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公開日時 2019.12.10
最終更新日時 2022.04.06

施工管理者が知るべき現場の知識:石工事のトラブルと防止策

施工管理の仕事をしている人の中には、工事上のトラブルに頭を抱えている人も多いでしょう。
工事の種類によって、発生しやすいトラブルを予見して、トラブル防止に努めなければなりません。
ここでは石工事でよく発生するトラブルとその防止策について紹介していきます。

石工事のトラブル代表例

石工事では石材を使うため、石材の性質に関わるトラブルが多いです。
石材は一見すると水分を通さないように見えますが、吸水性があり、水に濡れると内部に染み込んでいきます。そのため、吸水性があるがゆえのトラブルが多いです。

石工事のトラブル例

・シミ
石材の表面に水分が付着すると、表面が濡れるだけにとどまらず、内部まで染み込んでいきます。
少し濡れた程度であれば乾きますが、汚れを含んだ水や油分などが染み込むと、シミになってしまうことも多くあります。

・エフロレッセンス
石材は水に溶ける成分が含まれていますが、その成分の濃度が表面部分だけ濃くなってしまうトラブルです。
石材に染み込んだ水が、内部の成分を含んだ後に表面に移動し、その状態で水分が蒸発することで起こります。

・吸い上げ現象
石材の裏側が濡れた場合に、水分が石材内部の成分を含みながら表面に吸い上げられるトラブルです。

吸い上げ現象もエフロレッセンスの一種です。
いずれも石材の表面に白い粉上のものが発生します。
これは、染み込んだ水が蒸発することで、水に溶けていた石材内部の成分が出てきたものです。

石工事のトラブル防止策

シミやエフロレッセンスなどの石工事における代表的なトラブルは、いずれも石材の吸水性が原因で発生します。
そのため、表面に水を通さない塗膜材を塗布して吸水性を弱めることで、トラブルを防止する方法が広く用いられています。
しかし、裏側が濡れることで起こる吸い上げ現象は防止できません。また、塗膜材によって石材の風合いが変わってしまうのが難点です。
そこで、塗膜材を塗布するほかに「裏面処理」という方法も行われています。
石材の裏側に防水膜を施すことで裏側からの水分の吸い上げを防止するのですが、この方法でも完全に防ぐことはできず、目地回りにエフロレッセンスが発生してしまいます。
工事現場の状況や周辺環境などを考慮して、防止効果がより高い最善の方法を採ることが大切です。

工事の状況に応じた防止策で石材を綺麗に保とう

石工事では石材に水分が染み込むことで、シミやエフロレッセンスなどのトラブルが多いです。
表面に塗膜材を塗ったり裏側に防水膜を施したりすることで、ある程度は防止できます。
施工管理者は、工事の状況に応じて防止策を採り、綺麗な状態で引き渡せるようにしましょう。

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