かれる部分の整備、屋内消火栓設備の表示灯の交換等、軽微な整備が含まれます。

消防設備工事で大切な人命や建築物を守ろう

消防設備工事は、火災が起こった際に人命や建築物を守るとても大切な工事です。
火災が起こったとしても被害を最小限に抑えなくてはいけません。
屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、粉末消火設備、イナージェン消火設備、窒素ガス消火設備、CO2消火設備などは老朽化するので点検・補修して機能を維持しなくてはいけません。
施工管理技士はそのことを念頭に置き、建造物に合った適切な消火設備を提案・施工できるように心がけましょう。


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