「監理技術者になると年収が大台に乗るという噂を聞いたのですが、本当でしょうか」
この質問は、建設業界ではおなじみかもしれません。確かに監理技術者を募集する求人票をみると、年収1,000万円 に迫るものも存在します。

若い建設作業員の方々にとっては、夢のある話でしょう。監理技術者になるためには、資格が必要なのでしょうか。経験が必要なのでしょうか。

夢を叶える道を紹介します。

試験はない。1級国家資格または実務経験が必要

監理技術者の資格を取得するための試験はありません。受験勉強をしなくていいのです。その代わり、1級国家資格、または十分な実務経験を持っていなければなりません。

いずれかを持っている人が一般財団法人建設業技術者センターに申請すると、条件をクリアしていれば監理技術者資格証が交付されます。 その後、監理技術者講習を受講して修了すると、建設業法上の監理技術者として仕事をすることができます。

試験がないので「簡単」そうに感じるかもしれませんが、「1級国家資格または十分な実務経験を持つこと」はかなりハードルが高いといえます。

指定建設業の7業種は1級国家資格が必要

建設業には合計29種類の業種があり、そのうち「木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業」の7業種は指定建設業と呼ばれています。この7業種に属していて、1級国家資格を持っている方は、建設業技術者センターに申請すると監理技術者資格証が交付されます。

しかし1級国家資格とは、1級建築士を始め、1級建設機械施工技士、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、1級電気工事施工管理技士など難関資格ばかりです。指定建設業7業種に属している方々は、まずはこの壁を突破しないと監理技術者になることはできません。

指定建設業以外の22業種は実務経験が必要

指定建設業以外の22業種は次のとおりです。

• 大工工事
• 左官工事
• とび・土工・コンクリート工事
• 石工事
• 屋根工事
• タイル・れんが・ブロック工事
• 鉄筋工事
• しゅんせつ工事
• 板金工事
• ガラス工事
• 塗装工事
• 防水工事
• 内装仕上工事
• 機械器具設置工事
• 熱絶縁工事
• 電気通信工事
• さく井工事
• 建具工事
• 水道施設工事
• 消防施設工事
• 清掃施設工事
• 解体工事

この22業種に属している方が管理技術者の資格を取るには、次の実務経験を積む必要があります。

指導監督的実務経験とは、元請けとして請負代金4,500万円以上の工事で現場監督のような立場で仕事をした経験のことです。
このハードルも決して低いとはいえないでしょう。

まとめ

監理技術者になることは簡単ではありません。しかし地道に仕事に取り組んでいれば、知識をスキルと経験が身について、挑戦のチャンスがやってくるはずです。監理技術者の資格は、より幅広い仕事や高い年収が得られるだけでなく、建設業界のなかで高いステータスを獲得することができます。

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